2011年11月15日火曜日

ワンちゃんも助けてしまう”へっぽこ社”なのであったの巻き


このワンちゃん、すごく大人しかったです。
吠えることも無く、中年のご夫婦と一緒に乗っておりました。
ただ、4トン車の荷台には、容赦なく陽の光りが注ぎ込みます。

舌を出しながら、ハーハーとせわしなく息を切っておりました。
実は、ワンちゃんには、汗を流す汗腺が皮膚に無いんだそうです。
このため、体温を下げる時は、この舌が役に立ちます。

つまり、湿った舌から水分を蒸発させて熱を逃がして、体温を下げるらしい。
以前、動物学者の本を読むとそう書いてありました。
ですから、暑くてやりきれない時の習性には違いありません。


このトラックなんですが、もちろん、当社の貨物運搬用です。
仮設事務所に避難しておりまして、用があると工場に戻ります。
まあ、非常時ですから、頼まれれば住民には乗ってもらうのです。

荷台でよければと言う条件つきですが、来る人拒まずです。
なにせ、従業員も近隣に住んでいて、顔なじみの人も多いのです。
そんな時に、乗せてあげるのは人情と言ううもんでしょう。

ですから、気前良く乗り降りさせているので、何時も時間がかかります。
しかも、冠水した道路に波も立てずに、のろのろ運転をしなくてはなりません。
まあ、通い合う小船には、大きな波は転覆するかも知れませんので。


というわけで、そこまで配慮をしながら、我が社のトラックは悠悠と行軍するのでありました。たった10キロの道のりを、毎回、一時間もかけて工場へ到達しますから、荷台の道産子社長は、真っ赤に日焼けしてしまいました。それよりも、早く水が引いて地元の皆さんに普段どおりの生活が戻ってくるようにと、祈らずにはいられない道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

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