2011年5月31日火曜日

タイで交通事故は死に損の巻き

今朝、チャンネル3のテレビニュースを見ていました。
画面には泣き叫ぶおばさんが映し出されています。
その嘆き方は尋常でなく、最愛の人を突然失ったかのようでした。

キャスターが状況を説明しています。
よくは分かりませんが、ロッ(車)と多用しているので交通事故でしょう。
上さんも興味があったらしく、じっと聞き入っています。

上さんはタイ語のヒアリングができます。
アナウンサーが早口でしゃべっても大まかに意味を把握できます。
自分はからきし駄目ですが、こう言う時頼りにしてしまいます。

それで、ニュースはやはり交通事故とのことでした。
犠牲者は、おばさんの姉と妹らしい。
事故は、自動車の停車中に品物を売って歩く、行商の最中に起きたようです。

イサーンのコラートから稼ぎにバンコクまで来たと話しています。
地元でお金に困っていたので、職を見つけに上京するのはよくある話です。
ただ、今回の事故は悲惨な結末ゆえに哀れを誘います。

この手の行商は、いつも危険と背中合わせにあるのです。
渋滞しやすい交差点で、車が停まっている車列の中を売り歩きます。
よい香りのする花輪だったり、新聞だったり、果ては祝日に小さなタイの国旗を売ったりします。

このおばさんも、多分、そんな商売をしていたのだろうと思いました。
そして、加害者はなんと公共輸送のバスでした。
バスは、民間委託も含めてBMTA(バンコク大量輸送公社)が運営しています。

その中でも、オレンジ色の510番エアコンバスがその二人をはねたようです。
交通量の多い道路みたいで、事故現場には野次馬が群がっていました。
一瞬にして親族を失ったのですから、あまりに悲惨すぎて同情せずにはいられません。

後で、バスの運転手が警察で尋問を受けている風景が流されました。
淡々としていますが、事故の補償はいくらになるのか気になりました。
一般に、タイでは任意の自動車保険であれば、死亡は最大三十万バーツです。

はかないほど安く、日本円にして百万円に満たないのです。
ただ、日給が六百円に満たないお国柄ゆえ、五年分の賃金です。
これを安いか高いか、どう見るかは意見が分かれるでしょう。
まあ、日本人なら納得がいかなくても、地元の人にとっては妥当なのかもしれません。

と言うわけで、我が社のメンテ要員も、最近、交通事故を起こされました。三人の若者が、夜間にバイクの暴走運転で、対向車線からはみ出してぶつかって来たのだそうです。警察の判断ではバイク側が全面的に悪いことになりましたが、こちらとしても後味の悪い話でしたので、三十万バーツの補償に五万バーツの気持ち加えて払うことにしました。そんな記憶もありましたので、今朝のニュースは実に後味の悪いものになった道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

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