今日、日系企業の駐在員の方が訪ねてこられました。
鋼材関係のご商売で、工場がごくご近所でした。
イゲタ物産さんの系列ですから、世界を又に掛けた商売でしょう。
当社は、自動車メーカーさんのように大量に消費する企業ではありません。
恥ずかしながら、年間、千台二千台規模だと正直にお話しました。
板金の協力会社さんからも、納入品の折り曲げ・型抜きで長い取引が続いています。
そうなると、新規参入は難しいと思ったのでしょうか。
商売の話は、そっちのけで駐在員の経歴で話が弾みます。
何でも、マレーシアで現地採用になったのが出発点とのことでした。
そこでは、九年間も勤務されていたそうです。
そして、その間に本社採用に昇格され、駐在員の待遇になったと話されました。
実は、これはすごい出世なのですよ。
本社採用となれば、日本の給与待遇に加えて、駐在員手当てがつきます。
それに、福利厚生は、すべて日本側の水準が適用されるのです。
はっきり言って、年収が倍増とは行かなくても、かなり増えるんじゃないでしょうか。
道産子社長だって、駐在員手当てが付くようになってたまげました。
現地給料と日本の手当てを足すと、給金が急上昇したのです。
おかげで、五十前になって、ようやく勝ち組に加えてもらったと思ったぐらいです。
ですので、それは本当に良かったのですねと、お祝いの言葉を述べてしまいました。
ところで、アパートはどうされましたかとたずねます。
赴任直前の一週間しか時間が無くて、希望通りにならなかったそうです。
しかも、家賃は規定ぎりぎりで月八万バーツ(22万円)になってしまった。
はっきり言って、現地採用の人では、こんな高いアパートは借りられません。
本社採用になったが故の賜物だと素直に感じました
ただ、南向きの部屋を選ばざるを得なかったのは、いただけない。
こちらは、熱帯の暑い国ですから日光が激しく照りつける方角は、禁忌です。
選ぶなら、北側がベストで、東側で我慢できるぐらいじゃないでしょうか。
加えて、間取りがたったの百平米では狭苦しいでしょう。
四人家族ですから、倍近い間取りが必要になってくるはずです。
日本に住んでいれば、この広さは信じられないかもしれません。
でも、海外駐在って言うのは、これが当たり前なんです。
因みに、道産子社長の規定家賃は、はるかに低い額です。
このため、1ベッドルームの八十平米の部屋に住んでおります。
子供のいない夫婦だけですから、これで充分と言えば充分です。
だって、日本に帰れば七十平米で3LDKのマンションに住んでいるのですよ。
これでも過不足内ないと感じるものです。
ですから、こちらは無駄な空間が多いと思いますね。
と言うわけで、マレーシアから移ってきた彼とは、色々な話題で花を咲かせました。特に、マレーシアのマレー人は民族政策で救われてるせいか、働かなくてルーズで汚職や腐敗は当たり前とか、華僑系は圧迫されているなんて知っていましたけど、実例を聞かされるうちにマレーシアの駐在でなくて良かったと思ったものです。タイは、帰化してしまえば現地人化してしまうものですが、かの国は、何時まで経っても、マレー系、華僑系、インド系の分裂国家なんだろうなと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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