オフショア開発って聞きなれない言葉ですよね。
でも、日本のIT企業は、大方このシステムを採用しています。
要するに、コンピュータプログラムを開発する、一つの発注形態です。
人件費の高くなった日本では、プログラミング代もバカになりません。
少しでも開発コストを安く上げねば、製造業の死活問題です。
このため、なりふり構わず海外の企業に開発を委託することになります。
まあ、プログラムの設計は日本で実施します。
開発デザインが一番重要ですから、発注者が行うのです。
次に、力仕事になるプログラミングが、外国に流失するのです。
もし、日本人のプログラマーに能力があって費用効果が望めるのなら問題ありません。
でも、給料が安くて優秀な人材を抱える国々は、色々とあるものです。
中国、ベトナム、インド、フィリピンなどなどです。
あれっ、タイが含まれて居ないと気づいた方も居られましょう。
タイは人件費も安いし、日系企業もたくさん進出してノウハウがあるような感じもする。
なのに、タイから海外へ発注するなんておかしいかもしれません。
ところが、ぎっちょんちょんなのです。
こちらの国民性は、本来、根を詰める仕事など、到底向いておりません。
複雑な思考、推論を重ねて論理を紡ぎ出すようなおつむではないのです。
とにかく、マイペンライの気にしない、何とかなるさの性分です。
しかも、著作権の尊重など微塵もありません。
バッグ、DVDなど、コピー品は巷に溢れ返っております。
開発を委託すれば、誰かにコピーされ盗まれてしまうのは当然の成り行きです。
つまり、そんなモラル無法の低俗社会で仕事は頼めません。
一方、製造ラインでワーカーに単純作業をさせるだけなら、日系企業も成功できました。
つまり、反復作業だけは、お家芸でお手の物です。
農耕民族の国ですから、つらい田植え作業が転じて、組み立てに代わっただけのことです。
もし、それ以上の仕事なら、ここタイは未だ代償が高いと言うことでしょう。
さて、実は、私どももオフショアができないものか検討し始めました。
最近、海外のお客様からレシートプリンターの供給を求められているのです。
付属機器の範疇ですが、高価なPOS機器を必要としない市場もあります。
それに、日本の親会社が販売する機器は、発行機のオプションが三十万円もするのでした。
当社の輸出向け主力製品は、高くても四十万円ですよ。
オプションが本体に近い値段だったら、お客さんもびっくりしてしまう。
しかも、競争相手の中国製は、数万円しかしないのです。
この値段と比較すれば、当社のオプションは売るなと申し渡されたも当然です。
と言うわけで、オフォショアの頼み方にも色々ありまして、わが社の場合、組み込み機器の開発に相当するのでした。プログラム開発の前に、先ず、必要な電子基板や周辺のデバイスを探さねばまりません。スタッフも素人同然だし、社長は事務系出身だし、どうしようか途方に暮れる道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
おまけ:
ネットで、オアフショア.comの紹介サイトを見つけました。
来月の帰国時に相談しようと思って、目星の企業にはアポ取りのメールを出しております。
4 件のコメント:
ぐりぐりもんがー社長、お久しぶりでございます!
今回の記事、大変興味深く拝読させて頂きました。
実は、某グローバル・マーケティングコンサルティング会社も、IT企業と同じように『分業』していますね。
どうも、グローバライゼーションもここまで進むと逆に分業化が進んで、現地スタッフが与えられた分業を行い、支店を飛び回る出張というものが無くなっているのです。 発注して取り寄せるだけですから、インターネットと郵送手段があれば人をよこすことは殆どない世の中になりました。 だから、人事も現地スタッフが現地の人事を自己責任でになっています。 それでもって、専門的なところは、その専門分野が強い民族のあつまる国へ委託するようです。
たとえば、某会社では、日本支部は日本のマーケットリサーチ専門で、複雑なプログラムや数学公式を使った統計分析はインド支社が世界中からデータを受け取って分析してそれぞれの国の支社へ送るようです。 だから、日本支部やどこそこ国支部は統計解析はインドに丸投げして、経営指導などはアメリカ本社がすべてを管理しているという感じです。
でも、ここまで分業化してしまうと、その専門分野ができる人間が育ちませんね。 小生は計量経済を勉強してきましたので、そのマーケットリサーチ&コンサルティングの会社で働くにはインドのHRに申請しなければならないようですw。
Oblige347さんへ、
タイでプログラム開発を外注すると、結構大変なんですよ。
設計仕様書も提出されずに、話し合いをしているうちに、プログラム開発が始まっていて、終いには技術資料無しでプログラムだけの納品になることが、多いのです。
やっぱり、仕様書を詰めて開発してもらうには、オフショアも捨て難いのかと思いますね。
つまり、分業した方が良い業界があると言うことです。プログラムの世界は頭だけで構築する部分が多いものですから、いかに文書化できるかは、別な分野の能力でししょう。
分業もまた必要と言うことです。
ところで、マーケティングも国際分業なんでしょうか。分析結果が、カレー臭く無いでしょうかねー。
これは、冗談です。
>タイでプログラム開発を外注すると、結構大変なんですよ。
んまぁ、そうですよねぇ。 UKでもタイ人とはかなり出会ってきましたのでわかります。 同じ東南アジアでも、小生の勉強した計量経済のようなシステマティックなものが苦手なんですよね。 つまり、数学のような主体のある学問や、経済のように論理を応用する学問が苦手なんです。 ってか、学問よりも、人当たりの良さに関しては抜きん出ているんですよね。 昔は企業戦士で定年過ぎても働いておられたうちの祖父も、商売ってのは基本的に人の交流っていっていましたしね。 そういう意味では、タイ人はビジネスには強そうですけんどね。 ただ、合理性、論理性、主体性(主体性思想とは別で、数学の公理ようにものごとの根本にあるものの)があるものは苦手なんでしょうね。
>マーケティングも国際分業なんでしょうか。
マーケット・リサーチ&コンサルティングです。
某社の日本支部は、日本人雇用者へのサーヴェィランスおよび日本企業へのコンサルティングです。 まず、日本でサーヴェイ(購入者心理と企業成績の両方)を取って、数量化してインド支社に送って、そこでできた統計解析をもとに、レポート書いて日本企業にコンサルするようです。
たしかに、インド人は数学得意な人多いですからねぇ・・・。 ってか、統計解析の部所を支社ごとにおくよりも一国にそれ専門の支社をつくって全世界の支社から依頼された仕事をすべて受け持つ方が費用が安いようです。 これがグローバル化で、逆に人の動きは鈍くなるようです。
>分析結果が、カレー臭く無いでしょうかねー。
キムチ臭くなるよりかええのではwww?
カレーの国の方がキムチの国の方が数学統計には強いようですし。
ってことは、小生が解析やると醤油臭くなるってことですなwwwwww。
でも、欧米の人々と勉学やパートの仕事してわかったことは、こういう能力はアジア人が強いらしいです。
アジアの香辛料がこういう数量的解析の味付けにはもってこいのようです。 カレーと漢方は強いですね。 醤油も東大の赤池教授を排出したぐらい、こういう分野はもともとは強いはずですが、最近、醤油はカレーと漢方に押されています。 小生はこの分野の味付けで強かった時代の伝統的な醤油なんでしょうなぁ・・・。
Oblige347さんへ、
タイの財界では、ほとんどが華僑出身で潮州という広東の限られた地方から渡って来て成功した人が多いのです。
この人たちは、結構、数字に強いのは事実で商売熱心です。一方、オリジナルのタイの人たちは、ちょっと弱い。
ただ、華僑の人も代を重ねるに連れて風土に親しんでしまい、三代目になれば同化して、数字に弱くなる感じもします。
タイの国は、豊かで食べ物に困らない国ですから、それはそれで良いのです。
その代わり、人付き合いは良いですよ。華僑系の会社とは、ドライでなくてウエットな応対なので親しみがもてます。
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