2010年9月13日月曜日

意外に円/アセアン通貨はまだ安定していたの巻き

最近、日本円がかなり強いです。
一ドル83円台になってしまいました。
こうなると、為替の動向を気にせずにはいられません。

自分の働いている会社でも、輸出取引はドルの建値です。
代金を支払ってもらったら、当面はドル預金の口座に寝かします。
もっとも、ドル建てで購入している部材もあります。
それには、このドル口座から代金を支払ってしまいます。
ただ、ドル預金だけ入超して増えても、困りものです。

ですので、タイバーツの為替レートが良ければ現地通貨に換えます。
現地通貨に換えて、預金口座のバランスを取ることになります。

国内販売でしたら、現地通貨のやり取りだけです。
為替差損や差益の発生する必要も無く、楽です。
でも、当社にとって、輸入部材が四割以上も占めると厄介です。

多くの部材は、ドル建てと円建てで支払っています。
円建ての比率も高くて、こうも円高では費用がかさみます。
時には、支払い時期の為替予約をして、節約したりもします。

まあ、手を変え品を変え、支払いや資金繰りには注意をしている分けです。

それで、ドルやユーロの最近の急落は、秋の日のつるべ落としみたいですね。
非常に印象深いものがあります。
さして実体経済も芳しく無いのに、金融商品の博打だけで浮上していた感もします。
打ち出の小槌みたいに、じゃかすかお金を創造してきたしっぺ返しなのかもしれません。

とにかく、限界点に達したと言うことでしょう。

それで、アセアン各国の通貨は円に対してどうでしょうか。
ちょっと気になりました。
それで、為替の動きを2008年から時系列でグラフにしてみました。






それで、分かったんですが、多少の変動はありますが、まだ安定しておりました。
むしろ、円に対するドル、ユーロの下落が激しすぎます。
そんなに日本の金融と言うか、経済のファンダメンタルは未だましなのでしょうか。

と言うわけで、円高の進行は絶対に行き過ぎだと思うのです。
これが原因で、日本経済がかく乱されしまわないか、心配になった道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

おまけ:
中国元は、極端なドルペッグ通貨だと言うのも分かります。

2 件のコメント:

Art_Blue_Liberalism さんのコメント...

ユーロの下落はシステム的なものもあります。 

もともと、共通通貨を導入する上で共通の財政も必要なのですが、一回、不安定を引き起こした国は、金利調節することができず、結局、国債発行の調節という形しかとれません。 

しかし、今回のようなギリシアの事態では、国債をいくら発行しても収まりませんでした。 それは、本来、国債発行とインフレを同時に行わないと、その『借りたときの額』を落とせなくなるのです。 ギリシアはもともとシグノレッジ効果(インフレ税による徴収と『借りたときの国債の実質価値』を落とすこと)がメインの経済政策を保っていました。 しかし、共通通貨に加盟(ECBはフランクフルト)したために、この政策は使用できません。 だから、『借りた時の国債の価値』が永続的に続くのです。 

残った手段としては、ドイツのような比較的裕福の国の税金をギリシアのような国に献上してサイクルを調和させるしかありません。

ですが、これではドイツも経済的ダメージを被ります。 この背景も、輸出主体のドイツ経済を支え、ユーロゾーン圏内の国債の『過去に借りた額の実質価値』を下げるなどのために、通貨供給量を増やしています。 

おそらく、あと2,3年はかかるでしょうが、大陸欧州は割に回復するかもしれません。 

問題は、英国ですな・・・。 この国、今住んでいますが、マジでヤバいことになっています! やはめに英国スターリング通貨を売っておいた人は勝ち組です! 

アジアはなんだかんだいって、欧米から学んだ知識と現地人の勤勉さが同調して、最近は発展をなしとげているのでしょう。 

そして、冷戦が終わりグローバライゼーションを迎えたことで資本が流入しやすくなったのも要因でしょう。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

Oblige347さんへ、

ご説明いただいて、ありがとうございます。

シグノレッジ効果って言葉に興味を覚えたので、ググって見たら、恩義さんは結構いろいろな場所でコメントされておられるようですね。

国債を発行しながら、インフレを発生させて、国債の償還に当たっては、そのインフレで価値を目減りさせて償却しやすくさせる作戦は、なかなか上手い手口だと思いました。

でも、EUの共同通貨だと、各国の経済状況が余りに違いすぎるんで、ギリシャも苦労しているのでしょう。

ところで、日本はハイパーインフレになるのでしょうか、となれば、このままタイに残っていた方が良いのかなー。そんな風に思っています。