2009年4月26日日曜日

先輩、商売繁盛を願って已みませんよの巻き

実を言うと、貧乏社長は、この四月のはじめの二週間を使って年一回の一時帰国を果たしていた。
会社の駐在員規定に従って、バンコク~成田の往復航空券が上さんともどもロハで支給してくれる条件を活用したことになる。

日本に居る時は、年一回のお盆の墓参りを欠かさずに郷里の北海道まで出向いて来たんだが、東京から4千五百キロも彼方のバンコクだと、流石に時間と金も掛かるもんでお盆には出かけられなかった。
まあ、赴任直前の真冬の時期に少し早い彼岸の墓参りを済ませておいたから、鬼籍に入った両親には堪忍してもらうとして、3泊4日の行程でレンタカーを借りて北海道の札幌へ戻ってみた。

(写真は、札幌近郊の馬追運河でシベリアの北帰行を待つ白鳥たち。)

それで、大学時代の同窓生と二十年ぶりに再会して、所属していた同好会の先輩の近況とか色々と聞くことができたんだが、その中で、先輩の一人がまさか脱サラしてラーメン屋の主になっていようとは、貧乏社長も露知らずでびっくりしてしまった。
改めて思い返せば、大学を卒業してから、もうすぐ三十年になるのだ。各人の人生の有為転変があるのは当たり前と思ったとしても、その先輩は、結構お堅い勤め先だったので定年まで働き上げれば、それなりに楽なリタイア後の人生が待っていた筈だろう。早期退職制度を利用したのかもしれない。

まあ、人生にはいろいろな門出があると思いつつ、上さんと一緒にそのラーメン屋さんへ繰り出してみた。

店の名は、”ラーメン逍遥亭”と言う。


おいしかった。あのスープは、良い塩味が出ている。来年も里帰りしたら、きっと再訪するだろう。
そんなことを思いながら、ちょっと不安もよぎる。
と言うのも、店が札幌市の中心部の地下鉄や市電が交差する繁華街にありながら、平日の七時で上さんと一緒に暖簾をくぐった時には、席に座っていた客が一人だったからだ。
東京だったら人気店になるはずなんだがと思いつつ、ご主人と言うか先輩と、お店を開く経緯やらスープを作る素材のこだわりとか、色々な話題で話が弾んだ。

何か、お店の宣伝に手助けができないだろうか?
ホテルに帰ってそう思いつつ、ひとつのアイデアが浮かんで来る。

もし、大学の卒業生でブログを開いている人や、ラーメン食べ歩きの通人でブログを開いている人がいたら、コメント欄でお店を紹介して食べに行ってもらえるのでは無いだろうか?

ささやかな宣伝だが、お店を応援してあげることができるだろう。
そんなことを考え出して、バンコクに帰国してから”ラーメン逍遥亭”をキーワードにグーグルで検索する。
1千件以上がヒットして来た。こうなれば、それなりの条件に適った人が見つかるはずだ。

結局、ブログ”のぶ@テレビ塔のチャンネル すっかり札幌ラーメン食べ歩きノートになってます・・・”さんのブログがラーメン通のベンチマークになっていそうな手応えを感じながら、最近、お店へ食べに言った投稿のあることを確認してコメントを出した。

<貧乏社長のコメント>
タイからです。
一時帰国して墓参りに札幌に戻ったときに、大学の同窓生に再会したのですが、このお店の話が出ましたので、家内と一緒に食べに行って来ました。
高校・大学の先輩に当たる主人に聞きましたが、塩ラーメンの味として、全国区の味付けを目指しているようです。塩は南米ボリビア産の岩塩、チャーシューは鹿児島黒豚、飾りにクコの実を三粒あしらう凝りようですので、良い意味で既に北海道のラーメンではないと思いました。
このため、濃い味を嗜好する道産子にとっては、味付けが味・油とも薄めに感じるかもしれませんが、人生の半分以上を内地で暮らしてきた小生にとっては合格点を付けたい味付けで、毎日食べたくなるリピート性の高い、おいしいラーメンと感じました。(こちらのタイラーメン”バーミナム”に通ずるものがあります。)
ご主人に言わせると、味付けをもう少しさっぱりさせたいのだが、地元っ子の好みにぎりぎり合わせた結果があの味なんだそうです。
モンゴル岩塩を使用したラーメン屋さんも結構ありますが、硫黄の成分が味付けに馴染まないので、本人は選ばなかったとも言っていました。
終わりに、逍遥亭の命名ですが、母校の大学寮歌にある「若人逍遥の歌」から取ったんだそうです。これは未だに小生も歌えまして、懐かしく感じました。
それでは、逍遥亭を今後とも末永くご愛顧くださいますよう、お願い申し上げます。
Posted by ぐりぐりももんが at 2009年04月18日 08:44

<のぶ@テレビ塔のチャンネルさんからのコメント返し>
【ぐりぐりももんがさん】
はじめまして、コメントありがとうございます。
 
店主さんの目指してる1杯、興味深く読ませて頂きました。
麺にも拘ってるご様子でしたので、嗜好の違いが大きく出るラーメンにかける思いが伝わってきます。
また食べに行かせて頂きますきますね(^^)
Posted by のぶ@テレビ塔のぶ@テレビ塔 at 2009年04月18日 22:14

この他にも、同窓生と思われる”Good Luck ! ★ Where there is a will, there is a way ★"さん等へも、母校つながりで紹介させていただいたんだが、新しい人生の出発点となる先輩の商売が成功することを陰ながらタイで祈る、貧乏社長なのでありました。(この巻き、終わり)

2009年4月19日日曜日

柳の下に泥鰌は二匹いても、感動の嵐の巻き

最近ユーチューブで4千万回以上も動画再生された、投稿ビデオ「ブリテンズ・ゴット・タレント~スーザン・ボイル編」を見た。(Susan Boyle - Singer - Britains Got Talent 2009

これは、47歳のごく普通のご婦人、スーザンさんがイギリスで放映されているタレントを発掘する人気オーディション番組に出場した際の録画がそのまま出回ったんだと思う。ぱっと見で見栄えのしないおばさんが、歌い出したら天子の歌声とも言える声で、会場の観衆や辛口審査員を感動させてしまい、絶賛を浴びる様子の顛末を拝見することができる。歌った歌のタイトル”I dreamed a dream.(夢破れて)”も意味深長なわけで、一転して”Dreams come true.(正夢)”に代わってしまうというところが劇的にできていると思う。

一方、日本のマスコミなんかも取り上げ始めていて、MSN産経ニュースではしっかり記事で紹介されていた。

実証ユーチューブパワー 音楽家発掘に威力(2009.4.17 18:50)-MSN産経ニュース
スコットランドに住む47歳の無職女性、スーザン・ボイルさんは予想もしない形で世界的な話題にのし上がった。「生まれてから一度もキスされたことがない」と自らいうボイルさんはこのほど出演した英国のタレント発掘番組で、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲「夢破れて」を披露したところ、会場が総立ちになるほどの絶賛を浴びた。(一部抜粋)

天使の歌声も顔は… 世界を魅了した英国発「普通のおばさん」(2009.4.18 17:41 )-MSN産経ニュース
ボイルさんは英北部スコットランドで愛猫と暮らす独身女性。これまで男性とキスした経験がないという。11日放送の英タレント発掘番組に出演、目を輝かせて「ペイジのようになりたい」と語ると、会場から失笑が漏れた。しかし、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の名曲「夢破れて」を歌い始めると、会場の雰囲気は一変、観客は総立ちになった。
ボイルさんは米紙ワシントン・ポストに「現代社会は外見で人を判断しすぎ」と語り、英紙インディペンデントは「米国人はおとぎ話を求めている。ユーチューブを通じ英国ではなく米国で人気が爆発した」と分析する。(一部抜粋)

いやはや、ものすごいシンデレラストーリーになってしまった。

貧乏社長は、好奇心旺盛なもんでかなり気になりだして、この歌はほかに誰か有名な歌手が歌っていないかとか、この番組ではほかに誰か”わらしべ長者”になった出場者が過去にいなかったのかとか、こつこつネットを使って調べ始めてみた。そこで分かったんだが、良くない表現だけど、スーザンさんは柳の下の二匹目の泥鰌だった可能性があるということ。

一番最初は、携帯電話のセールスを生業としていたアマチュアオペラ歌手のポール・ポッツさんが2007年にグランプリまで勝ち抜いた上に、CDデビューまで果たしている。
ポッツさんは、歯並びの悪さが印象的でおおよそタレントには程遠い冴えない風貌だから、最初出てきたときに審査員が期待していなかった様子がユーチューブからありありと分かってしまう。ところが、歌いだした途端、観客の空気が一変して見る者すべてが惹きこまれて行く。仕舞いには、涙する人あり、鳴り止まない拍手で観客全員がスタンディングオベーションしてしまう。(オフィシャルサイあり)

つまり、ポッツさんはスーザンさんの先達だったのである。

ごく普通のイギリス労働者階級の家庭に育ち、いじめの標的になっていた少年の頃には、唯一の支えになっていたのが歌うことだったと言うのだが、スーザンさん本人も教会でのコーラスとカラオケくらいしか歌ったことはない、という環境なわけで、これだけであのような歌声を生み出せたとは信じられない。

とにかく、柳の下に泥鰌が何匹いようが、感動を与えることのできる才能には惜しみなく拍手喝さいしたいと、貧乏社長は思ったのでした。
(この巻き、終わり-付録つき)

追記1:スーザンさんは、99年に地元のフットバーン・アカデミー(情報技術関連の高校)が寄付を募るために製作したコンピレーションCDに一曲参加して歌っていて、なんとそれがブルースバラードの名曲:クライ・ミー・ア・リバーなんだそうな。サイトのDailyRecord.co.ukから聞くことができます。手弁当持参で参加したんだろうけど、本当に上手いと感じました。

追記2:ユーチューブで見られる”I dreamed a dream”を歌うシンガー
★ヘイリー・ウェステンラ (ニュージーランド出身)
Hayley Westenra - I Dreamed a Dream
僅か15歳のときに歌った舞台の録画ですが、声の美しさに惹かれてしまいこれも捨てがたい。
オフィシャルサイト:Hayley Westenra
コアなファンサイト:'Hayley Westenra追っ掛け隊 in NZ!!'

★ルーシー・ヘンシャル(イギリス・ロンドン出身)
Ruthie Henshall - I Dreamed A Dream
Ruthie Henshall sings I dreamed a dream from les miserable (the sound of musicals)
Les Miserables - I Dreamed A Dream (TAC)

イギリスではかなり高名なミュージカルスターのようで、英国王室のエドワード皇太子とは数年に亘って交際していたものの、本人がアーティスト活動にこだわったがために、遂には破局に終わった話が、BBCのニュースで紹介されている。

オフィシャルサイト:ルーシー・ヘンシャル
ウイキ:ルーシー・ヘンシャル

★ジュディー・クーン(アメリカ・ニューヨーク出身)
Judy Kuhn - "I Dreamed A Dream" Les Miserables
1988年、アメリカ大統領官邸:ホワイトハウスで、当時のレーガン大統領夫妻を前に熱唱したもの。
’87年ブロードウェイ初演時、10周年記念口演時に、彼女がコゼット役を演じています。
舞台向けの声の感じかなーと思います。
オフィシャルサイト:Judy Kuhn
ウイキ:レ・ミゼラブル (ミュージカル)

★番外編:天使の歌声といえば、、、、
シャルロット・チャーチ(Charlotte Maria Church, 1986年2月21日 - )はウェールズ出身の歌手である。12歳で天才少女歌手としてデビューし、クラシカル・クロスオーバーの隆盛に一役買った。その後はポップスの作品も発表し、テレビ番組の司会でも活躍している。
Voice Of An Angel/天使の歌声
Charlotte Church/シャルロット・チャーチ

2009年4月4日土曜日

早起き鳥のさえずりで目覚める頃なのだの巻き

タイと言えば、年がら年中、日中は三十度を超えてしまう常夏の国なせいか、四季の区切りをハッキリ感じる事が少ない。

季節の移り変わりを感じられるとすれば、雨季から乾季に移る11月から12月始めの頃とか、雨季に入る前のクソ暑い2月から4月の頃のパターンのように、二つしか無いように思えて来る。

特に後者の時期は、動植物の繁殖期に当たっているらしく、鳥はさえずるわ、セミは鳴くわ、蛙は鳴くわ、花は咲き乱れるわで、春と夏がごった煮になって、住人に襲い掛かってくるようなもんだ。

そんな中でも、声の美しい早起き鳥は、異国の地で働く貧乏社長にとっても慰めになるんだが、録音してみたので紹介しておこう。





さえずる鳥がどんな鳥なのか、姿かたちをはっきり見たことが無い。
どなたか、ご存知だったら教えてくださいませんか?、そんなお願いの貧乏社長なのでありました。
(この巻き、おわり。)