2011年8月6日土曜日

海外部門の取締役にけじめをつけさせてもらったの巻き

△◇◎取締役殿

了解いたしました。

今回の海外合弁会議では、できるだけ発言させていただくようにします。
なお、新製品ををタイでコストが掛からずに生産する方法は、経験則的に次の条件が必要になります。
これは、当社の輸出主力機種を立ち上げた経緯を踏まえて申し上げるものです。

1.射出成型の樹脂ものは、金型をタイに移管して現地生産製にする。
2.電子基板も、同じく現地生産に移管する。
3.金属配管部品も、金型を移管して現地製にする。

新製品は、生産拠点を日本にして設計されました。
当然、部品供給を行う協力会社は、日本が主だっています。
したがって、これらに関る部品を、日本から輸入してノックダウン生産をする限り、コストは思ったように下がりません。

確かに、設計的に部品点数が減少し、コストが下がったのも理解できます。
とは言え、輸入費・関税などで相殺されていく部分が多いのです。
部品供給ソースの主従が切り替わらない限り、期待したような成果が出ないとおもいます。

これは、タイで生産する旧世代機種でも同様です。
日本から輸入する部材をタイへ移管すれば、コストの下がる可能性があります。
現に、高付加価値機の生産では、日本から調達品のコスト比重が半分を越えています。

思いますに、円高の状況下では、何かを施さねばならないはずです。
そして、その意思決定は非常に思いものがありますので、トップダウンであろうと考える所存です。
会議におきましては、宜しくお願いいたします。

以上

へっぽこ社:ぐりぐりももんが

と言うわけで、ボトムアップで意見や要望を言えなどとのたまったものですから、こちらもけじめをつける必要があって、最後通牒みたいな条件を提示してしまいました。簡単に海外へ生産拠点を移せば、コスト的に競争できる製品ができるなどと思ってはいけません。当社のようなすき間産業は、世界の市場規模ではたかが知れているので、生産拠点の分散などかえってリスクを高めます。協力会社から何から何まで引っ越して、日本をすっからかんの空洞にして、始めて成し遂げられるのです。たぶん、会議で鶴の一声は聞こえないだろうなと感じる道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2 件のコメント:

とよこ さんのコメント...

300000アクセス、私が踏みました!
象さんのプレゼント、お待ちしています(うそです)。


日本国内にいる海外部門の方々は、実際の海外の様子がお分かりにならないのでしょうか。
製品等、詳しいことは分かりませんが、ぐりりんさんの会社にとって、ボトムアップで戦略を・・・などと言っている時間は、今はないと感じました。

もちろんボトムアップ全てを否定するわけではありませんが、ボトムアップすればいい戦略が生まれるとも限りません。

何と言っても、agilityが戦略に大きな影響を与える昨今、日本にいらっしゃる海外部門の方々に、それをもっと理解していただきたいですね。

がんばってください。陰ながら応援いたしております。
 

ぐりぐりももんが さんのコメント...

とよこさんへ、

三十万アクセスをお踏みくださりありがとうございます。
ここに至るには、三年四ヶ月が掛かりましたが、今後もちんたら書き続けてまいりますので、よろしくお願いいたします。

さて、今日は日曜にもかかわらず、帰国前にして会議用資料の準備で忙しく、在宅勤務をしております。
社長自ら仕事をするなど、さびしいですが、日本で行われる会議ゆえ、日本語資料のこともあり、自分がやらねばならないのです。
日本人一人ってのは、こう言う時が大変ですが、それ以外は気楽でして、のんびり生きております。

それと、応援してくださると言う、お言葉がもったいなくて感謝しております。本当に、励まされている感じです。