2010年8月25日水曜日

ぬいぐるみを偏愛して何が悪いのだの巻き


欧米は、個人主義が徹底しています。
個人の意思を第一に尊重し、その責任を第一に重んじるという、実に割り切った考え方です。
向こう三軒両隣なんて、日本的な横丁の付き合いはナンセンスなのでしょう。

ですから、家族の中でも、親と子どもの関係はドライと言えそうです。
夫婦で過ごす余暇は、子どもは干渉してはならないのだ。
そうなると、子ども達は夜の早いうちに寝かされ、あてがわれた個室へ追いやられるのです。

つまり、小さい頃から自立を促す目的で、一人で寝かせる家庭が多いことになります。

こうまで書くと、ずい分と白物の人たちは、家族の情愛が乏しくぎすぎすしたようにも感じられます。
ですが、映画やドラマなんかを見ていましても、それなりに家族愛がきちんと成立していますよね。
そこが、自分には実に不思議でした。
きっと日本人=アジア系人種とは違う感性で家族関係が存在しているのでしょう。

もちろん、欧米は先進国ですから、個人が豊かな生活を享受できます。
占有できる個室自体を持てるだけでも、うらやましい限りです。
でも、本当は、このような環境は子どもにとっては辛いのかもしれません。

だって、五歳くらいから、一人で自分の部屋に寝なくてはならないのです。
夜の暗い部屋で、寂しく寝るのですから、何かしら恐怖におびえるかもしれない。
不思議な物音や夜風におののき、怖くて眠れない時もあるのではないでしょうか。

おばけでしょうかね。

自分も、子ども時分には暗闇が怖くて眠れない時もありました。
そんな時、子ども達は、一緒に寝てくれる友達が欲しくなるんですよ。
寂しさを紛らわしてくれる相棒が大事だってことです。

だから、ぬいぐるみやタオルなど、自分のお気に入りのものと一緒に寝るのは大切なことなのです。
そんな習慣は、みなさんも良くご存知のことかと思います。

そう言えば、犬のスヌーピーが登場するほのぼの漫画で有名なピーナッツにも、お誂えの登場人部がいました。
その名は、ライナス・ヴァン・ペルト君と言います。
彼は、いつも「安心毛布」を持ち歩いて、これがないと落ち着かないキャラです。


多分名前からして親はドイツ系でしょう。
ドイツ人は、子供のしつけに厳しいと聞きました。
夜、子供部屋で子供が寂しさ余ってわめき泣いても、部屋の外から鍵をかけて寝かせるのが普通です。
そんな両親と一緒の生活ですから、ライナス君も夜の御供は欠かせないんだと思いました。

さて、そんな欧米の個人主義ですから、大人になっても毛布やぬいぐるみは欠かせないようです。
そんな証として、イギリスではなんと3人に1人の大人がテディベアなどのぬいぐるみと一緒に寝ていると答えました。
しかも、平均保持年数はなんと27年にもなるんだそうです。
体格の良い奴らの割りに、ガキの性分が抜けないのかもしれません。

と言うわけで、冒頭に掲げた写真は、道産子社長が日本の自宅に残してきた番兵のぬいぐるみ諸君であります。
正直に申しますと、独身時代、家に帰っても一人だけで暗い部屋に明かりを灯しても、寂しさは残りました。
そんな時、気を紛らわしてくれる相棒として、デパートから拉致したのが、この面々の中のサンタベアニ頭です。
かれこれ居候して十数年になりますが、テディーベアのお膝元の年数には適わないと感じたのでした。
(この巻き、終り)

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