タイで家電製品を買うと激安ですね。
ただ、品質が伴っているかどうかは不明です。
どちらかと言えば、安かろう悪かろうの感覚でしょう。
昔は、日本でも「当たり品」って言葉を使いました。
ちゃんとしたメーカー製でも品質にバラつきがあったのです。
保障期間内で故障するのもあれば、十年使っても壊れない。
そんな千載一遇の雰囲気で用いた言葉なのかもしれません。
それで、タイで売られている掃除機ですが、これがまやかしです。
三年前の赴任当時、上さんのために先ず一台を買いました。
1200Wと比較的小型で、メーカーは国産のImarflexと言う会社でした。
日本円で換算して、四千円しなかったと思います。
ですから、品質・耐久性はほとんど当てにしませんでした。
先ず、一年も経たずに排気口から火花が飛び散りだしました。
それに、使用中、モーターの焼けるような匂いもして来ます。
上さんが、だましだまし使いましたが、怖くなって止めてしまいました。
ただ、一年たってスイッチを入れたところ、未だ生きていました。
上さんも時々使いましたが、ついこの間、完全に昇天したのです。
使用期間は、正味、一年ちょっとと言ったところでしょうか。
加えて、集塵用の紙パックが、どこにも売っていませんでした。
スーパーのテスコロータスでも、カルフールでも探しました。
でも、見つかりません。
代わりに、有名なElectrolux社用の紙パックだけが置いてあるのです。
仕方がありません。
こうなれば、自己流で凌ぐことに致しましょう。
付属品の紙パックの底をカッターナイフで切っておきます。
テープで封をしますが、ゴミが満杯になったら、剥がしてゴミを捨てます。
こうして、紙パック二個で順繰り使い回すようにしていました。
しかし、紙パックの在庫も無い電気掃除機なんて無価値です。
ですから、”まやかし”だと初めに断っておいた分けです。
何れにせよ、モーターに耐久性は無いわ、紙パックの消耗品も売らないわで、呆れました。
とうとう、上さんは掃除機をあきらめて、ほうきで床を掃く始末です。
でも、最近は面倒くさくなってきたのでしょう。
掃除機を、改めて買いたいと相談を受けました。
それに、駐在期間も延びそうな話しも出ています。
と言うわけで、決心して新しいのを一台買いました。
今度は、紙パックの置いてあったElectrolux社の製品です。
キャンペーンの特売だったので、五千円しません。
しかも、タイ国産ではなくて中国製でした。
ただ、集塵袋も紙パックでは無くて、再利用できる布製になっています。
と言うわけで、保障期間がちゃんと一年付いてきましたので、今度こそ使えそうです。
でも、修理に出すとなると手続きが面倒くさいですね。
そうならば、当たり品であってくれよと、現物を見ながらつぶやく道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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