2010年8月7日土曜日

金融工学は賭博そのもので、借金返済は自己責任ですの巻き

前回の記事では、生産部材が払底して、会社が四苦八苦している記事を書いてしまいました。
では、なぜそういう事態が起きてしまったのか。
簡単に申しますと、この先、売れるか売れないかの読みを誤っただけに過ぎません。

どの会社でもそうでしょうが、ここ一二年の短期的な経営計画は立案しています。
これを踏まえて事業に取り組みますが、これからの景気に山を張るのは、とても重要なことです。
つまり、この山次第で、生産体制を先んじて縮小したり拡張することになるからです。

それで、今年の場合、良い意味で山が外れました。
思った以上に景気の回復が良かった言うことです。
うれしい悲鳴なのは違いありません。
ですが、回復が良すぎて、資材の取り合いをするようでは困りものです。

しかも、製造業では、ジャストインタイムの生産方式が当たり前になりました。
無駄な在庫を持たずに、計画的に納入させる方式です。
俗に、トヨタの看板方式といえば、お分かりでしょう。

でも、これが問題なのです。
末端の下請けや原材料メーカーまで、景気を予測して生産体制を絞ってしまった。
みんな、需要のぎりぎりしか生産しないことになります。
つまり、市場にはバッファーになるような流通在庫すら残らないのです。

まるで、産業界全体で、究極の適正な在庫管理に挑んだかのようです。
だから、景気回復が良すぎれば、あだになるのです。
部材が払底して、足りなくなるのは当たり前なのかもしれません。

予測って、なかなか当たらないもんだと思いました。

先ず、景気には波がありますよね。
前の記事では、Obilige347さんがコメントでコンドラチェフと言う学者を取り上げていました。
この人は、世の中の経済には、長期の景気循環が存在することを主張した学者です。
私も、大学で一応経済学を専攻しましたので、この説明に興味を持ちました。

それで、コンドラチェフの長期経済波動によれば、ウイキペディアを見たのですが、近代では五つの主だった循環が導き出されているようです。

1. 蒸気機関、紡績 (1793-1847年頃まで)
2. 鉄道、蒸気船、製鉄 (1893年頃まで)
3. 電気、化学 (1939年頃まで)
4.自動車、石油、電子工学 (1984年頃まで)
註:自分なりには、原子力も加える必要があります。
5. 情報、知識、生態学 (2039年頃まで(?))
註:ここでは、金融工学を絶対に落とせないはずです。

この中で、4.までの時代は、実物経済が主流だったと感じました。
そして、この実物の流れを円滑に行えるような補完的役割を担っていたのが、金融経済でしょう。
つまり、金融は、まだメインの経済では無かったのです。

ところが、5.の時代になって、初めて情報を大規模に商売の道に活用できるインフラが整ったと思います。
今や、インターネットなんて常識ですが、80年代はまだ無かった。
当時は、ATMによるエレクトロバンキングとか、携帯も自動車電話がやっとで、黎明期だった分けです。
これを見ますと、情報に付加価値が付いて商品化できるようになったのだと思いますね。
情報なんて空気みたいなモンですが、この時代になって金融は、実物経済からひとり立ちしました。

つまり、金融商品=マネーゲームって奴ですね。
お金を投資すれば、一定期間で利ざやが稼げると言うわけです。
要するにバクチです。
しかも、元本の保証されない商品が多い。
つまり、リスクは自己責任で追うことになります。

それで、現在、この金融経済によって形成された資産は、実体経済に比べ数倍にも膨らんでいるようです。
景気の良い時は、この潤沢な資産を使って、いろいろと贅沢ができました。
高額なローンを組んで、家も車も購入したわけです。

でも、一度、不景気になってローンを返せなかったりすると、どうなるでしょうか。
昔だったら、借金を返し終わるまで、体で働いて返してもらうのは当たり前でした。
でも、今の時代は良い時代ですよ。
返せなくなったら、破産宣告してしまえば良いのです。
あとは、弁護士と相談して終りです。

でも、借金=負債は、帳簿から消えません。
誰かが返し続けるのですよ。
もし、実物経済なら、解決は簡単です。
借金の肩代わりに、土地とか建物とか目に見えるものを差し出して、相殺してしまえばよいのだ。

ところが、金融経済でこしらえた借金は、実物で返済できる限度をはるかに超えてしまいました。
どうやって、この先返済していくのでしょう。
つまり、実際の稼ぎに関係ないところで、賭博の借金を作りまくってしまった。
とんでもない、チンピラばかりが当たり前に生きている世の中です。
しかも、世界中の国家までが、マネーゲームに参戦して破産寸前まで追い込まれつつあるのです。

まっとうに暮らせば、ささやかでも幸せに生活できたのにねー。

まあ、借金は帳簿から消えない限り、誰かが返し続けるのです。
どんなに借金の査定方法を変えようが、借金は消えません。
言っておきますが、当社はこの十年、銀行から金を借りたことがありません。
設備投資をしても、こつこつ溜めた内部留保から小出しにして来ました。
だって、あの97年の金融危機では、誰も融資をしてくれなくなりましたから懲りているんですよ。

と言うわけで、コンドラチェフさんの景気循環を見て、いろいろな考えが湧きました。
来る新しい循環までには、後ニ十年が残っているそうです。
とある国は、借金を返すだけでデフレになり、疲弊して没落するのでしょうか。
他方、タイは、実物経済で地道に成長しているから、国も人々も豊かになっていくのでしょうか。
そんなことを素直に思いつく道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

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