2010年1月31日日曜日

二級市民の資格があると思い込む人々への哀歌

日本人は、みな平等だと思い込むのは間違いでしょう。
ある地方を蔑視し、差別する発言は、容易く見受けられるものです。
ブログで書いてある記事を読んで、筆者の人間性を疑う場合があります。
何気なく書いたと思われますが、違和感を感じるものです。

おちゃらけ社会派の、自己紹介では関西出身だと言う人のブログを読みました。
北海道は、ハワイ化するのだそうです。
ハワイだったら良いじゃないのと、おっしゃる方もおられるでしょう。
でも、”北海道って、たとえば青森とどう違うのさ?”って言われると、虫酸が走るのです。
しかも、”冬の厳しさとか地場産業のなさとか、別に石川県も青森県も秋田県も北海道も同じに見える”と、付け足しました。

ここまで言われたら、そこに住む人はどう思うでしょうか。
いたわりの足りない、品性に欠けた人間だと思うのではないでしょうか。
この文章には、差別が習俗である関西人の典型があります。

関西の人は面白いですね。
一方で、北海道が大好きな人も多いのは事実です。
でも、表にこそ出さないが、奥深く軽蔑の眼差しを持ち続ける人がいます。

女性でもこうなのですよ。
まして男性だったらどうなるのか。

サントリーと言う企業を知らない日本人はいないでしょう。
美術館やコンサートホールを運営するなど、企業メセナに熱心な文化的企業として有名なわけです。
昔、その社長で、大阪商工会議所会頭を努めていた佐治敬三さんと言う方がおられました。

この方も差別主義者だったようです。

「仙台遷都などアホなことを考えてる人がおるそうやけど、(中略)東北は熊襲の産地。文化的程度も極めて低い」

この発言は、東北、北海道、九州で大きな反感を喰らいました。
そして、自然発生的に大々的な不買運動へ拡大して行きました。
たとえ公的な立場での発言とは言え、知らず知らずに自らの認識を吐露したのです。

面白いのは、東北の人への擦り寄り方ですね。
その後、ビールキャンペーンガールとして、仙台出身の鈴木京香さんを初代として選んでいます。
おもねり、こびる関西商人の逞しさに失笑を隠せませんでした。

自分は、道産子です。
大学を卒業するまで、北海道を出たことがありませんでした。
そして内地へ就職して、同じ日本人とは言え、考え方の違いに多くを学びました。

決して、日本人は平等ではありません。
権利は平等でしょう。
ただ、意識、深層心理は別物なのです。

となれば、道産子は日本人として格下の「二級市民」扱いなのかもしれない。
元々、植民の土地なのです。
多くの人々が移住し、北海道の礎を築き上げたのです。
私は、そう思われても別に反感は持ちません。
そういう選別と差別の意識過剰に陥った人々こそ、哀れむべきでしょう。

つい先日、とあるブログが、在日韓国人の組織団体である民団新聞のコラムを取り上げておりました。
そこでは、衆議院議員の平沼さんが、民主党の蓮舫議員を非難した発言に触れています。

「元々日本人じゃない。キャンペーンガールだった女性が帰化して日本の国会議員になり、事業仕分けでそんなことを言っている。そんな政治でいいのか」

しかも、平沼氏の発言に対して、「外国人を帰化によって屈服させ、2級市民に甘んじさせようとする心根がある。」と厳しく糾弾しているのでした。

確かに、彼女は帰化しました。
ご主人も、お子さんも皆日本人なのです。
しかも、東京に住んでおられるので一級市民でしょう。

それに、二級市民は日本の国籍を有する日本人だけに与えられなければならない。
なぜって、前にも言ったとおり、道産子が二級市民だからね。
だから、その階級に成り得るであろうと言う意識が妄想です。
常軌を逸脱している。

かの人々は、選別の対象にならないのですよ。
日本と言う国土を、宿り木のままに暮らし続ける。
それは、そこでどんなに生活していようが、存在が無い。
浮遊し続ける存在に終止符を打ちたいのであれば、自らで決断すべきだと思います。
(この巻き、終り)

おまけ:
蓮舫議員は、あえて反論しない。
平沼さんの発言は無視した方が無難でしょう。
さもないと、お子さんがいじめに会うかもしれない。
日本人も、結構、厄介だとは思うのです。

2010年1月29日金曜日

トリリンガルには及ばないへたれ駐在員の巻き

Sub-title : My dear platoon leader,

自分はタイ語を話さないのです。
現地の首都バンコクに住んでいるのに、殆どしゃべらない。
おかしいと思う人もおられるでしょう。
ただ、日常の生活会話くらいは、話さずにはいられない。
そうでないと、屋台で大好きな揚げパンとか、おかゆも買えなくなってしまいます

だから、タイ語では本当に基礎的な会話だけに限定されてしまうのです。

それに、運転手さんとはスケジュールの確認は大事です。
「何時に出発する」とか「何時までにどこへ行く」とか、時間と場所の確認は必要になります。
だから、本当に用を足すための最低限の会話です。

一方、仕事はすべてを英語と日本語のバイリンガルで処理します。

現地スタッフに対しては、タイ語で意志の疎通が出来るのなら、それに超したことはありません。
ですが、生半可なタイ語では、不正確になるばかりでしょう。
やっぱり、未だ得意な方の英語で話したほうが無難です。

他方、日本へは、当然ですが、母国語で連絡・相談をすることになります。

しかも、日本人は、自分一人だけです。
日本から連絡を受けた業務は、的確に社内へ伝達されねばならない。
事情の分かりやすい様に簡潔に要点をまとめて、英語で伝えるのです。

つまり、私は経営者でありながら、同時に翻訳者と通訳を兼ねているのでした。

要するに、英語は金を稼ぐ道具なのです。
ほれぼれするような流麗な美文は、無意味でしょう。
目的を伝え、それに従って行動させる機能さえ果たせば、金になるのです。

しかも、株主である親会社の経営の意向は、日本語から丁寧に変換して伝えねばなりません。
その作業は、日々、枝葉末節な雑事から経営計画の策定まで絶え間無く続きます。
日本語で雑談できる相手もおりません。
たった一人で、執務室にこもって作業を繰り返すのです。

あまり、楽しい仕事ではありません。
日本でおちゃらけに仕事をした方が楽しいのです。
駐在手当をもらおうが、お付きの運転手がいようが、そんな欲得は無意味です。
日本語でしゃべるチャンスのある方が、はるかに精神衛生上、素晴らしい。
正直に言いますが、上さんと一緒に来なかったら、これまでこなせたかどうかも分かりません。

それで、とある記事のコメントのやり返しで、私の英語が下手糞だと笑われました。
それで、結構です。
笑われても、利益を出してきました。
それが、自分とスタッフのコミュニケーションの成果だと信じています。

と言うわけで、こちらタイでは、日本人は下手なタイ語より英語をしゃべって仕事をしたほうが無難だと思うのです。
英語を話すタイ人を採用する方が給料を安く抑えられて、コストの心配も無用です。
ただ、自分の英語のレベルがどの程度にあるかは分かりません。
でも、TOEICで750点以上を稼いだから、実用一点ばりでも当面は不足が無いと信じきる道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

おまけ:
上さんは、五ヶ国語を話します。
道産子社長の秘書としても、活躍していただいております。

2010年1月28日木曜日

ハイブリッド・カムリがやって来たの巻き

今日、わが社にタイ国産のトヨタ・カムリが納車されてきました。
もちろん、最先端技術のハイブリッド車なのです。
昨年の七月末から引渡しは始まっていたのですが、未だホヤホヤの新型モデルと言っていいでしょう。


本当は、今乗っている本田のアコードも捨てがたい。
十万キロの走行距離を越えたとは言え、整備工場に運んではまめに点検を受けてました。
故障したこともほとんどありません。

ですから、ちょっと買い換えるには、未だ早いとは思っていたのです。

そんな時、営業部門から、VIP待遇の客先を送迎できるような営業車両がどうしても必要だとせがまれてしまいました。
実を言うと、お客様の中には上場している一流企業の幹部や、海外の代理店社長もいます。
本当は、後ろ髪を引かれる思いだったのです。
それでも決断して、アコード車を営業用に譲ることにしました。

となると、新しい社長車を探さなくてはなりません。
そんな時に、スタッフがこのカムリ車を提案してきました。
燃費が格段に改善されると説明してくれます。

でも、新製品というのは曲者なんだ。


テストを重ねて発売にこぎつけたのも承知しています。
ただ、実用でどんな不具合が出るかは未知数です。
発売から半年後、1年後と時間を経れば、車は熟成されるはずです。

そんなこともあって、半年間、待たせました。
それに、三年リースにすると言っても、支払い総額は大金です。
今年度から、ちゃんと経費予算に計上させることにしました。

こうして、今日、カムリ君が颯爽とデビューしてくれたのです。


まだ、新車ですから赤ナンバーのままです。
登録は終わっているはずですが、「正式ナンバー」が来るまで数週間は掛かるでしょう。
しかも、この仮ナンバーには色んな禁止事項があるようです。

1.夜間18時以降の走行
2.県外での走行
3.高速道路の走行

でも、初日で既に、運転手さんは高速道路を走ってしまった。
しかも、アパートに到着したら夕方六時をとっくに過ぎていました。
でも、違反しているような雰囲気は微塵も感じられません。
これも、タイ風の、結構、微妙な決まりなんだと思いました。

なぜって、これまでも多くの赤いプレート車が夜間を走っていましたから、、、

と言うわけで、乗って見た感想なんですが、静粛性は抜群でした。さすが、トヨタさん、日本に帰参したら絶対にハイブリッドを買おうと決心した道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

おまけ:
ちょっと残念だったのは、シートがアコードより少し安っぽい気がしました。まあ、装備の値段差もあるからでしょう。已むを得ないと思いました。

2010年1月26日火曜日

平仮名だけの参政権はよして欲しいの巻き

タイの言葉は、音標文字です。

44個のアルファベットに近い文字で、言葉を表現します。
それに、5声と言って、発音の抑揚で意味が分かれて行きます。
つまり、喋り言葉ありきの言語です。
しかも、現在形、過去形、未来形のような時制は大まかです。

だから、どちらかと言えば、書き言葉ではないようです。

それに比べて、日本語は書き言葉だと思うのです。
学校で習う文字の体系は、平仮名、片仮名、漢字、ローマ字です。
四つの書き言葉の体系を習わなければならない。

これほどの文字を日本人は使いこなすのですよ。
だから、言葉も暮らしも豊かになると思うのです。

もうひとつ。

日本人は、音を頼りに言葉も作っていると思うのです。

紅葉がはらはらと散る。
雪がしんしんと降る。

こんな、音のように感じる擬態が表現できるのも、日本語しかありません。
書き言葉であっても、音を表すかのように表現を取り込める言葉。
日本語がいかに素晴らしいかを、海外に住んで感じるようになりました。

きっと、しゃっこいも北国の音なんだね。
そんな表現だと思いました。

それで、最近、見かけた写真に嫌悪感を持ちました。

「たれが かつのか さいごまで やってみろ」

このプラカードを掲げた方は、大人です。
もちろん、日本人らしい男性です。
でも、平仮名だけで主張できると思ったのでしょうか。

どうも、小沢一郎さんの三秘書逮捕に抗議しているようです。
でも、同じような容姿なのに、本性は偽れない。
漢字読めなきゃ、マニフェストなんか読めないのです。
そんな人に、どんな参政権でも土台無理な話です。

そんな分けで、タイ語、日本語を比べているうちに、異常な写真に出会ってしまいました。
しかも、隣の女性は、明朝体で印字したプラカードを持っている。
今時、こんなお古の書体で主張する日本人はいません。

なにもかにもチグハグだ。
書き言葉の民族の本質も分からずに、日本の社会を浮遊しているんだろう。
そんな風に思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

おまけ:この写真、やらせじゃないですよね。

本当は夜景がベストなんだの巻き



近くで見ると意外に汚らしいのです。
コンクリートがむき出したかのようにも見える。
いや、漆喰がかびて、薄汚れてくすんだのかもしれない。

河を渡ってはいけない。
こちらの岸から、向こう岸を見て崇めるのです。
向こう岸に拝む尖塔のパゴダこそ、尊いのです。

もし、貴方が3バーツを払って渡ってしまったのなら、後悔しない。
それも、旅の経験になるでしょう。
確かに、小説で連想される聖域は、神々しいのかも知れない。

それは、「暁の寺」。
人々は、ワットアルンと呼ぶのです。
長篇小説「豊饒の海」、その第三部で『暁の寺』が登場します。
小説家、三島由紀夫の書いた作品です。

でも、そんな薀蓄は要らない。
旅を楽しむために、そこに寺があったと思ってください。



そんな分けで、チャオプラヤー川の水上ボートに乗りさえすれば、暁の寺は眺められるのです。そして、夜景でライトアップされた姿こそ、本命なんだろうと思った、道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

2010年1月24日日曜日

敷島の花、望郷の念、花よりクイティオの巻き

確か、先週の初め頃からだったと思うのです。
ベランダから景色を眺めていて気がつきました。
淡いピンクの点描が網膜に焼きつきました。


そうか、、、
さくらが咲き出したんだ。
遠くから眺めておれば、その情景は日本と変わらない。
比較的大振りな木に、ちりばめたような花弁が咲き揃います。

でも、春じゃないんだ。
ここタイは、今は乾季なのです。
さわやかな季節とは言え、気温は三十度を超えてしまいます。

しかも、本当のさくらじゃない。
似ているけど、花びらは可憐でなく、やや大きめです。
近くで見ると小ぶりな朝顔のようにも見えます。

地元の人は、「ชมพูพันธุ์ทิพย์ (チョムプー・パンティップ)」と呼んでいます。
チョムプーはピンク、パンティップが極上の種を意味します。
中国名では、風鈴木と言い、愛らしく鈴を花の姿になぞらえたのでしょう。


こうして、バンコクで見ていると、本当に望郷のさくらに重なってしまいます。

でも、この桜は散り際が良すぎるかもしれません。
花ごとボトッと落ちてしまう。
ハラハラと花びらが散る風情が見当たりません。

午前中、強い雷雨がこの界隈を通り過ぎました。
乾季にしては、異様に珍しく雨足が強かった。
その後、夕暮れ時にベンチャリ公園を散歩したのですが、驚きました。
木の下地面一杯に、足の踏み場も無いほどに花びらが散乱していたのです。

そんな分けで、上さんと一緒につかの間の花見を楽しむことができました。

帰り際、小腹も空いていたことだし、とあるブログで紹介していたクイティオ屋さんに立ち寄りました。腹を満たしたのは良いが、花より団子とならないバンコクの風情に、おかしくて笑ってしまう道産子社長なのでした。

(この巻き、終り)

おまけ:
このクイティオ屋さんは、スクンビット・ソイ22にあり、インペリアル・クイーンズ・パークホテルの並びで、三件ほど手前です。美味しいと言ったら、ニコッとしたお店のご主人の笑顔が印象的でした。
で、タイ桜ですが、種類によっては黄色・白など様々で、中南米は黄色が中心のようです。

2010年1月23日土曜日

玄人素人の境目は、日本よりあるかも知れないの巻き

最近、日本語を喋るタイ人がすごく増えました。
でも、話せるレベルはバラバラですね。
片言の挨拶程度から、ビジネス会話をなんなくこなす日系企業御用達のエリートまで、千差万別です。

中には、ご指名を取りたいから、せっせと語学学校に通う真面目なホステスもおるのです。
まあー、そう言った子は何事につけて勤勉ですから、しっかりしております。
元は取るはずです。
語学の成果を活かして、パパさんと宜しくご一緒に住まうことになるわけです。

こう言う話をしても、上さんは驚きません。

だって、こっちで暮らすために免疫を付けてもらったせいもあります。
着任して間もない頃、社会勉強だと称して、場末の夜の繁華街に一緒に行きました。
確か、スクンビット・ナナにあるアマリホテル近くの裏路地だったと思います。

そこは、有名なパッポンのような華やかさもありません。
お姉ちゃんは崩れちゃっているし、酸えたような臭いがしそうです。
客も客で、腕っ節は強いが、脳たりんを隠せないスポーツ刈りの白物ファランたちが大勢です。

いわくのありそうなスタンドバーで、ビールの小瓶をちびりちびりやって長時間粘る。
隣には、むりくり曲線美もこれ見よがしに、露出度の高い服の毒蛾が止まっております。
二人とも、夜はどこかへしけ込むのでありましょう。

正に援助交際なのでありました。
自由恋愛なのであります。
生活が掛かっているのです。

そんなところを上さんは、見てしまいました。
ここは、春をひさぐための前線基地なのです。
上さんにも、言わずもがなで、自ずと悟っていただきました。

それで、タイにも売春を防止する法の掟は、存在しています。
今ははるか昔、1960年に施行されました。
そして、児童買春の罰則を強めて、96年に改正されました。
つまり、法律はあるんですよ。

でも、人々にはたつきを立てる必要があるのです。
この国の失業率は、統計を見る限り1%台です。
屋台はおろか、天秤棒を担いで売り歩く行商のおばちゃんおじちゃんも、れっきとした対象なのです。

そんな状況の経済ですから、この手の仕事は減りそうにありません。
むしろ、パタヤなんかで出稼ぎに来たロシア人なんかが捕まっています。
きっと、人の国で仕事を盗む方が罪が重いのです。

それで、会社で働いている女性を見ていて気の付いたことがありました。

こちらでは、玄人と素人の境目があるような気がしたのです。
本音と建前はありましょうが、仏教の教えは厳しい。
しかも、地方出身の従業員であればあるほど、伝統と因習に感化を受けています。


男性従業員なんかも、実に可愛いし微笑ましい。
年末の忘年会パーティーで、色っぽいダンサー呼んだら、舞台にかぶり付きで喜んでいました。
あっけに取られて見ていたのですが、工場長に言わせるとあんなのは普通だよと、いとも簡単に言われてしまいました。

と言うわけで、当社の男性従業員は、出会いのチャンスに恵まれていないようです。逆に、日本の若い女性の方こそ、生活モラル全般で白拍子と同じになっている可能性は無いのと、問いかけたい道産子社長がおるのでした。
(この巻き、終り)

おまけ:
自分は、三十年近く前、バックパッカーで海外渡航をしました。
その時、カトゥマンドゥのゲストハウスで、一回百円でやったと言うお兄さんの話を聞くことができました。コルカタでは、五十円もあるとか、ものすごい話がたくさん出たので、未だに忘れられません。
何時風呂に入ったのかも分からんのに、よくできるなー、この豪傑と思いました。
それに比べりゃ、タイは全然上等です。そんなことから書いてみました。

2010年1月21日木曜日

賃上げ率見りゃ、タイに住みたいの巻き

ようやっと、今年の賃上げ交渉も終了しました。
弊社には、労働組合がありません。
ですから、丁々発止の交渉とも無縁です。
大株主の日本側へ了解を取ったら、さっさと社内へ通知するだけです。

交渉は、実に事務的に始まります。
地元の幹部職員が、要求賃上げ率のオファーを説明しに来るのです。
もし、それが来ないのなら、上げる必要もないので、社長はラッキーです。
生産コスト増のことで悩んだり、心配する負担が軽くなりますから。

ですが、従業員も生活が懸かっていますから、絶対に来ます。
今年も、A4一枚くらいの資料を持参して来ました。
各年次の賃上げ実績と、今年の賃上げ想定でA~C案と三案くらいが並んでいます。

毎年の数字が古い順で並んでいました。

2006年:6%、
2007年:5%、
2008年:5%、

と来て、去年は2%と極端に低かったのでした。

これもやっぱり、リーマンショックによる国際金融危機の煽りを受けた景気後退のせいです。
実際に、どこの日系の工場も、稼働率が三割程度、落ちてしまいました。
これは、実を言うと四五年前の水準なんです。

賃金は、高率で上昇しているのに、生産高は後戻りしてしまった。
そうなりゃ、賃上げはできない。
聞くところによると、ゼロの会社もたくさんありました。

でも、労働組合が存在している大手の日系企業は、不用意に上げてしまった。
景気の落ち込みが分かりだした頃に、労使交渉で妥結してしまったらしい。
会社は、5%以上を約束させらたようです。

日本は、ここ最近1~2%も上がれば最高ですよね。
それに比べたら、こちらの賃金上昇は、夢のような話しでしょう。
それで、三つの案を見てました。

A案:4%、
B案:5%、
C案:6%、

なるほど、昔の上げ率に戻った印象があります。
でも、端数が無いのです。
日本なら、小数点第二位まで、せこく細かく算出します。
これまで、前任者が鷹揚だったか、それとも、数値の把握がおなざりだったのでしょうか。

しかも、幹部の説明する世間相場の賃上げ率は、みんな小数点第二位までです。
じゃあ、わが社も、ちょっとお追従して、小数点第一位までカウントすると、宣言しました。
給与計算上は、難しくないのでご随意にと、幹部も承知しました。

これで、初めのプレゼンは終わりです。
今度は、自分が査定しなくてはいけません。
タイは、統計データが比較的、豊富に入手できます。
各種コンサルタント会社の調査結果をデータで並べてみました。

幹部の説明:5.22%
米ヘイグループ調査:5.5%
米コンサルティング大手ワトソンワイアット:5.34%
米ヒューイット・アソシエイツ:4.7%

幹部達は、去年が抑えられたから、今年は6%が希望です。
確かに、去年の業績は、三~四年前の好調時に復帰しました。
でも、リーマンショックみたいな話しが何時起きるとも限らない。
しかも、世間相場は、おそらく5%前半が多いと踏みました。

それで、幹部の説明にちょっと色づけした数字にしました。
ちょっと、不満のあるような金額で十分なのです。
それに、これぐらい支給してあげれば、夜道を歩けなくなると言うのも無いでしょう。
いやー、タイの人も、恨みに思えば暴発します。
何をされるか分からないので、気をつけるに越したことはありません。

こうして、賃上げ率をあっけなく決めることができました。
でも、これができるようになるには、こちらのビジネスに慣れることなんです。
日本側への伺いも比較的にすんなりと通り、あっけなく社内へ通知のできた道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

<おまけ>
【タイ】来年の賃金上昇率5.5%に=米ヘイグループ調査
24日付のタイ紙プラチャチャートラキ(1面)が米経営コンサルタント大手ヘイグループの調査結果として報じたところによると、タイの2010年の賃金上昇率は5.5%となる見通しだ。
業種別に見ると、エネルギー・天然ガス事業の昇給率が最も高く、6.07%上昇。次いで消費財産業5.74%、工業5.31%、金融5.11%の順。 また、平均賞与(ボーナス)は2.86カ月分で、最高は工業の3.04カ月。次いでエネルギー・天然ガス2.99カ月、基礎原料2.95カ月、金融2.6カ月などという。(時事:11月24日付配信)

【タイ】米コンサルティング大手ワトソンワイアットがタイ国内の企業を対象に8月に実施した調査で、回答した105社の2009年の平均実質賃上げ率は5・12%だった。業種別では消費財5・9%、医薬品6・95%、商業・貿易4・81%、金融・証券5・63%、保険3・44%、エネルギー・石油化学8%、通信4・93%、不動産開発3・93%、専門サービス6・2%、運輸・物流7%、製造4・68%(自動車5・21%、電子2・85%)。賃上げした企業は8割だった。
 2010年の平均実質賃上げ率見通しは平均5・34%で、業種別ではアグロ・食品6%、消費財5・44%、医薬品7・06%、商業・貿易4・87%、金融・証券5・63%、保険4%、エネルギー・石油化学5・5%、通信5・07%、不動産開発5・5%、専門サービス6・5%、製造4・88%(自動車5・54%、電子5・38%)。賃上げを予定している企業は76%だった。(日本語総合情報サイト@タイランド:10月27日付け)

【タイ】人材コンサルティングの米ヒューイット・アソシエイツがアジア各地の企業を対象に行った調査によると、2009年のタイの実質賃上げ率は企業の42%が賃上げを凍結したことから3・4%に止まった。2010年は賃上げを見送る企業が14%と予想され、実質賃上げ率は4・7%の見込み。
 アジアの他の主要国の2009年の実質賃上げ率と2010年の賃上げ率見通しはインドネシアが6%、8・7%、マレーシアが4・1%、5・2%、フィリピンが4・3%、6・4%、シンガポールが1・8%、2・6%、インドが6・3%、9・2%、中国が4・5%、6・7%、日本が1・2%、2・1%。(日本語総合情報サイト@タイランド:11月4日付け)

2010年1月20日水曜日

結局、フェルミ推定って経営分析能力なのよの巻き

最近、親会社から納期を厳守できる一括発注量は、最大でどれぐらいかと聞かれました。
そこで、自社の製造設備の生産能力を推定する作業を改めて実施しました。
色々と考えてみたのですが、生産設備で一番ボトルネックになる工程(処理能力)が生産能力を支配すると言う着眼にいたり、それを見つけて推定することができました。

今思えば、至極当たり前なのですが、誰にも教わらず見出したので良しとしましょう。

量的な推定というのは、ビジネスにありきたりな見積もり作業の延長線上にありそうです。
最近は、”フェルミ推定”のような学術っぽい言葉とか、問題解決能力を伸ばす方法として”地頭力”なんて言葉が流行りました。

でも、これってビジネスマンの基礎能力なんですよ、
”フェルミ推定”のできる人は、結局、仕事ができるってことじゃないでしょうか。

<調査結果の回答>
凸凹部長殿

お世話になります。今後、そちらから輸出製品の発注が増加する可能性も高まってきます。
月産能力でどの程度、親会社の専用に、生産枠を確保できるのか、調査しました。
ある程度の推定値も含まれます。
ですが、現状で、この台数なら出荷できるのではと判断しました。
下記の通り、ご報告いたしますので、宜しく、ご参考下さい。

★日本側の発注分に対応できる月産能力:100台

<前提となる条件>
★生産工場は何がネックか?
→検査ラインの処理能力が重要です。
  ここの処理がボトルネックになります。
→生産は一ラインです。
  仕掛品工程などを分業化して工夫すれば、生産力は向上できます。
→生産部材は、総て在庫している状態を前提とします。
→日本から輸出され、受け入れた検査台数は、含みません。
  条件を単純化しました。

<生産能力シュミレーション>
1.検査ラインの現状:6ポイント
2.1ユニット当りの検査時間:1時間45分
  (実作業に1時間30分、15分を準備・終了時間)
3.1日当りの計量検査:27ユニット
  (労働時間8時間÷1時間45分X6ポイント)
4.一ヶ月の平均就業日数:20.4日
  (年間労働日数年245日÷12ヶ月)
5.一ヶ月当りの計量検査数:551ユニット
  (月間労働日数20.4日X27メーター)
 ※近傍では、2006年4月の561ユニットが最大。(製品:131台)
  従って、上記のデータは、ある程度裏付けられるでしょう。
6.昨年度の製品出荷実績:1000台、2353ユニット
7.一台当りのユニット数:2.35
 ※輸出製品の受注増を反映して去年のデータを利用。
  ただ、08年も2.3ぐらいでした。
8.一ヶ月の検査能力:234台
(554ユニット÷2.35(1台当りユニット数))
 ※一年で、約2800台になります。
  過去最高は、年間2618台でした。
  単月度の集中生産では、234台もありえる想定です。
9.当社のみの受注量の月次最高出荷台数(今年度):120台
 ※08・09年度は、単月度で100台程度の出荷が最高。
  今年度は、弊社分として100台をベースとする。
  10%受注増と緊急短納期出荷(バッファー):10台分を加算。
10.日本からの発注分に対応できる月産能力:100台
 ※月間検査能力から、当社分月次最高出荷台数(今年度)台を引く。
  (234台―120台=114台)
  その結果、台数は、114台です。
  弊社工場長は、経験則で月間生産能力の40-50%と応えました。
  これは、94台~117台になります。
  また、生産課長は、100台が上限で追加は要相談とのことです。
  ですので、100台と言うことでお願いします。

なお、このような推論を”フェルミ推定”とか言うそうです。
グーグルなどで検索すると、シュミレーションの事例が見つかります。
自分の場合がそうかは分かりませんが、小生も考えには触発されました。

以上
(この巻き、終り)

2010年1月19日火曜日

ばかワンコの巻き

ここのアパート生活も二年近くが経ちました。
人間の住む場所だから、住人が主体なのはもちろんです。
でも、ここは住犬もいれば、住猫だっているのです。

バンコクでも、ペットお断りのアパートは多くあります。
特に部屋の個人オーナーが不動産屋を通じて貸し出すコンドミニアムは、ほぼダメです。
その代わり、オーナー経営の物件は、大丈夫なところが増えてきました。

今住んでるアパートもオーナー経営なので、ペット可になっています。
それで、興味も湧いてきたのでネットで探してみました。
小林さんのサイトでは、”犬&ネコ&うさぎ  OK アパートメント”でリストアップしてくれました。


中には、Rabbit(ウサギ)のみとか、Cat&Rabbit(猫とウサギ)となっていて、犬を外すアパートもあります。
犬も猫も同じようなもんですが、猫限定のアパートもたった一箇所ですがありました。
オーナーが猫好きだからでしょうか。

そう言えば、猫好きの人って、可愛さ余って暴走しますよね。
何十匹も飼って、猫屋敷とか近所で噂されても、平然としている女性。
そんな人がテレビなんかで紹介されたりしています。

こちらも、猫好きはいることはいます。
ですが、タイ人はやっぱり犬好きの方が多いようです。

まあ、バンコクに住む日本人も、ペットを飼うといえば犬が相場でしょう。
自分たちの住むアパートにも、何匹かおるようです。
しかし、可愛さ余って憎さ百倍のワンコもいるわけです。

それが、わたくし達の名づけた”ばかワンコ”なのでした。


犬種はパピヨンです。
小さくて白黒の犬なんですが、お隣に住んでいます。
パピヨンは、蝶が羽根を開いたような形の耳をしていて、優雅な印象です。
でも、スピッツを祖先に持っているので、神経質ですぐ吠えるのです。

奥さんが抱いていると、実におとなしくて可愛い犬ですね。
でも、家の中に居て、外の様子が分からない時、ご主人が帰ってきたと思って喜ぶのでしょうか。
エレベーターが上がって来て止まる時に鳴るチンとか、玄関のチャイムにものすごく反応するのです。

チーン、、、ワワワワ、ワン、ワン、ワーン~。

とにかく、甲高くてうるさい声です。
飼い主にエレベーターで出合えば、”いつもご迷惑おかけして”とか言われます。
しょうがないなーと思うんですけど、逆に鳴かない時は心配になったりもします。

上さん 「おかえり」
自分 「ただいま、今日はばかワンコ鳴かないよ。」
上さん 「奥さんと外出してるんじゃない。」
自分 「そうだな。」

こんな感じです。
鳴けばうるさいのですが、こっちも応酬して自分の声色でワンワン鳴いてやります。
すると、間髪入れずに反応するので、おバカっぽくて憎めないのです。
ですから、鳴かないとどうしたのかなーとか、心配してしまう。

そんな分けで、シャワーを浴びていても、その水の流れる音にさえ反応して吠えるばかワンコなのでした。タイは、マイペンライだからもっと気楽に生きろよと、声を掛けたい貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)

2010年1月18日月曜日

菅ちゃんのフェルミ推定は、不可解の巻き

※09年9月28日 孔子の誕生日ロゴ

インターネット検索エンジンの金字塔と言えば、グーグルです。

ウイキペディアを見たのですが、米国Googleは人類が使う全ての情報を集め整理すると言う壮大な目的をもって設立されたようです。
インターネット上を浮遊する世界中のウェブサイトは、想像のできない数のはずです。
しかも、それらの情報を集めれば、膨大な量になるでしょう。
新聞用紙一枚に換算すると何兆枚分とか、おそらく、そんな数量になりそうです。
そう言った情報を巡回し訪問しながら、黙々と集め続ける。

そんなグーグルですから、検索で求める答えも的確に導き出されます。
より早く回答を得たいのであれば、関連のある用語を複数入力して、エンターキーを押すだけなのです。

でも、どうしてこんな便利なプログラムやシステムを開発できたのでしょうか。
自分も含めて普通の人間には、理解できるはずもありません。
きっと、グーグルの社員は、目から鼻へ抜けたような技術者や理論家で構成されているにちがいないのです。
頭の構造が格段に違うんだと思ってしまいます。

それで、日本でも新入社員の募集がありました。
入社年度の年収は、なんと六百万円です。
恥ずかしながら、自分がこれを超えられたのは、入社してから二十年以上のことでした。

そのお金に見合う人たちの集団ですから、驚異の頭脳集団に違いありません。
アメリカの入社試験をネットで見ました。
テレビのとんちクイズ番組から問題が出されたようで、私はちんぷんかんぷんでした。

問題:「1台のスクールバスの中にゴルフボールは何個入る?」

これは、約百万個と回答するのが適当らしいようです。
いろいろもったいぶった言い訳をつけて、ケツで「数を特定するのは困難でした。」とまとめてはダメらしい。
間違った推論でもいいから、考え抜いて計数を回答しなくてないけない。
仮定や推定を組み合わせながら、計算の条件を編み出す。
そして、「概ねどのくらいになるか」ということを算出して指し示す。
グーグルは、いかに論理的な構築力があるかを見抜こうとしたのでしょう。

これは、プログラム開発に通じるものがありますね。
適切な条件付けを探し出して、答え=最適解を導き出す。
これを、「フェルミ推定」と言うのだそうですが、グーグルの入社試験も同じ土俵に乗っていると思いました。

そこで、思い出したことがありました。
鳩山政権は、日本経済を立て直すために、この「フェルミ推定」を活用することができるでしょうか。
私は、正直無理だと思いました。
だって、昨年末のテレビで、現菅財務大臣がおっしゃった発言をみるにつけ、そう思ったからです。

菅 「いいですか、基地問題は四元方程式なんです。」
他の出演者「・・・・??????」
菅 「一つは日本!、
    一つはアメリカ!、
     一つは沖縄!、
      そして最後は三党連立!」
出演者一同:ヒソヒソ・・・「www」ザワ・・・ガヤ・・・
谷垣 「失礼だけど、その方程式には解が無いと思いますよ。」
(09年12月27日 サンデープロジェクトより)

と言うわけで、日本丸の船は、当ての無い航海、暗夜行路に出たような気がした、貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)

2010年1月17日日曜日

Thai people knows what's good welfare economics here.

In Thiland, the government will soon introduce the regulation for controlling Large-scale retail stores that can have more that 120 m2 floor space.

Now, here the unemplyment rate is only 1.1% and this statistical data can mean counting many small street vendors.
Moreover, we should know one day wage is only five to seven dollars per day.

Why they can live with such low living cost?

I think originally items of basic human needs is inexpensive because Thai is well-endowed in the food category and depending on local-production for local-consumption.
In this sistuation, Street vendors add thier very low overhead cost and the commodity prices could have been kept lower.

Therefore, one query appeared here.

It is whether Large stores can absorb the labour force instead of many tiny retail operators and can keep the same price level in comparison with the conventional and simple logistics.

I think it is questonable for the time being because Thai economy is relying on Export sector accouting GDP 60% and weighing Cost competitiveness.
It is better that any cost shall be cheaper and we can understand the government policy.
Plus, the policy of boosting employment will be also involved.

After all, this situation is quite different from Advanced country such as Japan and US.

But, in EU we can still see many vendors through TV sightseeing programs.
Whta’s the differece?

I think Thai may continuously support the local dealers for their economic policy.
And it may be similar to EU style.
In this point, I believe Thai people knows what good welfare economics here.
(This article : End)

Remark:
This arritcle was rewrited based on the comment released in Blog "経済学101".

工場は皆タイへお引越しするのだろうの巻き

昨年末、世話になったジェトロバンコクのコンサルタントさんにご挨拶してきました。

お話によれば、日本の中小企業は、地元で生産を止めてタイに生産拠点を丸ごと引っ越してくるようになったと言っていました。
東京の大田区なんか、行政が手助けするような時代です。
そう言えば、昨年、株主の頼みで神奈川県の中小企業さんの工場訪問を受けて、現地進出の説明をしたこともありました。

日本では、設計開発や品質管理の部門を一部残し、製造はタイへ一切合財、現地進出するパターンが増えているそうです。
しかも、経営者の二世は、利益も少なく休みの取れない下請け的な3K(きつい・きたない・きけん)の事業を敬遠して、代を引き継がない事例が増えたとお聞きしました。

そうなんだ。
自分が13年前、96年にISOの文書を書くためにタイに来た時は、こんなことは想像もしませんでした。
あの頃は、未だ、製造する品物のグレードとか、市場のニーズに応じて作り分けをしていました。
ものづくりの拠点は、日本に厳然として存在していたのです。

ところが、現在はそれすらも無くなりつつあるようです。
本当に、驚いているし、寂しい気もしました。
実際、自分に係わり合いのある協力会社もこのような現実を経験して来ています。
金属ダイキャストと樹脂成型射出で部品をお願いする協力会社は、日本の生産部門をたたんでしまいました。
しかも、そうなってから十年近くかそれ以上の年月が経過していると聞いています。

つまり、日本の製造業の空洞化はピッチが早くなりました。
こうなると、日本の経営者は、直接投資の仕向け先として、改めて熱いラブコールを、タイへ送っているのかもしれません。

そんな話の中で、一頃中国がものすごいブームだった時代を思い返しました。
90年代、自分は中国の営業担当でした。
ご多分に漏れず、勤め先では投資先の工場を立ち上げます。
まだ、現地調達が困難だった時代で、色々な資機材を輸出した思い出があります。
工作機械、冶具、洗浄油、果てはウエス(汚れ拭きの布)やキングジムファイルに至るまでです。
通関で極端に関税を掛けられないように、輸出書類を工夫して作成したものでした。

でも、中国自らもタイへ工場進出するような時代がとうとうやってきました。

最近は、日本でも中国メーカーの家電製品を数多く見かけます。
中でも、ハイアール社は一番有名です。
実は、つい最近、タイ工場の生産能力増強を実施すると公に発表しました。
2012年までに、年産百万台のエアコン生産能力を持てるようにすると言うのです。

同社は、かってのサンヨー工場を買収してタイで生産に着手しました。
地の利を活かして、中東・アフリカ向けの輸出拠点にすると説明しています。

これは、中国でも空洞化が既に始まったのではないでしょうか。
そして、このような生産拠点の引き受け先をタイが担っています。
なかなかに、タイは成長したのだと思いました。

そんな分けで、自分の親会社も極度な空洞化を心配するようになりました。
製品で製造拠点の棲み分けをするのか、日本の工場は国内向けに専念して、価格競争の厳しい輸出製品を海外拠点に任せるのか、目をそらすわけには行かなくなったのです。そんな風に感じ取った貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)

※本記事は、”短足おじさんのあれこれ”ブログでコメントした内容を書き改めたものです。

2010年1月16日土曜日

何で石川しぇんしぇーが捕縛されるのよーの巻き

おらは道産子だべ。

いんやー、みんす党の石川しぇんしぇーがお縄についてビックラこいてしまいますた。
しゃーないべー。
話をぜーんぶ知っとった秘書さんの金澤某が、サツに飛び込んで命乞いをするとは思わんさー。
そっから、だだもれの噂話が耳だれのように流れてしまったんだと。
そんだども、ズミン党が某を呼んで、勉強会のサロンを開くとはなー。
驚いたんべ。

言っとくが、金沢は石川に、一千七百万円を7月参院選の公認料手付けとして払ったのだそうだ。
後任が見送られたのだから、私怨は残るだろう。
この会合で、鈴木宗男が同席したそうだが、今のところ、鈴木から事実無根の発言は無い。
鈴木も小沢に顔をつぶされた格好となったから、今のところだんまりだろう。

実を言えば、中川昭一が急死した時にテレビでコメントを求められた鈴木の顔が忘れられない。
むしろ、呆然として死を惜しんだかのような印象さえ受けたのだ。
鈴木は、中川を惜しいライバルと思ったかもしれない。
面子をつぶした下衆の小沢と子分の石川よりマシだと感慨したのだと、今になって悟った。

小沢の周辺では秘書の大久保逮捕の件もあって、これ以上係わり合いのある人物を政界に送り込めない実情がある。
だから、金澤は無視された。
表面では言わないが、東北人が北海道人を格下だと思って、扱う姿勢の一端かもしれない。
関西人から関東人、東北人、最後の道産子へと新開地の我々は、序列が何事も下位にある。
張り合えても、沖縄の方が上かも知れない。

しかし、鈴木宗男は地域政党「新党大地」の首領だ。
矜持もあるだろう。
プライドが汚されたのだから、報復は必然である。
しかも、金澤は鈴木に落とし前を相談しているはずだ。

結果は、警察への駆け込みと相成った。

つまり、地域を馬鹿にしたことから、陣営にほころびが出始めたのである。
何気ない地域格差の扱いは、大きな代償を伴う。
道産子は気がつくべきだ。
内地の人間が対等に扱ってくれるなどとは、ゆめゆめ思わぬように。

もうひとつ、警察に身柄確保を願い出たのだから、引き換えに情報は提供しなければならない。
今まで、警察は隠し玉として握ってきた。
ここに来て、開放したのは抹殺される危険が減少したからに過ぎない。

民主党は、一部に極左勢力も隠れている政党だ。
人権の尊重など微塵も無い。
権力を握れば、それぐらいの行使は簡単にするだろう。
まちがっても、日本が安全な国だとは思わないほうがいい。

それぐらい、小沢は危険だ。

おらの独り言だと思ってくんろ。
(この巻き、終り)

おまけ:加筆しております。

2010年1月15日金曜日

統計に嘘をつく国家は詐欺師の巻き

※国勢調査百周年の記念切手(バンコクポスト紙より)

タイは、東南アジアの中で唯一独立を守り通しました。
つまり、欧米列強の植民地になったことが無いのです。
ですから、国家を治める制度は、厳然と存在してきました。

そんな制度の中に、統計事業があります。
すでに19世紀の後半から、貿易・海運統計のような経済指標のデータが集計されていました。日本で言いますと、明治の中頃以降からです。

そして、今年はなんと”国勢調査”を始めてから百年周年になるのだそうです。

ずいぶんと古い歴史があるのではないでしょうか。
上の写真では、”National surveys in Thiland” と記述しています。
国勢調査と言う言葉で表わして良いでしょう。

全国津々浦々で、国民がどのように生活しているのか。
客観的に計量して数字に置き換える作業なのです。
当時は、交通も通信の手段も限られて難航したでしょう。
それでも、その価値観と必要性を、こちらでは早くから認識していたのです。

これは、大変な労力を要する仕事だったと思います。
因みに、日本では、大正九年(1920年)に第一回の大規模な調査が行われました。
このことを考えてみても、タイの統計制度の歴史は、日本と肩を並べるほどに古いのです。

これは凄いことではないでしょうか。
客観的に裏づけされたデータを、タイの人たちが扱う姿勢はすばらしい。

自分は、今、時事通信社からタイ時事速報をネットで配信してもらっています。
記事にも、頻繁に各政府省庁の発表する経済統計データが引用されています。
これから、社会・経済・金融にどんなことが起きて、どんな風に自分のビジネスに影響していくのか、これを予測するのは決して容易なことではありません。
そんな時、このような統計の裏づけを参考にできるのなら、自分たちの仕事の見通しや計画を比較的楽に打ち立てられるでしょう。

つまり、統計値は、とても大事な指標なのです。

もし、この指標が故意に恣意的に操作されたなら、どうなるでしょうか。
客観的に信じる根拠が、何も無くなってしまう。

なぜ、こんなことを言い出したのか。

それは、この記事を書くために、興味があってアジアの統計制度を調べていて、発見したからです。
私は、”中国 統計”と打ち出しました。
グーグルは、嘘を付きません。傾向性の高い検索用語の羅列は、自動的に呼び出して列挙してくれます。
いろいろと検索頻度の高い組合せが示された中に、それはありました。


”中国 統計 嘘”です。

検索された数多くの情報では、統計データが水増しだとか、辻褄の合わない指標が散見されると指摘しています。
中には、オンライン書店で”中国経済・隠された危機 「世界経済の救世主」のウソを暴く”と言う書籍もありました。

やはり、中国は人治主義なのでしょう。
科学的な思考・事実を踏まえた客観性など微塵も無いのかもしれません。
ただ、あるのは主観だけで、利己的な数字が世をのさばっているようです。

と言うわけで、百年の歴史の重みを持つ、タイの統計データは値千金だと言えるでしょう。なぜなら、信じられるからです。信用できる国家においてこそ、企業経営者は投資すべきだと思うのです。少なくとも、騙される被害が少ないからなーと思う貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)

<参考>
タイ統計制度発達史序論・国家統計局、人口センサス、国民所得(末廣 昭・東京大学社会科学研究所)

2010年1月13日水曜日

バンコクの名古屋章さんの親戚筋

もう、お亡くなりになってから年月も経ちました。
だから、お忘れの方もおありでしょう。
名古屋章さんという俳優さんをご存知ですか?


名古屋さんといえば、名脇役として有名でした。
くせのある敵役や悪役をこなす一方で、その風貌を活かした人情味ある庶民を演じる役どころは、渋いさがきらりと光ったものです。

自分が若かりし頃、テレビっ子だったせいもあります。
名古屋さんが出演したテレビドラは、たくさん拝見させていただきました。
大映テレビの”ザ・ガードマン”には、二十話以上も出演されています。
”でっかい青春”の教頭役では、真面目そうな感じが教師としてピッタリはまっていたような気もします。

でも、自分は特撮ドラマの名古屋さんが好きでした。
”ウルトラマンタロウ”の朝日奈勇太郎隊長 が懐かしい。

お亡くなりになってから、今年は七回忌になるのですね。
光陰矢のごとしとは良く言ったものです。

でも、昔からここバンコクでは、今は亡きご本人の分家筋をテレビで見かけることができるのです。

そう、この方なんです。


アナウンサーさんなんです。
よく、ゴールデンタイムの王室の行事を紹介する番組でニュースを読み上げていらっしゃいます。
良く似ているなー。
本当に、瓜二つなんですよ。

それで、この方と知り合ったのは13年前のことです。
相手は、そりゃー私のことなんか知りませんよ。
テレビの前に座って、ビールでちびり晩酌しながら、あなたを見ている日本人なんて、不特定多数の一人でしょうからね。

そして、一昨年、久しぶりにタイへ着任して、テレビ番組を見て再会したのです。
本当にお元気で、うれしかった。
ご尊顔を拝見できた時は、余りにうれしくて爆笑してしまいました。

と言うわけで、こんなにそっくりさんなのに誰もブログに書いていないので、思わず紹介してしまいました。本人がご存命であれば、もっと面白いネタになったのであろうになーと、残念に思う貧乏社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2010年1月10日日曜日

新大臣の菅ちゃんは、麻雀点数の計算だけが強いの巻き

民主党の菅直人氏は、使い物にならなかった特許を保有しているので有名だ。
東京工業大学在学中に、「麻雀点数計算機」を発明したのだ言う。
学生時代に何を学んだかは、言わずもがなだ。
学業の本分より、病膏肓に入るとはこのようなことを指すのである。

               ※麻雀博物館HPより

しかも、自らで麻雀牌メーカーの任天堂にを持ちかけている。
一攫千金を狙ったのだろうが、会社も迷惑だったろう。
やんわりと、商品化見合わせの断り状がていねいに出されている。

さて、これは総て実話である。

新財務大臣は、この手の遊興の巧者で、計算は強いのであろうと察した。
だがしかし、経世済民に関る数字の把握は未知数である。
それでも、大器として音痴の片鱗を見せてくれた。
それは、新財務大臣の就任会見で発言した内容である。

”為替相場の動向について「経済界から(1ドル=)90円台の半ばあたりが、貿易の関係で適切ではないかという見方が多い。(現状より)もう少し円安の方向に進めばいいなと思っている」と述べた。市場では直後に円安が進み、異例とも言える明確な「口先介入」となった。 ”(asahi.com、7日付)

これは、世の仕組みを知らない証拠なのである。
確かに、翌日の円ドル為替相場は、単位として五十銭の円安になったに過ぎない。 だがしかし、この一言で、どれほどの量の外為取引が行われるか、背景を知るべきだったのではないだろうか。

自分も経済の専門家ではないのだが、ネットで色々と調べてみた。 すると分かったのは、国際金融の為替取引は想像を絶する巨大な規模にあることだった。

簡単に数字を列挙した方が分かりやすい。

★一日の総取引量・・・3兆2100億ドル
(資料では、約330兆円、去年の時点です。あくまでも目安としてください。)

★通貨ペア別取引量
1.ユーロ/ドル・・・・8400億ドル(27%)
2.ドル/円・・・・・・・3970億ドル(13%)
3.ドル/ポンド・・・・3610億ドル(12%)
4.豪ドル/ドル・・・・・・1750億ドル(6%)
5.ドル/スイス・・・・・・1430億ドル(5%)
6.ドル/加ドル・・・・・・1150億ドル(4%)
**************************************
ドル/その他・・・・・・6280億ドル(21%)
ユーロ/その他・・・・1080億ドル(8%)
ユーロ/円・・・・・・・・700億ドル(2%)
その他通貨ペア・・・420億ドル(4%)
(出典:☆☆元銀行員の株日記☆☆BLOG(ブログ))

一日で、円ドルの為替取引が40兆円ぐらいあるのだ。
五十銭為替が動けば、二千億円の利ざやが動く。
実際に、為替取引は九十九%が投機目的だ。

となれば、日本の財務大臣は、安易に為替の動向を発言できない。
してしまえば、博打同然のマネーゲームに加担することになる。
もし、新大臣がこれらの数字を頭の中に描いていたのなら、不用意な円安発言は差し控えたはずだろう。

ところが、発言したのである。
だから、朝日が口先介入と言ったのも頷ける。
本来なら、日銀が実際にドル売買を実働し、円の為替操作をするのが本道なのだ。
日本は、口先だけの狼少年になってしまった。

だから、あえて言いたい。新大臣は、国際通貨としての円の強さを全く理解していない。
よって、完全な経済音痴なのである。

と言うわけで、菅ちゃんの発言は、海外の専門家もさぞや呆れていることでしょう。民主党の円高容認発言はどこに行ったのやら、日本の将来を末恐ろしく感じる貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)

おまけ:
資料の数字は、ネットでおおむね紹介されているデータです。
どれぐらいの金額が動いているのか、目安になると思います。

2010年1月8日金曜日

子供達の屈託の無い笑顔に、国家の幸せがあるの巻き

タイでは、1月の第二土曜日は特別な日です。
今年は、明日の9日が当たります。
この日は、子供の日なんですね。
英語に訳してもらうと、しっかりチルドレンズ・デーと答えてくれます。

地元の人は、子供が大好きです。
自分の子でなくても、親戚の子供なら、つい面倒を見てしまうようです。そんなに裕福でもなさそうなのに、分かち合う精神があるのでしょう。そんな、おおらかさとやさしさの残るタイは、子供達の天国です。

それで、自分の勤め先の近くに小学校があります。

歩いて10分ほどの目と鼻の先なんですが、お寺の境内にあるのです。
本当に寺小屋なんだ。
総務課長にも聞いたのですが、昔は本当にお寺で読み書きを教えていたんだそうです。
江戸時代にタイムスリップしてしまったかのように感じました。
でも、境内の中にある小学校は、こちらで本当に多く見かけます。

ここは、仏教の国です。
しかも、仏さまの化身たる王様を頂点とする君主国家だった分けです。
教育や啓蒙を、寺院が担ってきたとしても、何も不思議はないでしょう。
そんな風に感じました。

その校長先生が事務所を訪ねてくれました。

先生が言うには、800人の児童が登校しているんだそうです。
校舎は大きくありませんから、午前と午後の二部制だろうと察しました。
この学校の卒業生が、会社でも働いています。
ですから、地域のお付き合いは大事で欠かせないのです。

訪問の趣旨は、子供の日を前にした学校行事への招待でした。

当社は、学童用品や奨学金の金一封を寄付してきた経緯もあります。
今年もよろしくと言うわけでもないのでしょう。
ですが、挨拶にわざわざ来られたのです。
この返礼として、行事に参加しないようでは非礼になりましょう。

しかも、校長先生のお嬢さんは、博士過程で日本の大学院へ留学中です。
タイの学生は、欧米に留学する人がほとんどです。
日本がどんなに先端の研究をしても、留学先として選んでくれる人は未だ少数です。タイと日本の関係を考えたら、ますます参加せねばと思いました。

そんな、色々に考えながら、行事に参加して来ました。



行事と言ってもタイ風ですね。

あんまり統制が取れていませんでした。
マイペンライの雰囲気で、そこが良いのかもしれません。
なにせ、式場となったグラウンドに、飼犬なのか野犬なのか判断のつかない犬が、時々、走りぬけたり、地べたに座り込んだりしました。

しかも、タイ語で式次第が進むので、さっぱり趣旨が分かりません。
それでも、校長先生や来賓の祝辞の後に、誘われてテープカットをしたり、寄付の目録や景品を渡したりしました。

まあ、子供達のあどけない笑顔を見るのは、本当に心が洗われるものです。

と言うわけで、行事そのものが長くなりそうだったので中座させてもらいました。活発な子供達を見るにつけ、タイと言う国がこの先もきっと繁栄し続けるのだろうと感じた、貧乏社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2010年1月6日水曜日

乾季なのにバケツをひっくり返した雨が降るの巻き

今日は、1月6日です。
ここバンコクですと、季節は十分に”乾季”の真っ最中に当ります。
いつも晴れ渡ったさわやかな青空が期待できる時季なのです。

でも、今年はどうやら天気が違うようです。
昨年末の12月30日には、軽くさっとお湿りの雨が、早朝に降りました。
昨日も、ドンムアン空港付近の高速道路上で、多少雨足の強い雨に出会っているのです。

そして今、事務所で働いると、ドカンと落雷の大きな音に驚かされました。
次に、ザーッとバケツをひっくり返したような激しいスコールが訪れています。
会社の広告看板に設置された、大型の液晶温度計も、急に23度まで下がりました。

今は、乾季のはずなんだ。
おととしの12月と去年の1月は、一日も雨が降らなかったと覚えている。
でも、今年はさま変わりで、お湿り乾季になってしまったようです。

雷様も相変わらずゴロゴロと唸っています。
ただ、雨季の真っ盛りほど、お怒りは激しくありません。
どこかしらあっさりしているのが、奥ゆかしく感じてしまいました。

ふと思ったのですが、乾季の間はどれぐらいの日数で雨が降るのか興味が湧いてきます。

そこで、”タイ 降雨日数”で、グーグルから検索したのですが、色々と資料が見つかりました。
中には、在タイ日本国大使館のページもあって、月別お天気データを表で紹介しています。

※クリックすると多きく見られます。

なるほど、データでちゃんと裏付けてもらえるのですから、ありがたい。
それに比べると、去年の12月は雨が1日で、今年に入ってからは、既に2日が雨降りです。
今年は、ちょっと多くて異常だなー。

年末は、やけに蒸し暑い日も続きました。
しかも、午後になると雷雲(積乱雲)がモコモコと湧いて来るのです。
今年は雨が多いのかもしれません。

それで、昨年の乾季ですが、雨が無かったと勘違いしていました。
たったの一日ですが、雨が降ったようです。

そんなわけで、異様な雨降りに遭遇して、勤務中でも書かずにはいられなかった貧乏社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2010年1月5日火曜日

くねくね水路は迷路で分からんの巻き


水上マーケットって、ご存知だろうか。
タイで観光するなら、外せない見逃せない、必見のスポットには違いない。

昨年末、上さんの両親が正月休みと称して、バンコクへぶらり訪ねてきてくれた。

これは、定番の観光地を案内しない訳にはいかない。
さっそく、速攻でご案内することを決める。
でも、どこにあるのか、どうやってたどり着けるのか、皆目見当もつかない。

ここは、ありきたりだが日本人向け観光ツアーの手を借りることにする。
ツアー会社は、大小さまざま各社あるのだが、ウェンディーツアーで予約することにした。


何しろ、65歳以上のシニアには割引特典がある。
10%をディスカウントしてくれるのは、かなりありがたい。
上さんの両親とも、バッチリ条件に入っている。

いつも思うのだが、上さんのチェック好きは驚異である。
こんなお得情報は、つかんだら離さないのだ。
しっかり、ちゃっかり奥様ということで、誉め讃えておこう。

このツアーでは、ダムヌンサドゥアク水上マーケットを訪れる予定だ。

バンコクからだと、西に80キロほど遠出をする必要がある。
ちょっと、距離のある場所だ。
もちろん、ここだけが水上市場と言うわけでもない。
バンコク市内にも、タリンチャンとか言うのもあるらしい。

しかし、ここは、水上市場、クロコダイルファーム、象のショーなど、観光案内が盛り沢山にまとめられている、そんな日帰りツアーを選んだ方が無難であろう。

こんなことで、昨年末に張り切って四人で出かけてみた。
しかも、この日は、十一人しかいなかったから、ミニバスに乗れたし、座席に余裕もあって、ゆったりしたツアーを楽しめたのである。

それで、冒頭にあるようなビデオを撮影して編集してみた。
これもいい思い出になるだろう。

しかしだ。今もって分からんことがある。

このくねくねとした迷路のような水路は、どのように走っていたのだろうか。
一筆書きのように、初めで左に曲がり、途中で右に曲がり、かなり走ってもう一度右に曲がって到着したのは覚えている。それに、ある程度、走行した距離もつかんでいるよな気がした。

だから、自宅に戻ってから、水上マーケットの経路を探し当てられると思っていたのだが、読みは甘かった。
グーグルマップで近辺を拡大して水路をなぞったとしても、自分の記憶に合致する経路が見当たらんのである。

そんな分けで、どこぞのどなたかで、この経路をご存知でしたなら、記憶力がもうろくしてきた貧乏社長に教えてたもれと、懇願するのでありました。
(この巻き、終り)

おまけ:グーグルマップの検索機能を使い、”Damnoen Saduak floating market”を入力して目的地を探すと意外に簡単に、場所はピンポイントで特定できるのです。ただ、それから先がよく分かりません。

2010年1月1日金曜日

糞とエメラルドの巻き

確か、「灰とダイヤモンド」と言う映画を、学生の頃に見た記憶がある。
もう、三十年近く前のことで、札幌で上映の機会に恵まれた。
粗筋は、ほとんど覚えていない。
だが、闇と光が交錯する巧みなモノクロの描写だけは、強く印象に残っている。

それで、今改めてウイキで調べてみた。
作品は、ポーランドのアンジェイ・ワイダが監督している。
この人は、東欧民主化の先駆けになった”連帯”運動を強く支持していたはずだ。

この政治運動は、当時、世界中の人が関心を持っていたと思う。
日本のマスコミでも盛んに話題を取り上げたし、自分も新聞・テレビを通じて動向を注目していた。
しかも、ワイダ監督は、この連帯をモチーフに映画作品”鉄の男”を公開している。

だからこそ、この監督の過去の作品にも光が当てられて、北辺の地にまで上映される機会が巡ってきたのだと思い返した。

こんな思い出も、若い時の純粋な政治に向かう気持ちがあったからこそだ。
今は、年を取って老いさらばえた。
そうなると理性は萎えて、不純な連想しか思い浮かばぬのである。

要するに、記事のタイトルは、この映画作品からとっさに連想されたに過ぎない。
何ゆえ、糞なのか、エメラルドなのか。
それは、あの王宮にあるエメラルド寺院で起こったからなのである。

以前にも書いたように、上さんの両親がタイに遊びにやって来た。
色々と観光案内をしてみたが、市内王宮近辺の名所案内は欠かせない。
それで、エメラルド寺院と隣接するワットポーを案内することになったのである。

こうして不純な話は始まった。

ワット・プラケーオことエメラルド寺院は、王室守護寺院である。
つまり、国王のためにあり、王室の宗教儀式や国歌行事を執り行う最上位の場所とされている。
だから、礼儀正しい服装で拝観しなくてはいけない。

間違っても、半ズボン、ランニングシャツ、サンダル履きなどと言う、不埒な出で立ちは許されない。
そんな心得も知らずに、気ままに能天気でやって来た、暑さゆえに半裸に近いような身なりのお姉ちゃん達は、門番に呼び止められ、臨時に着物を貸し出す隣室へと誘われるのである。

時々、腰巻のようなスカートを羽織って歩いていた毛唐のお姉ちゃんもいた。
罰当たり者め。
寛大なお慈悲で入場できたのだから、ありがたく拝観するが良い。

とにやにやしていると、おやっ、許されざる例の男がいたのである。

ご両親を案内しながら寺院の中を歩いていた時のことだ。
Tシャツを着ているのだから、身支度は良しとする。
だがしかし、あの胸元の字は何なのだ。

”糞”だってぇー、、、

濃緑の生地に、からし色の四角い下地が施されている。その上には、堂々と茶色く、その字が躍っていた。常軌を逸脱した、臭気の漂いそうなシャツを着た外人さんがいたのである。

注:写真は参考までです。(ネットから引用)

うーん。

意味も知らずに、文字のスタイルがかっこいいと思って買ってしまったのだろう。
意味を知ったら、この人は直ちに廃棄するんじゃないだろうか。
それに、タイの人も漢字が読めなくて良かったのではないだろうか。
こんな不浄なシャツなんか着ていたら、拝観させてもらえるはずが無いのである。

と言うわけで、なかなかに可愛い彼女を連れ歩いていた、この外人さんとは、もう一度、涅槃仏のワットポーでも再会したのです。心の中が臭気で満たされそうになった貧乏社長は、みんなを連れてそそくさと寺を出るのでありました。
(この巻き、終り)

おまけ:
奈良時代、糞には霊力があると伝えられていて、授かった子供がすくすくと成長できるように、わざと糞の名前をつけてまじないとしていたようです。例えば、「藤原 小屎 ( おぐそ ) 」とか、時代が異なれば考え方も違うと言うことです。