※パタヤデイリーニュースより |
先週19日、木曜日のことです。
長期滞在許可の申請をするために、パトンタニ県の入管事務所へ出向きました。
一年一回の通過儀礼ですが、準備する書類が膨大です。
会社の総務課長も、しゃかりきになっていました。
と言うのも、昨年はミスが重なり、何度も出直しました。
そんな反省もあってか、書類は完璧でお菓子の手土産持参と言う周到さです。
タイのお役人は面白くて、その場でそっけなく受け取ってくれます。
まあ、率直に志を理解してくれる国は、非常に現金で分かりやすいのでした。
しかも、入管の事務所内は、興味を惹かれます。
何せ、テレビが付けっぱなしの、民法番組が流されっぱなしでした。
あれでは、事務効率も上がらんでしょう。
ちんたらしながら、書類を受け付けてもらい、審査されました。
椅子に座って待つ間、することも無いのでテレビに目が行きます。
おやっ、アピシット首相の顔が移りました。
何をやっているんでしょうか。
何だか、ビンゴ見たいな数字の引き当て番組のようにも見えます。
でも、たくさん政治家が出ているのは、不思議です。
よくよく眺めているうちに、分かったのは選挙絡みだと言うことでした。
このタイの総選挙ですが、実施されるのは自分でも分かっていました。
比例候補順位も発表されましたし、既にお祭りモードに突入した雰囲気です。
それで、このビンゴで引いた数字ですが、政党の投票番号らしいです。
比例投票は、支持政党を選択して一票を投じます。
つまり、番号を書き込んで投票すれば、その政党の支持になるわけです。
テレビでは、アピシット首相が10番の球を高く掲げておりました。
さて、総選挙のことですが、自分で感じたことを書いて見ます。
先ず、政権与党だった民主党は、初めから議員の数で第一党になるつもりはないようです。
政権を維持できればよいのであって、第二党狙いでしょう。
これに、タイ誇り党など、コバンザメの政党を集めて連合政権で、前回同様に組閣する段取りです。
従って、タクシン命の貢献党は、何が何でも過半数をとらなければならないのです。
ですが、これはちと難しいのではないでしょうか。
しかも、タクシンさんは、政治がファミリービジネスみたいな考えで傑出しています。
血筋が大事で、妹を何と首相候補扱いの比例順位一位にしてしまいました。
こうなりゃ、中小政党が連立でくっ付いても、おいしい大臣ポストがもらえそうに無いような感じもします。
ですので、民主党に擦り寄った方が無難と思うのではないでしょうか。
要するに、合従連衡の合従になぞらえることのできる状況です。
一方、貢献党は、何が何でも政権を確保したい。
このため、民主党に第一党と大連立を組むよう誓約書への署名を求めたりしています。
民主党も、そう易々とその手口に載るはずも無く、拒否しました。
ですので、第一党なのに政権を担えないと言う、一風変わった政治環境がタイにできあがるのかもしれません。
それと今回の選挙も、簡単に集約しますと華僑系タイ人の権力闘争に過ぎないと思います。
唯我独尊的な客家の華僑系と、潮州出自の王党派華僑系が基本的に争う図式です。
タクシンさんは、バリバリの客家でシンガポ-ルのリークアンユー元首相を尊敬しています。
王室は利用できればと言う乗りですから、クーデターを起こされ失脚したのでしょう。
一方、アピシットさんは貴族の家柄ですから、タイ王室を盛り立てる役割です。
これに利害・利権を伴う権力が、二派に分かれて支援しあう形なのだと思いました。
ですが、日本のメディアは深い掘り下げも無く、バンコクを混乱に陥れた似非民主化運動を心情左翼的に同情するだけです。
こういう報道をされても、困りものだと強く感じました。
日本と言う国にとっては、タイの民主党が付き合いやすいはずですよ。
アピシット首相が、最初の外遊先に日本を選び、中国を外した点でも分かります。
他方、貢献党さんは中共さんとはごじっこんでしょう。
なぜなら、支援団体UDD(赤シャツ隊)の中には、元タイ共産党員がたくさん潜んでいます。
ちょっと、危険ではありますね。
と言う分けで、ものごとを良く観察してみると、ちゃんと道理があるのだと思いました。
それで、赤シャツ隊ですが、イサーン(東北地方)では絶大な指示があると言われているのに、ブログ「ウボンラチャタニに吹く風さん」は、そんなもの地元で見たことも無いと書いてありました。地域によっては、それほど支持が得られていない箇所もあるのかもしれません。とにかく、選挙の結果が楽しみな道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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