2010年6月24日木曜日

改めて、羅老(ナロ)号に送る鎮魂歌の巻き

※必ず、ユーチューブをご覧になってください。


やっぱり、強行打ち上げが仇になったんじゃないでしょうか。
いかに、国民の期待を一身に集めていたとは言え、無理しすぎました。
韓国最初の人工衛星用ロケットは、去る6月10日、発射後わずか50秒で通信が途絶しました。

要するに、軌道進入に失敗した分けです。

昨年八月末の発射も失敗していますね。
目標の衛星軌道から外れましたし、人工衛星は二段目ロケットから分離できませんでした。
地球を周回する軌道には乗ったのです。
でも、それはロケットの残骸としての存在です。

そして、今回は衛星を積んだ二段目ロケット自体が爆発してしまった。
打ち上げ花火のように華々しい散りざまでした。

大体、発射台の誤作動が原因で、打ち上げを直前に中断したのです。
これは、由々しき事態でしょう。
もっと原因を究明して、今後のロケット開発技術に役立てるべきだった。

それが、原因もあいまいなまま、翌日に強行発射した理由がよく分からないのです。
発射の予備日は、既に十日先に設定されていました。
予定に従って延期するのは、当たり前です。
しかも、昨年の失敗を考えれば、慎重であるべきはなお更でしょう。

なのに、なぜ翌日に強行発射をしたのか不思議でなりませんでした。

でも、ものすごい単純な理由が一つだけあるんですよ。
それは、日本が打ち上げた科学衛星、小惑星探査機「はやぶさ」に先を越されたくなかったのです。
この「はやぶさ」は、13日に大気圏へ突入する予定でした。
上手くいけば、分離されたカプセルも回収できる可能性がありました。
約六十億キロの宇宙の旅と言う大ロマンを終えて、地球に帰還すべく大気圏へ突入するのです。

はっきり言いますと、宇宙開発の話題では、はやぶさの方が上です。
今時、人工衛星の打ち上げと言っても、珍しくなんともありません。
衛星さえ用意できれば、打ち上げてもらえるのです。
要するにビジネスなんですよ。

はやぶさは、月以外の天体に着陸して帰還した初めての宇宙機です。
これは、ギネスものでしょう。
もし、成功すれば、世界中がこぞって話題に取り上げます。

となれば、韓国が威信をかけて打ち上げるナロ号のことです。
何としても、憎きライバル視する日本より先を越さねばならない。
予備日の19日では、遅すぎる。
先手必勝で、話題をかっさらわねばならない。
だからこそ、翌日の10日に強行発射したのですよ。

そして、こう考えるのです。
はやぶさが帰ってくるまで、未だ三日ある。
その内に、話題を独り占めできると、自己満足でほくそ笑んだのでしょう。

と言うわけで、これが本当だとしたら、意外にかの国の人々は本末転倒じゃないでしょうか。
日本人の方は、これっぽっちもライバル心なんか持っていません。
しかも、宇宙開発は、科学技術の向上が第一です。
そんな風に感じた道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

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