チェンマイは、街として大きくなりすぎました。
周辺地域を含めたチェンマイ圏は、百万人以上の住む大都市圏です。
四角いお堀の中に囲まれた旧市街は、ほんの一部です。
郊外へどんどん街中が広まっています。
新しく、若者たちの集まるファッショナブルな地区もできました。
でも、大きくなりすぎたので、よそよそしい感じもしてきました。
それに比べると、ランパンはこじんまりとした町です。
同じ、タイ北部にある街でも、規模は格段に小さくなります。
ですが、チェンマイからは、車で一時間半の路程だから、さほど離れていません。
実を言うと、ついこの間、この町に北部管轄の支店を移したばかりです。
その前は、チェンマイの郊外に拠点を設けていました。
一軒家を借りながらの営業でした。
事務所、保守部品の倉庫、社宅も兼ねたマルチな役割です。
でも、家賃がぐんと上がってしまいました。
北東部や南部の支店と釣り合いが取れなくなってしまう。
チェンマイだけは開発・発展のスピードが早い。
不動産の相場で地方差がかなり出ています。
それで、移転を決断しました。
チェンマイだけ、特別扱いするわけにも行きません。
携帯電話、インターネット、GPSの三種の神器があれば、仕事はOKです。
別に、チェンマイにこだわる必要が無い。
どこでも良いのですよ。
こうして、出張所のあったランパンを支店に昇格させました。
代わりに、チェンマイは出張所に格下げです。
家賃は、一軒家で月四千五百バーツです。
東北のコーンケーンより、二千バーツも安い。
うーん、一軒家を借りて二万円しないのです。
なんと日本に比べて安いでしょう。
ただ、台所はお勝手口の外にありました。
雨風をしのげるように、屋根のひさしが突出ています。
屋内だと、調理器具の熱も逃げないし、香辛料のきついにおいが室内にこもるようです。
そんな地元の生活の知恵を感じました。
と言うわけで、ランパンへ引っ越した支店は、殊の外、居住環境は良いようでした。
後は、エアコンを付けて欲しいと要求もありました。
家賃も安くなったことだし、浮いた分を計算すると一年分で買えないこともありません。
ただ、社長からOKといってしまえば即決になります。
社内の担当部署で決めてもらうことにして、後は担当部長と相談して決めてくださいと申し渡す道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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