茶色く濁っていまして、バンコクのチャオプラヤー川も例外ではないのです。
でも、”水清れば魚棲まず”の例えなので、魚影は濃いはずです。
日本だって下流の河口付近まで来れば、多少濁ってくるのは致し方ありません。
でも、タイの場合は上流、中流、下流を問わず、透明度は無いのです。
メコン川なんか、どこまで下っても黄土色の流れで満たされております。
もっとも、これは熱帯の土壌と関係しているのかもしれません。
タイもそうなのですが、土地がラテライトと言って鉄分の赤っぽい土でできております。
灼熱情熱の土地らしく、真赤に見える地面です。
これが、水に溶け出したらどうなるか。
多分、赤っぽい水の色に変身するではないかと思うのです。
ただ、水で色の濃さが希釈されて薄くなるのではないでしょうか。
ですので、川の水が黄土色になっても了解と、自分なりに結論いたしました。
これも、ガキの時分、学校の地理で習ったことを思い出しただけのことです。
それでも、クワイ川鉄橋のあるカンチャナブリ県の山奥まで行くと、多少は澄んでいます。
うすら汚れ水程度でして、水中を泳ぐ魚をなんとか確認できたりします。
さて、そんなチャオプラヤー川ですが、魚が砂糖責めで大量死する事件が発生しました。
先月31日の金曜日に、航行する運搬船がスピードの出しすぎで舵取りを誤ったらしい。
直後、護岸に激突して沈没してしまったと言うのです。
流失した砂糖が何と二千トンと大量です。
これだけ、運搬できる荷役船も大きいなら、運べる川も大河でありましょう。
しかも、下流ではなく中流に差し掛かった当たりのアユタヤ県です。
この上流には、川沿いにタールア(タイ語で港)の町もあります。
日本人の感覚ですと、港は海にあるものでしょう。
ところが、インドシナでは、悠々たる川のおかげで内陸に港があるのでした。
そこは駅名にもなっていて、それだけ水運に関わる地名が根付いている証拠です。
しかも、CPF社の配合飼料サイトや専用荷役岸壁も建設されていました。
興味のある方は、”さくらぎちょう”さんのブログをご訪問ください。
お分かりの通り、日本で言う川の規模とは、レベルが違いますね。
驚いてしまいますが、川の流れがきつくないのが幸いしています。
上流から下流に向かって高低差のほとんど無い国土ですから、水運に好適なのでしょう。
ところで、この大量の砂糖のメルトダウンは、漁民にとって大災害です。
淡水魚の魚を養殖している生簀では、大量死が発生しました。
冗談では済みませんが、魚も糖尿病に罹るのかと思ってしまいました。
タイの場合、自然堤防がほとんどですから、岸辺の破壊は厄介です。
簡単に土砂が流され、護岸が崩落していきます。
しかも、岸辺の掘っ立て小屋みたいな民家が流される危険に陥りました。
こうなると、結構問題をはらんだ事故でして災害レベルになったと言えるわけです。
チャンネル3の朝番組でも、月曜日から毎日、経過を報道し続けました。
被害総額が、見積もっても二億バーツですから計り知れないようです。
と言うわけで、タイの河川は未だに物流を担う動脈路なのでした。バンコクを流れるチャオプラヤー川でも、大型のはしけ舟が頻繁に行き来するのを見ることができます。しかも、カンボジアの内陸トンレサップ湖では、石油を輸送するタンカーも見かけたぐらいですので、メコン川も合わせてインドシナにおける河川の役割は重要と思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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