2010年9月6日月曜日

内定を取り消すために社是を使うようでは、世も末の巻き

※画面をクリックしてお聞きください。

こう言う落ち着いた大沢たかおさんの声は、魅力的です。
ナレーションを通して、とある企業の会社方針を聞いてみました。

三つの誓いの最初なんですが、素直にうなづけてしまいます。
こう言うのって、新入社員研修で唱和させられるのかもしれません。
でも、集団になって大声を張り上げるのは蛮行でしょう。

言葉の意味に、本当の力があれば音読は普通でよいのです。
大沢さんのような、落ち着いた朗読が素敵に聞こえます。

しかし、ネスカフェさんのホームページは粋ですね。
ゴールドブレンドのCMでおなじみのナレーションが楽しめます。
しかも、四百字までの原稿を朗読してもらえるのです。

※ホームページはこちらから。

ですので、私もこうして入力再生してみました。
ところで、皆さんはこの企業をご存知でしょうか。
回転寿司の会社とだけ、お答えしておきましょう。

でも、この会社の誓いが就職の内定を辞退させるために使われました。
それは、新入社員研修の最中に、起きたのだと言います。
決められた時間内に、三つの誓いを暗誦する課題でした。

入社式直前の、学生気分を抜くための目的だそうです。
とは言え、テレビで紹介された通り、プロのアナウンサーでもギリギリでした。
異常な早口言葉にならざるを得ないのです。

これって、初めから悪意がありますよね。
しかも、研修の案内状の趣旨がふるっていました。

35秒以内で暗唱出来ていない場合は帰宅してもらいます。
(略)
合宿中の課題を合格出来ない場合は、入社する意思がないものと判断し帰宅してもらいます。

結局、暗誦もできない人が続出します。
人事担当者からは「現場で働けない」と罵倒される始末です。
最終的に、内定合格者は、内定辞退届を書くよう求められました。
そし、訴訟を起こされないよう、損害賠償は一切しないという言質を書かされたと証言しています。

と言うわけで、 こう言う会社方針の使い方もあると言う悪例を紹介させていただきました。
でも、この会社はブラック企業でも何物でも無いですよね。
敢えて名前は言いませんが、それほど上場企業の環境がさもしくなっているのかと、嘆く道産子社長なのでした。
(この巻き、終り)

2 件のコメント:

Art_Blue_Liberalism さんのコメント...

日本のブラック企業ほど、精神論や根性物語を多岐に渡って使用しますね。 やっぱ、最近は不況で、どこも合理的な処方をもってしてでも業績が伸びない故に、もう藁をも縋る神頼みに走るのでしょう・・・。

ですが、だからといって日本が地獄で海外が天国ともいえませんね。 

日本の企業倫理は、所属する会社さえ間違わなければ悪いものではないと思います。

実際に日本を悪くしている要因は、政府と教育機関にあるのでしょう。 

外国にいて解るのですが、日系企業は本当に現地で定評があります。 ここスUKでも、日系企業で働いていた元労働者の方々は、口を揃えて日系企業で働くメリットを語っています。

ですが、このエントリーで紹介されている企業は酷いですねぇ・・・。 この21世紀になってもこういうメンタリティをもった企業が存在することすら驚きです。 日本も最近は個人主義的になってきましたので、あまりそういう手洗な新卒扱いしていると、みなさん逃げてしまうでしょうね。 こげんな会社で働くよりも、パートしながら資格取得やスキルアップに励む方が人生においてメリットがあるでしょうし。 

ぐりぐりももんが さんのコメント...

Oblige347さんへ、

この記事を最初に書き始めたとき、会社を実名で上げ、業績を少し紹介する流れにしていました。

ただ、ちょっとした操作ミスで原稿を消去してしまい、書き直し始めてから、考えが変わり始めました。

この企業には、社是とか会社の方針が使われる目的の意識に、大きな欠落が無いだろうか。もし、あったとしたら、それは企業風土の問題として取り上げるべきだろう。

それは、会社の実名を挙げて告発する以前に、日本企業の闇みたいな文化が潜んでいるのではないだろうか。

例えば、富士山地獄の特訓13日間とか、未だに需要があるみたいです。
訓練を終了された参加者には、信奉されておられる人もおりますが、飲食店業界の雄、ワタミの渡辺社長などは、このように評したととある人のブログから読みました。

「教育には2つの軸がある。思いを伝える理念研修と実力を身につけるスキル研修である。そのため、地獄の特訓のようなものを受けても3日後には受けたものを忘れてしまうだろう。これは教育の意味を間違っている」と。

私も、そのように思いました。そして、大沢たかおさんの染み入るナレーションを聞くに付け、国内の企業に対してさびしさ・わびしさは隠せませんでした。

その点、海外の日系企業は、進出した先の労働法規・環境を重視し尊重して、地元の労働者達に職場環境を提供しています。

ずいぶんと、内外では違いがあるものだと感じております。