2010年8月6日金曜日

戦国時代さながらの分捕り合戦だの巻き

いやー、想像もしない事態が起きました。
最近、産業界では電子パーツが極端に不足・払底しています。
その結果、生産・出荷が極めて困難になるケースがぞろぞろ出始めました。

そう言えば、ついこの間も、日産自動車の日本国内4工場の生産が止まっていました。
原因は、日立製作所のエンジン制御装置の納入が遅れたことだそうです。
部品を構成する半導体市場の逼迫が背後にあるようで、調達先を一社だけに絞るとリスクを伴います。

実を言いますと、小生の勤めるタイの工場も、そろそろ危うくなってきました。
先ず、汎用電源です。

  

供給元から納期が大幅に遅らされて、発注ずみだった二ヶ月納期が、五ヶ月に変ってしまいました。こちらの受注残分を、どうして生産しろと言うのでしょう。
それにマグネットを使ったシンプルなスイッチ類も、二ヶ月近く遅れて来る始末です。
フェライトコアなので、電気では重要な部品になり争奪戦を繰り返しているのかもしれません。

実を言えば、世界中のものづくりメーカーが、恐慌がやってくると心配しすぎたのです。
挙句、生産供給力をいたずらに見直し、削減してしまいました。
こうして、不幸の連鎖は始まってしまった。

生産資材の分捕り合いなんて、信じられません。
正に、実物経済一本やりの市場ですよ。
このタイを含めてですが、インド、中国、アセアンなど新興国は、そんな感じです。

一方、欧米は金融危機の煽りで、景気が足踏み以上で後ずさりの感じもします。
日本も、先進各国の雰囲気に呑まれしまいました。
気分は曇天みたいなもんでしょう。

どうも、景気回復の波は、国々によって異なるんじゃないでしょうか。

こちらの景気は絶好調ですよ。
物価も賃金も上昇し続けているのです。
アセアンでは、好況あるのみなのだ。

となれば、欧米は墓穴を掘ったに過ぎません。
CDSとか言う金融博打と言う、実体の無いいかさまに手を出したからです。
自らをあがなうのは当然でしょう。

欧米が没落しても、アセアン諸国は関係ないのです。
依存度を下げながら、自立的に発展成長できる下地が、既に確立されました。
タイで仕事をしていて、そう思うのです。

と言うわけで、こちらは七月末の出荷を、どうしようか頭を抱えて折る最中です。
もう、欧米の経済を見るのは止しましょう。
代わりに、日本は見通しの明るいアセアンと確固たる経済関係を維持し続けなくてはなりません。
アセアンの旗をググって見ることです。
意味が分かりましたね。


(この巻き、終わり)

3 件のコメント:

Art_Blue_Liberalism さんのコメント...

>実を言えば、世界中のものづくりメーカーが、恐慌がやってくると心配しすぎたのです。
挙句、生産供給力をいたずらに見直し、削減してしまいました。
>こうして、不幸の連鎖は始まってしまった。

確かに、株式や外貨の相場変動よりも、こういう"Irrational Exuberance"(非合理的衝動)by J.M.Keynes の方が変動効果が高いですよね。 ドットコムブームみたいな投資拡大を呼ぶものもあれば、今のような「不況懸念」も非合理的なものです。 

っていうか、メディアが不況不況って煽り過ぎ。 んまぁ、確かに大不況でそのうち恐慌に突入するおそれもありますが、不況ならば不況の利点はありますよね。

まず、不況になればInferiorGoods(廉価品)が売れます。 だから、下等競争(マーケット参入が比較的容易)でいえばユニクロなど、上等競争(マーケット参入が比較的難儀)でいえば格安航空会社などです。 

それに、Kondoratieff理論でいえば、不況とは現段階にて使用可能な技術内で資本開拓が満たされ飽和状態になったときに起こります。 だから、まだ現技術で使用可能な資本が飽和状態になっていないリージョンのインフラ整備を行い、飽和状態のリージョンからの資本アクセスを良好にすれば良いのです。 そうすれば、投資したリージョンもまた飽和状態のリージョンにおける資本を購買できる購買力も上がりますから、相乗効果的にポジティブなんですがねぇ…。

こういう理論を分からず、衝動的な判断で資本投資を辞める素人が多いから嫌気がさします! 大多数がこの衝動に駆られてしまった場合は、不必要な投資減退が余分な経済の不の相乗効果を産みますね。 つまり、経済を合理的に見極められる少数派がフリーライディングするはめになり損するのですよね・・・。 


だから、今回の ぐりぐりもんがー様の記事を拝読させて頂いたときに、ぐりぐりもんがー様への同情の気持ちと経済素人どもへの憤りがこみ上げてきました! 日系企業群への利潤が転がり込んでくる投資をくだらない非合理的衝動のために逃しているのですから。


ちなみに、大陸欧州はぐりぐりもんがー様の仰っているほど悪くはないようです。 どうも、最近いろいろと調べてみましたら、最近EUに加盟した中欧諸国への投資が拡大しています。 特にドイツ系企業の活躍は顕著です。 中欧だけでなく、最近加盟した東欧諸国への進出が目立ちます。 IMFによるドイツの経済予測が芳しくない理由は、現在のEMU崩壊の懸念によるものでしょう。 ですが、これも実際は非合理的衝動で、ドイツ、フランス、ベネルクス諸国、フィンランドなどの実体経済はかなり安定しています。 やばいのは、地中海諸国とグレートブリテンだけです。 この背景に気づいている極小数の日系企業は、供給側にとって費用が安価であり、西欧からの有効需要が見込める中欧にどんどん進出しております。


・・・、んまぁ、若造の癖にでしゃばったうんちく話を垂れ流してしまい誠に申し訳御座いません! ただ、ぐりぐりもんがー様の現在置かれている不便な状況を垣間見て、ぐりぐりもんがー様に不便を強いている腰抜け経済素人どもへの憤りを感じました故、言わざるをえない心境でした。

それでは、実際に企業戦士として活躍なされているぐりぐりもんがー様へのご健闘をお祈りしております。 そして、小生の経済学に関するうんちく話が勇気づけになりますように。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

Oblige347さんへ、
非常にためになるコメントを有難うございます。
それで、自分なりに意見をまとめたいので、次回以降の投稿にアップさせてください。
宜しく、お願いします。

Art_Blue_Liberalism さんのコメント...

了解いたしました