2011年6月24日金曜日

マレーシアから移ってきた男の巻き

今日、日系企業の駐在員の方が訪ねてこられました。
鋼材関係のご商売で、工場がごくご近所でした。
イゲタ物産さんの系列ですから、世界を又に掛けた商売でしょう。

当社は、自動車メーカーさんのように大量に消費する企業ではありません。
恥ずかしながら、年間、千台二千台規模だと正直にお話しました。
板金の協力会社さんからも、納入品の折り曲げ・型抜きで長い取引が続いています。

そうなると、新規参入は難しいと思ったのでしょうか。
商売の話は、そっちのけで駐在員の経歴で話が弾みます。
何でも、マレーシアで現地採用になったのが出発点とのことでした。

そこでは、九年間も勤務されていたそうです。
そして、その間に本社採用に昇格され、駐在員の待遇になったと話されました。
実は、これはすごい出世なのですよ。

本社採用となれば、日本の給与待遇に加えて、駐在員手当てがつきます。
それに、福利厚生は、すべて日本側の水準が適用されるのです。
はっきり言って、年収が倍増とは行かなくても、かなり増えるんじゃないでしょうか。

道産子社長だって、駐在員手当てが付くようになってたまげました。
現地給料と日本の手当てを足すと、給金が急上昇したのです。
おかげで、五十前になって、ようやく勝ち組に加えてもらったと思ったぐらいです。

ですので、それは本当に良かったのですねと、お祝いの言葉を述べてしまいました。

ところで、アパートはどうされましたかとたずねます。
赴任直前の一週間しか時間が無くて、希望通りにならなかったそうです。
しかも、家賃は規定ぎりぎりで月八万バーツ(22万円)になってしまった。

はっきり言って、現地採用の人では、こんな高いアパートは借りられません。
本社採用になったが故の賜物だと素直に感じました
ただ、南向きの部屋を選ばざるを得なかったのは、いただけない。

こちらは、熱帯の暑い国ですから日光が激しく照りつける方角は、禁忌です。
選ぶなら、北側がベストで、東側で我慢できるぐらいじゃないでしょうか。
加えて、間取りがたったの百平米では狭苦しいでしょう。

四人家族ですから、倍近い間取りが必要になってくるはずです。
日本に住んでいれば、この広さは信じられないかもしれません。
でも、海外駐在って言うのは、これが当たり前なんです。

因みに、道産子社長の規定家賃は、はるかに低い額です。
このため、1ベッドルームの八十平米の部屋に住んでおります。
子供のいない夫婦だけですから、これで充分と言えば充分です。

だって、日本に帰れば七十平米で3LDKのマンションに住んでいるのですよ。
これでも過不足内ないと感じるものです。
ですから、こちらは無駄な空間が多いと思いますね。

と言うわけで、マレーシアから移ってきた彼とは、色々な話題で花を咲かせました。特に、マレーシアのマレー人は民族政策で救われてるせいか、働かなくてルーズで汚職や腐敗は当たり前とか、華僑系は圧迫されているなんて知っていましたけど、実例を聞かされるうちにマレーシアの駐在でなくて良かったと思ったものです。タイは、帰化してしまえば現地人化してしまうものですが、かの国は、何時まで経っても、マレー系、華僑系、インド系の分裂国家なんだろうなと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

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