2010年6月16日水曜日

民族国家の意義を再認識したの巻き

今、タイの南部の中心都市ハジャイに来ております。


もちろん、仕事ですから出張と言うわけです。
ホテルは、LEE GADENS HOTELに投宿しました。
パンフレットを見るとそのようにスペルが打たれています。


もっとも、華僑のオーナーが経営しているらしく、真下に繁字体の漢字が載っていました。

蠡園大酒店

れいえんだいしゅてん、と読めますね。
と言うことは、園=GARDENではないかと思うのですよ。
単純なスペルミスかもしれない。
刷ってしまったから、捨てるのももったいなくて使っているような感じです。

なぜなら、チェックインのカウンターで見かけた名刺には、ちゃんとGARDENSとありました。
まー、マイペンライのタイですよ。

それで、このハジャイという都市は、国際都市のような趣が結構あります。
マレーシアの国境に近に近いせいもあるでしょう。
地方都市の割には、さまざな人々を見かけました。


ホテルの向かい側は、セントラルデパートです。
どうやら、この辺は繁華街のようです。
夜ともなれば、屋台の出店が通りを埋め尽くしました。
衣料品のお店も多い中で、目を引いたのは、食堂でした。
フカヒレ、ツバメの巣、大ぶりのエビなど、海の幸を中心にしています。


活気があって、面白いのですが、飛び交う言語もさまざまでした。
まず、マレーシアから遊びに来たと思われる人たちを見かけます。
ちょっと、タイの地元の人たちと、所作も違い、雰囲気で分かりました。

華僑系なのに、割と流暢に英語を話しています。
マレー系の人も多くて、浅黒くて面立ちも違う感じです。
この人たちも、英語を話していました。

それに、中国語を話す人を至る所で見かけました。
ただ、北京語の雰囲気がしない。
あまりに、この近辺を見知っているような感じがしました。
おそらく、隣国からの越境者であろうと思いました。

話によれば、マレーシアは国教がイスラムです。
酒も飲めず女遊びもできない、まさに不自由な土地らしい。
遊びたければ、旅の恥は掻き捨てらしく、こちらまで散財しに来ると聞きました。

そんな感じもあって、マレーシアからたくさん遊びに来ているのでしょう。
意外に、マレーシアはつまらない国なのかもしれません。

それで、ウイキペディアで読んだことを思い出しました、
マレーシアでは、マレー人・インド人・華僑系中国人の住む地域が分かれているんだそうです。
つまり、人種が融合せずに、対立しています。

この国は、元はイギリスの植民地です。
マレー半島全体の統一国家はありませんでした。
ただ、マレー人が先住していたのは事実です。

イギリスは、この植民地経営に多くの労働者を必要としました。
その際、多くのインド人・華僑系中国人を、労働者として連れて来ています。
自分たちに従順で、ある程度能力のある人材として選んだのでしょう。
しかも、マレー人を支配する上で、この人たちが間接的な搾取の役割を担いました。

白人の植民地経営というのは、実に無慈悲で合理的にできています。
有色人種たちの間で、支配層・非支配層を作り上げ、上手にコントロールしたのです。
お互いに、交流も無くいがみ合えば、上層部の白人は管理が楽になる分けです。

結局、マレーシアと言う国は、見かけとして独立は一応果たしました。
しかしながら、その国家観は、単なる人工的で合成的にしか過ぎない。
そして、そのことを、このハジャイに来たマレーシア人の使う雑多な言葉から、強く印象付けられました。

そして、思いました。
タイは、統一国家として歴史のあることを、誇りにすべきでしょう。
国王を頂点とする君主国家なのです。
民族・言語を踏まえ、既に国家観が醸成されております。

そう言えば、タイの華僑の人々を思い出しました。

二代目、三代目と世代交代するうちに中国語をしゃべらなくなります。
タイ語が母国語になるのです。
そして、必要であればかつての祖国語を第二外国語として習います。
これは、その土地に土着して国家に根付くことに、なんら抵抗を示していないのです。

つまり、タイは、その土地で暮らす上で、魅力のある国家と言うことなのでしょう。

と言うわけで、隣国の人々は、そこで暮らすのに、たまたま国家があったぐらいなんだろうと思いました。
ハジャイに来るために、パスポートを発行してくれる単なる為政者なのかもしれません。
そして、そんな国家に生まれなくて、日本に生まれてよかったと思う道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

おまけ:
この記事は、先週の金曜日に書き上げておいたものです。

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