2011年5月6日金曜日

精霊の家で、豚の顔をお供えしてお参りするの巻き


会社には、白い立派な祠が建立されています。
以前は、みすぼらしかくて工場の角地に建っていたそうです。
それを、四年前にご利益も兼ねて立て替えたのだと聞きました。

事務所の入り口前ですから、鎮座ましましている印象です。
このような祠は、会社やホテルの前などに立っていて、良く見かけます。
精霊が住んでいるらしいと言うことですが、仏様の教えとは関係ないようです。

この精霊ですが、タイ語で「ピー」と読んでいます。
土地に住み着いているらしくて、悪玉、善玉に分かれるようです。
精霊、妖精、妖怪、お化けを意味しますが、土地神様に近いのかもしれません。

日本ですと、村の入り口に立つ道祖神でしょうか。
この神様も、祠を境界にして結界が張られています。
わざわいを村に招き入れないためのおまじないですが、タイも同じでした。

工場や事務所の開所式で、祠から白糸で敷地を張り巡らします。
これが結界になり、善玉のピーちゃんに守ってもらうわけです。
ところが、悪いピーチャンは人に悪さをしようと狙っています。

ですので、良いピーチャンだけに住んでもらい、御加護を得よういうのです。
それで、当社にも最近良くないことが連続しました。
従業員が、仕事中、通勤中に交通事故に出会っているのです。
中には、後遺症が元で退社せざるを得ない従業員が出ました。

これは、何か縁起の良くないことが起きている。
そう思ったのでしょうか。
工場長の発案で、お祈りの儀式を行うことにいたしました。

ところで、道産子社長は、地元のしきたりが不得手です。
式次第は、すべて従業員に任せて出席いたしました。
でも、出席してお供えを見たときびっくりしました。

 
お供えにブタの顔が二匹もあるじゃないですか。
これは豪勢ですが、中国で見かける道教の儀式にそっくりです。
まあ、タイには華僑もおりますし、土俗信仰と折衷したのかもしれません。
 
と言うわけで、お祈りに来てくれたご老人は、白い装束姿でした。
これも、道教の導師さまに違いないのでしょう。
これで、善玉ピーちゃんだけが住み着いてくれよと祈る道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

3 件のコメント:

短足おじさん さんのコメント...

タイ人の信仰の不可思議な所ですね。
タイ人は仏教徒ですが、精霊信仰も持っています。
日本人が仏教で葬式をしますが、神式で結婚するのと同じですね。
そしてその上座部仏教にくっついているのがバラモン教。
だから「お祈りに来てくれたご老人」はバラモン僧だと思います。
タイのバラモンはお寺は有りません。また服装も普通の人と同じような服装をしているので分かりにくいです。
儀式などで僧侶が来て何かするとき「掛け合い」のような問答をする人がいたら、それがバラモン僧です。
そしてピーの祠の中に祀ってあるのは多分ビシュヌ神ではないですか。他の神だとしてもヒンズー教の神だと思います。

短足おじさん さんのコメント...

タイ人の信仰の複雑な所ですね。
タイ人は仏教徒ですが精霊信仰も持っています。
そして上座部仏教にはバラモン教がくっついている。
「お祈りに来てくれたご老人」はバラモン僧だと思います。バラモンはお寺が無く、服装も普通の人と同じようなので分かりにくいです。
ですがバラモン僧は儀式などで必ず必要ですので、これからも見かけるでしょう。

ピーの祠に祭ってあるのは多分ビシュヌ神などヒンドゥー教の神だと思います。
仏教・バラモン・ヒンドゥー・土地の精霊信仰・・・四重構造ですね。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

短足おじさんへ、

コメント有難うございます。
日本も八百万の神様がおりますので、似たようなものでしょう。
バラモン教が合ったからこそ仏教ができた分けでして、兄弟分みたいな宗教ですから、混じったとしても現世の世知辛い人間は、ご利益さえあれば、結構な事だと思うのですよ。
それより、ピーの精霊信仰は面白いです。何でも、ピーのせいにされると困りますが、言い訳の一つになっていたりします。ピーがやったのであって、自分はしていないなんて、良いご都合です。