2011年9月22日木曜日

チャイナプラスワンを今頃選んでどうなるの巻き

※ジェトロ・ビデオニュース:こちらから訪問下さい。


ジェトロのセミナーに参加してまいりました。
お題は、「バングラディシュ・パキスタン・スリランカセミナー」でした。
この国々は、新たな製造拠点や新興市場として注目を浴びるようになりました。

今までは、日本の製造業移転先と言えば、中国でした。
しかも、今は簡体字で分かりにくいとは言え、中国語は漢字の国に当たります。
歴史的に見ても、日本は文化文物の影響を大きく受けて来ました。

それだけ親近感もあるわけでして、すぐに考え付くところでしょう。
地理的にもすぐ隣にあるし、進出は実に便利だった分けです。

でも、中央集権的な独裁国家は、カントリーリスクも大きい。

工場用地の強制立ち退きは、日常、よく聞く話です。
沿岸部の人件費も、賃上げ率ですでにタイを上回ってしまいました。
賃上げ率なんか、10%、20%が普通なのです。

一方、アセアン諸国に進出した企業は、どうなのでしょうか。
業種次第ですが、労働集約的な繊維産業は競争力が弱まりました。
労賃の上昇は、かなり命取りなのかもしれません。
となれば、利益あっての企業は、とにかくお引越しですね。

そこで、注目を浴びたのが、中でもバングラディシュでした。
NHKニュースでも、ついこの間、紹介されていたのを覚えています。
例えば、縫製工の月給は最低で40ドルと破格です。


※朝日の記事。訪問先はこちらから


縫製業の工場関係者が、工場用地を必死で物色していました。
つまり、プラスワンの生産拠点としては上等なようです。
でも、輸出加工区(EPZ)の工場用地は、ほぼ完売と聞きました。

こうなると、進出できる可能性もかなり限られてきます。
自力で土地を買収して、電気も水道も引いて工場を建設なんて無理でしょう。
しかも電力不足だそうで、EPZ以外は供給保証が得られないと聞きました。

と言うわけで、この国では、韓国の繊維メーカーが工業界を先頭に立って牽引しています。それもそのはず、1990年代、東南アジアでは日系企業の活動が独壇場で、進出先としてはこの国しかなかったのが、今となっては追い風になりました。洪水被害の印象が真っ先に浮かびますが、食料自給率もほぼ百%なため、物価も安いのです。そんなプラスワンを先に選んだ韓国こそ、先見の明があったのかも知れないと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

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