2011年10月1日土曜日

常識・非常識の育みは職場環境次第の巻き


もう、二年前のことでしょうか。
『プロフェッショナル 仕事の流儀』と言うテレビ組は、逃さず見ておったのです。
中でも、航空管制官が携わる仕事の厳しさには、目を見張りました。

その方は、堀井不二男さんだったのですが、今改めて思い返しました。
そのきっかけは、残念ですが同僚が社会的事件を起こしたからです。
つまり、米大統領専用機の飛行計画などを自分のブログに掲載したのが問題になりました

※これ以外の問題写真は、こちらから

写真のように、飛行する経路を暴露してしまった分けです。
これって、アルカイーダのようなテロ組織が将来の攻撃に参考にしないとも限らない。
ちょっと考えれば、常識から外れた大問題ですが判断が無理だったのでしょう。

この職業は、一口に言って飛行機の航路をコントロールするのが任務です。
空の上には道しるべなどありません。
管制官は、レーダーと自分の目だけで判断でしなくてはならない。

しかも、羽田空港は、もっとも多忙な時、二分間隔でフライトが錯綜します。
複数の飛行機を導きながら、安全に離着陸を誘導しなくてはならない。
ひとたび間違えば、多くの人命を奪うかもしれない事故につながります。

これは、かなりストレスや緊張を強いられる職業でしょう。
長い経験の積み重ねも必要になってくる専門性の高い役人だと感じました。
このため、「ハネダさま」と呼ばれて管制官の中でも「プライドが高い」みたいです。

他方、管制官は転勤先ごとに資格が必要となるので異動も少ない。
労働組合の力も強いとなれば、職場環境が閉鎖的で硬直的なんでしょう。
しかも、国家公務員ですから、世の習いに隔たりがあったとしても不思議ではない。

と言うわけで、一般社会とかなり遊離した高度な専門技能集団と言うものは、得てして非常識に陥りやすいと感じました。この主任管制官は、56歳で30年間も異動したことが無く、職能的にもボスに近い印象を受けます。だから、職場の写真を自由に撮ったとしても、若い人たちは注意できなかったのでしょう。こう言う環境では、堀井不二夫さんが嘆くだけであろうと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

おまけ:
この事件の渦中の男は、堀井さんより二歳年齢が若いようです。
なので、同一人物ではないと思われます。
生年月日を、1983年としているのが不思議ですが、航空管制官として出仕した年なのでしょう。
それで、運営していたと思われるブログが見つかってて、わずかに魚拓(キャッシュデータ)が残っています。
他にも、航空管制官の運営によるブログがありましたが、みな閉鎖されていました。
つまり、プライドのある職業を名乗ってブログを運営することすらできなくなってしまったというわけです。
事件を起こした男は、管制官仲間にも大きな波紋と迷惑を投げかけたようです。

2 件のコメント:

三四郎 さんのコメント...

いい年して信じられない非常識ぶりでしたね。日本の先行きがますます不安になります。

ところで私のブログですが、いろいろ障害が多くなってきましたので移転を決行しました。

URLを貼っておきますので今後ともよろしくお願いします。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

三四郎さんへ、

ブログ移転の連絡を下さりありがとうございます。
リンクを貼りなおしさせていただきます。
ところで航空管制官って、何様なんでしょうかね。これをメーカーの話に例えるなら、工場ラインの重要な工程を写真にとって、勝手に私的にメディアに流したってことでしょう。下手すりゃ、依願退職のレベルでしょうなー。
あの東北大震災で殉職された立派な公務員もいらっしゃる中で、何とも情け無い話だと思うのです。