物価も年率で二割も上がりそうな気配ですから、頭が痛い。
こちらに進出した日系メーカーも、コストに耐えられるのか戦々恐々としています。
そんな時、ジェトロさんがセミナーを開いてくれました。
お題は、「カンボジア・ラオス・ミャンマーセミナー」です。
当然、将来の工場進出を含めた事業の可能性を紹介してくれました。
お決まりの主催者さんの挨拶もありましたが、午前中はカンボジアだけのプレゼンで始まります。
先ず、一般的な経済概況をプノペンの所長さんから紹介してもらいます。
GDPが一人当たりいくらだとか言いますけど、興味は賃金です。
最低賃金が61ドルで2014年まで据え置きと説明を受けました。
今朝、一ドルが81円ぐらいでしたから五千円にも満たない。
日曜日のみの週休で月25日働きますから、一日二百円の賃金です。
つい、最近まで一日一ドルと言われていました。
ものすごい低賃金で驚いてしまいます。
でも、インフレが年率4%もあるのです。
最後の年には物価が15%ぐらいは上がっていることでしょう。
これで暮らしていけるのか不思議なくらいです。
ですから、給料の不満で頻繁に労働争議が起こります。
もっとも、中国系企業は平気で賃金不払いをしますから、問題は別にあるのかもしれません。
※社名はCAMKO MOTORS。 |
それで、韓国の自動車メーカー「ヒュンダイ」も進出していました。
つい最近のことですが、コッコンという経済特区(工業団地)だそうです。
デベロッパーのプレゼンでは、そこだけ強調して紹介されていました。
でも、ヒュンダイ以外の進出企業には全く触れません。
※広大なマスタープラン。 |
※未更新なのか影も形も無い。 |
しかも、工業団地を実際に紹介した写真があまりに少ない。
マスタープランばかりを投影するだけです。
要するに、ヒュンダイは投資元を誘い出すためのまき餌なんでしょう。
なぜかと言うと、あまりにも立地が悪すぎるからです。
海沿いだといっても国際港のシアヌークビルからは、結構隔てています。
道路も悪そうな感じですし、タイ側の工業団地に近いとはいいますが名ばかりです。
多分、ラヨン周辺の工業団地からだと、数時間は掛かるでしょう。
しかも、国境の検問を越えるのに手間取りそうです。
ただ、進出すると9年間無税の優遇措置がもらえるのは大きい。
ヒュンダイは、これを狙って市場進出したのだと思います。
韓国から、KDパーツを送っても輸入税がかかりません。
そんな割安部品で組み立てれば、カンボジア国内で割安になります。
今までは、カンボジア市場ではトヨタ車の独壇場でした。
これからは、自動車メーカーの勢力地図がちょっと変わるかもしれません。
と言うわけで、会場はほぼ満席で盛況でした。多くの日系企業が、もカンボジアに熱い視線を送っているのは事実でしょう。でも、コッコンのような自然に恵まれた場所での開発は、環境破壊につながる可能性を残しています。隣接してリゾートも造成するようですが、美しい景観が保たれることを祈る道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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