実は、このバーミアン大仏に事掛けて、プレアビヒア遺跡を書こうとしました。
この遺跡は、現在、国境紛争でタイとカンボジアが争っている地域にあります。
世界遺産にも登録されている、有名なヒンドゥー寺院跡です。
それで、この遺跡は国境線上に存在しております。
つまり、タイとカンボジアのどちらが領有すべきか、長い間争われてきました。
半世紀前の国際司法裁判所の判決では、カンボジアが勝訴した形です。
ただ、国境線画定に使われた地図の精度は、かなり杜撰だったようです。
二十世紀初頭の地図を、五十年たっても採用したのが愚かでしょう。
当時の測量技術なんか水準が低くて、その後の地図とは似ても似つかない。
※粗雑な測量(赤太字線)と現在の測量結果(ピンク線)
※引用元のサイトはこちらから。 |
それに、国境線は分水嶺にそって定めると取り決めがありました。
植民地以前のカンボジアとタイは、そう合意していたのです。
となれば、より正確な最新の地図で国境線を定めるのが適切でしょう。
しかしながら、遺跡だけがカンボジア領と判決されるに止まった。
それ以外、国境の領有が分からない空白のエリアを残したままですよ。
こんなずぼらな判決がありますでしょうか。
ですので、もう一度、第三者に当たる国際裁判所が、再審せねばなりません。
そうできなければ、両国のわだかまりがのこるままです。
でも、今までの係争を見るにつけ、国際司法裁判所など、有効な手は打てないでしょう。
ならば、遺跡など跡形も無くせば、この紛争も収まるのではないでしょうか。
歴史的に価値があっても災いをもたらせば、邪魔なだけです。
過去にも、アルカイーダがバーミヤンの石仏を爆破しています。
と、そう思って投稿するつもりでした。
でも、ユーチューブの投稿を視聴して考えが変わりました。
アルカイーダって、マジでキジルシです。
異なる宗教や文化に対する寛容さなど微塵も無い。
こんな摩擦を起こすようでは、オサマビンラディンも執拗に狙われて当たり前でしょう。
と言うわけで、バンコクポスト紙の写真を見てきたのですが、タイの犠牲は多いような気がします。カンボジア軍の砲弾が、タイ領内に着弾しているのは事実でしょう。
おそらく、フンセン首相は、かつてのシハヌーク殿下の手口を真似ているのです。
政治基盤を強める目的で、カンボジア国民の歴史的な反タイ感情を煽る事が、手っ取り早いと知っているのではないでしょうか。
そんなとばっちりを受けるタイ政府もかわいそうだと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
おまけ:
カンボジアから発射された砲弾は、かなりタイ領内に食い込んで着弾しているようです。(2月7日付けバンコクポスト紙より)
5 件のコメント:
こんにちは、
このタイ・カンボジア国境紛争はどうもおかしいと思っています。
其処で私もこの話を取り上げたいのですが、残念ながら情報不足。道産子社長さんのこのブログの写真も拝借させていただきたいと思います。
私にはこの紛争、カンボジアの周到に準備した紛争劇にしか見えないので、そんな考えを書いてみたいと思っています。
(何時になるか??)
何せ相手はポルポト派の生き残りのフンセンです。政治的狡猾さは並みのモノでは有りません。
一つの例として7、8年前に「アンコールワットはタイのもの」と有る女優が言ったと報道された事が有ります。
カンボジア国民は激昂し、タイ大使館の焼き討ちなど大騒動になりました。
結果は本人もそんな事は一言も言ってない、完全なでっち上げ。
こんな事が出来るのは時の最高権力者(つまりフンセン)以外ありえないといわれています。
いやいや、あのバーミヤン遺跡破壊のシーンは心が痛みます。
如何なる理由があろうと、あれはイカンです。
あれには殺意を覚えましたもんマジで。
正直に申しまして、ビンラディンは殺されて可哀想ってな感情はありません。
彼も死を覚悟しての活動だったとも思いますしね。
しかし、これで益々殺しの連鎖は続きそうですね。
左翼政権ごっこが早く仕舞いにして、日本人の為の政権が出来ないかな~とマジで思いますハイ。
辛治郎さんへ、
テロの報復攻撃が恐ろしいです。
それで、中国の人にアンケート調査すると、半分はオサマビンラディンさんに同情しているみたいな感じです。
アメリカは仮想敵国なので、思想教育が成功して、国民感情が操作させられておるのではないでしょうかね。
それよりも、プレアビヒア遺跡の紛争が解決して観光めぐりが今年中にできないものでしょうか。来年は帰国できそうなもので、早く和平が来るのを待ち望んでおります。
こんにちは。
早くカオ・プラ・ヴィハーン(プレア・ヴィヒア)が落ち着くといいですね。
でもこの紛争、根が深い。
解決には相当時間がかかるでしょう。
所で私もこの問題を私のブログに書いてみたいと思っています。
写真を拝借したいと思いますのでご了承いただくようお願いします。
それにしてもバーミヤンの遺跡破壊、歴史好きには何とも言いようの無い悲しい映像ですね。
短足おじさんへ、
写真はどうぞ自由にお使い下さい。
さて、日本には、日本プレアヒビア協会と言うのがあって、そちらのリンクしているブログでは、一方的にタイが悪いことになっています。
正直に言いますが、カンボジア政府は、一私企業にあの遺跡の観光利権を与えています。
要するに、その企業は政府を抱き込んで観光の独占を図りたいんだろうと思うのですよ。そうでなければ、タイに断りも無く、係争地域を貫く連絡道路なんか作る分けがありませんもの。
時機を見て、このことは記事に書こうと思っております。
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