上海を訪れていた時、ノーベル賞の授賞式がありました。
今年度は、化学賞で二人の日本人に授与されています。
まことに、日本人として誇らしいかぎりです。
このニュースは、NHKの衛生放送でも報道されました。
11日の土曜日、朝方にホテルの一室から視聴できたのです。
その時、上さんと一緒に見ていたのですが、不思議なことが起きました。
一瞬、画面がブラックアウトしたのです。
声も聞こえなくなってしまった。
故障かもしれない。
それとも、衛星からの電波が乱れたんだろうか。
その状態が、一分くらい続いたと思います。
突然、画面が復帰しました。
すると、ニュースの内容が別の記事に変わっていました。
変だねーと、上さんも驚いています。
何だかおかしいと思いながら、ふと思いつきました。
これって、ネットでよく紹介された検閲による放映差し止めなんでしょう。
一体全体、不利益かつ有害な情報はなんだったのだろうか。
すぐに思い当たりました。
それは、中国の民主活動家、劉暁波氏の平和賞でしょう。
共産党一党の独裁国家にとって、彼は獅子身中の虫なのです。
何せ、中国政府が政治犯として収監中です。
罪人に平和賞を与えられては、面子(メンチー)も立たないのでしょう。
しかし、この情報統制こそ、中央集権国家のお家芸なのかもしれません。
体制を危機に陥れる情報は、即座に遮断されてしまう。
これは、インターネット利用者とて、同様なのです。
政府にとって、都合の悪い情報にはアクセスできません。
情報をふるいに掛けては、自己都合の情報だけを垂れ流します。
全くもって、国民の知る権利、表現の自由など尊重すらありません。
このファイアーウォール機能は、”金盾"とご大層な冠名が授けられました。
金の盾ですから、五星紅旗の錦の御旗でありましょう。
はたまた、万里の長城をもじったGreat Wallならぬ、 Great Firewall(グレート・ファイアウォール)と、巷では源氏名もあるくらいです。
と言うわけで、上海の浦東空港からネットで自分のブログにアクセスしようとしました。
でも、アクセスはできませんでした。それもそのはず、グーグルのブロガーですから、弾かれるのも当然です。ブログを続けたいので、上海の駐在は内示を受けても固辞しようと思う道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)
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