2011年11月2日水曜日

スクンビットが沈まない事情を考えたの巻き


洪水の被災地が拡大してバンコクまで及んできました。
道産子社長の住む地域まで洪水が来るのか、来ないのか。
ちょっと、緊張しながら毎日を送っているのですが、疲れてきました。

だって、いつまで待っても来ないからです。
その内、恐れをなして駐在員家族がなだれを打ったように逃げ出しました。
一時帰国なのか、パタヤのような安全な観光地まで逃げ込んだのでしょう。

とにかく、このスクンビット地区は、本当に静かになりました。
表通りも渋滞が緩和されて、車の交通量が減っています。
いやはや、洪水の来る来る詐欺で、街は閑散としてしまいました。

ですが、この地区で商売をしている人は大変です。
売上げが落ち込んだとしても、家賃とか経費だけは出て行くのです。
その内、耐え切れ無くなって店をたたむ人も出るんじゃないのか。

これって、政府がちゃんとした洪水をコントロールできていないせいです。
インラック首相は、毎回、安全だと力説しながら、洪水は拡大しました。
言えば言うほど、国民を嘘を吐いて裏切って来たことになります。

つまり、政府の発表する情報は、すでに信用できなくりました。
だから、恐慌に駆られた人々が、日本人も含めてみんな逃げ出したのです。
でも、ここまで洪水が来ないのなら、このスクンビットは大丈夫なのではないでしょうか。

実は、この地区の北側には、センセーブ運河が通っています。
名前の通りに、水上ボートも走っていて、渋滞知らずで至便です。
つまり、公共の輸送をになうバンコクの動脈な分けです。

もし、この交通が停まったら、地元の人は不便きまわりないのではないか。
そんな風に考えると、この運河は溢れさせられない感じもする。
もし、氾濫させたとしても、最後の最後になるのではないか。

そんな風な思いつきで邪推ですが、”センセーブ運河がなかなか氾濫しない理由”をまとめてみました。

その1:
それは、ソイ39の北端、この運河沿いにイタルタイの本社があることです。
公共工事では、政府とずぶずぶの大手ゼネコン企業ですよ。
まあ、何かと政府も守ってあげて、関係を途切れないようにさせないといけない。
そうでもなければ、袖の下も減ってしまうことでしょう。
ちなみに、水上ボート船着場なんですが、名称が”イタルタイ”でそのまんまでした。

その2:
政府は、経済政策として医療ビジネスを推進しています。
このため、海外から治療を目的とした多くの患者さんが、タイを訪れるのです。
アラブ系の人なら、バンコク病院。
邦人なら、サミティベート病院。
バムルンガッ病院は、とにかく海外の富裕層。
これってみんな所在がスクンビット周辺なのです。
サトーンのBHN病院も有名ですけど、隣りの地区に位置しています。
つまり、アセアンの医療ハブを目指すタイは、この地区が最重要なのです。

その3:
この運河は、バンコクの中心を東西に流れています。
それで、スクンビト地区を後にすると、西はラチャダムリ地区に沿います。
そこは、サイアムと言って巨大商業地区なのです。
昨年の五月、あの赤シャツの焼き討ちに合って長く閉鎖された、一大ショッピングモール街を覚えておいででしょう。
そんなところ、わずか一年後に冠水させたら、国家の大恥になる。
インラックは客家の子、中国人ですから、メンチー(面子)が先ず大事です。
しかし、因果応報なのでしょうか。
時の反政府組織”赤シャツ”が燃やしておきながら、政権与党となった”赤シャツ”が、今度は守ると言う皮肉です。

(この巻き、終わり)

2 件のコメント:

とよこ さんのコメント...

インラック首相に対して「泣いていますか」と現地のマスゴミさん?が質問し、「泣いていません」という答えておられるところを、日本のニュース番組内でテロップ付きで流していたのを見かけました。

その前後が分からないので何とも言えませんが、そんな質問するの?!と驚きました。でもインラック首相の表情は、確かに今にも泣き出しそうな感じでした。

なんか、日本の某ミンス党と似ているなあ、と思えた一面でした。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

とよこさんへ、

コメントをありがとうございます。
インラック首相は、43歳。
政権内の閣僚幹部は、それより年上の爺さんばっかりです。
結局、相手にされず、命令しても空転するばかりなんだそうです。
タイと言う国は、仏教の国で稲作=農耕ムラ社会ですので、目上の人を尊びます。
結果、インラクさんは何もできず、ますます混乱をもたらすだけだろうと思いました。
では、なぜ前政権アピッシト首相は、50歳以下で若かったのに内閣を統制できたのでしょうか。それは、オックスフォード主席と言う誰しもが認める優秀差にあったと思います。
比べれば、インラクさんは米三流大学ですから、金で学位を買ったとしか思われていないんじゃないでしょうか。