タイの雨季と言えば、スコールです。
これまでは、落雷を伴う短時間の激しい雨が普通でした。
日中の午後、入道雲がぐんぐん発達してきます。
間もなく、強めの風がさぁーっと吹いて来て、ゴロピカの始まりです。
雨足はかなり強いですから、雨宿りをするのが無難です。
お店の軒先を借りる人、コーヒーショップに駆け込む人などさまざまに見かけます。
こういった日常の風景は、南国のありふれた出来事で見慣れてしまいました。
でも、今年はちょっと趣が違います。
先ず、日中に雷が落ちなくなりました。
自分の勤務するバンコク郊外ではよく落ちるのですが、市内は違います。
雲は湧き上がっても、日の明るいうちに雷を落とせなくなりました。
その代わり、夜中とか明け方になると、準備が万端整うのでしょう。
いきなり、かんしゃくを爆発させたように雷鳴が轟くのです。
正に、サディスティックに眠りを覚まされた挙句、こちらは寝不足になってしまう。
先週末のことですが、そんな天気に見舞われてしまいました。
しかも、近所に落雷が多発して、耳元で拳銃を放たれたような感覚です。
ドカンと言う爆音のすさまじさはものすごいものがあります。
おかげで、雨が上がっても目が覚めてしまい、眠られなくなるのです。
結局、寝不足を昼寝でカバーすると言う始末でした。
それに加えて、雷も落ちず雨だけ降る日も増えてきました。
明け方の朝五時ごろなんですが、ざぁーっと振り出します。
強い雨脚なのですが、雷は落ちません。
気温も下がっていて、何となく蒸し暑い日本の梅雨時分を思い出しました。
これって、気候が変動してきている証拠なんじゃないでしょうか。
自分は、十五年前に二年ほどバンコクに住んでいました。
今はこちらに住んで三年になりますが、過去の経験と比較することもできます。
実際、昔はこんな不思議な雨の降り方は無かったように思うのです。
何か、天気が変わりつつあると実感しています。
それで、ふと思い当たったのが、中共の三峡ダムでした。
このダムは、揚子江の中流域に建設され、巨大な人造湖が出現しています。
2003年から貯水が始まり、一昨年に完全に完成しました。
その貯水の規模ですが、東京・神奈川・埼玉の一都二県を合わせたのより広いそうです。
一方、中下流は水不足で流域の淡水湖:洞庭湖が干上がりそうになっています。
半世紀ぶりの旱魃だとかで、中国でも気候の変動は三峡ダムが原因だと噂されているのです。
これが、四五千キロ離れたタイにまで影響しているのではないでしょうか。
と言うわけで、この記事を書いていたら、夕方になってザーッと強めの雨が降り出しました。ちょっと、ゴロゴロ程度の雷は聞こえましたが、音なしの構えで強い雨音だけが聞こえてくるだけです。今年は、暑季も短くて暑くなかったし、すぐに雨季も始まってしまいました。気象異変を感ぜずにはいられない道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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