2009年7月31日金曜日

すまんな、ボーナス少なくての巻き

結局、要求額を支給しなかったのである。

これまでは、通年でかなりの額を支給して来た。今年は、会社の方針を変更したから、年一回から二回に改めたのである。それで、初めて夏の支給になった分けだ。つまり、半年で換算し直して、その分相当のボーナスになるのが目論見だった。

それが、出来なかったのである。

思った以上に利益が伸びなかった。売上だけだったら、前年とほぼ横ばいで来ていたから、まあ御の字だ。実際に、下期になれば景気が回復してくれて挽回できる筈だと皮算用していたのである。それ迄は、じっと我慢の経営だなと感じていた。

ただ、利益が実際に伸び悩んでしまったのである。

二割の落ち込みは厳しい。ボーナスは、純益にある一定の配分率を掛けて支給する業績給だから、出せないものは出せなくなってしまったのである。

経理部長からは、理由をちゃんと管理職クラスに説明して欲しいと要求されてしまった。うーん、下期に向けて業績を好転させるには、従業員にもう一踏ん張りしてもらわんといかんのである。発奮させるにはどんな風に説明すべきなのか、、貧乏社長にとって至難の業になってしまった。

そのため、必死に英文で原稿を仕上げて、彼らの前で演説をぶってみた。こんな時、タイ人は神妙に聞いてくれる。その場でとかく批判をすることも無い。だから、あっと言う間に終わってしまって拍子抜けしてしまった。まあ、めでたしと言うことで、この演説原稿を、巻末の”おまけ”で原文・翻訳付きで載せて見たので、ご批評あらばコメントをお願いしたい。

こうして、月末のこの日に、夏のボーナスは従業員の銀行口座に、無事、振り込まれたのである。

しかし、他の企業はどれだけ賞与を支給しているのだろう。ちょっと、興味も湧いて来る。ここバンコクでは、日本人商工会議所が組織されていて、毎年、賃金労務の実態を調査している。日系企業が約千二百社ほど加盟しているんだが、集計結果は信頼性もある。

手にした資料をざっと眺めて見た。昨年度の支給月数は製造業の平均で2.8ヶ月だから、当社はかなり待遇が良いのが分かってしまう。今年はそんなに出せなくても、世間相場並みだと言ってしまえば理屈は通るだろう、ホッとした。ただ、回答企業で1.5ヶ月未満の会社も二十社近くあるし、金融機関の中には、景気後退の中でも驚きの7ヵ月以上も出している。多分、日系企業の収益体質に違いがハッキリしていて、その差を反映しているのだろう。

と言うわけで、今月はボーナスもちゃんと支給できたし、経営者らしく一丁前の仕事をこなしたなと振り返る貧乏社長なのでありました。(この巻き)

おまけ:(ぶった演説原稿)
Good morning, everybody,

First of all, I as the president, strongly appreciate everybody's contribution to our better management up to now.
Herewith, the management side notifies you of Summer Bonus decision.

Summer Bonus Payment : *.* months based on Monthly salary
Payroll date : July 31st (Friday)

Until the last year, we have been adopting the payment style once a year.
In this regard, from this year we switch the style to twice a year being comprised of First half : Jan. to Jun. & Second half : July to Dec.
As this payroll formula was already approved through Board of Directors meeting, it can be implemented through the warm-up period.

As you know, Bonus payroll is based on the business performance and the payroll amount is alloted in a proportion to Net Profit in the relevant accounting terms. Therefore, if Net Profit is smaller in comparison with the last year achievement, it is
sure that we can only receive the smaller amount.

Moreover, even if we can achieve the same Net Profit from the last year, if the working force is increased, the per capita Bonus amount will become lower.
Of course, the management side has been also always using the same calculation formula for the fair judgment.

Actually, in this first half year we can not be satisfied with our performance because of about ?? percent short of target profit.

From now, we shall study the cause & effect and practically use the countermeasures in the last half year. If we can do so, the management believes that you can get much more profit and bonus to feed back to you.

Thank you so much for your listening my long speech.

(翻 訳)
皆さん、おはようございます。

先ず初めに、社長として、皆さんがこれまでにより良い経営のために、誰しもが貢献して来たことに感謝申し上げます。
ここにおいて、経営サイドとして、夏の賞与を決定しましたので通知いたします。

夏期賞与支給:月給をベースに*.*ヶ月分
支給日:7月31日(金曜日)

昨年まで、当社は年一回の至急方式を採用して来ました。
今年からは、年二回至急の方式に切り替えます。それは、前期として一月から六月分、後期として七月から十二月になります。
この支払い方法は、取締役会を通して既に承認されておりましたの、準備期間を経て実行されるものです。

ご存知の通り、賞与の支給は業績を踏まえておりますし、該当する会計期間の純益に比例した割合で配分されます。ですから、純益が昨年の業績に比例して少なければ、受け取る額が少なくなるのは確実です。もっと言うのなら、昨年と同じ純益を達成しても、従業員が増えているのなら、一人当たりのボーナスは低くなるでしょう。
もちろん、経営サイドは、公正な判断のために常に同じ算定方式を利用してきました。

実際に、上半期は満足の行く実績では無く、目標利益の約?パーセントが足りませんでした。今から、当社は原因を究明して、下期には対策を実際に利用しなければなりません。もし、これができるのであれば、当社はいっそうの利益を手に入れ、皆さんに賞与を還元することができるのです。

この長い説明を聞いていただきありがとうございます。

2 件のコメント:

toyoko さんのコメント...

月給は営業成績によって毎月変動するのですか?
基本給×○か月分+業績配分、と言う形ではないのですね。
手当なども含まれた金額の○か月分に当たるのでしょうか。その手当の中に、業績を反映するものがあるのでしょうか?

ついつい賞与計算の仕方が気になるコン猿でした(^^)

TATSUNO ENGINEERING & SERVICE さんのコメント...

とよこさんへ、
月給は定額で決まっておりますし、ある程度の年功給にもなっています。ボーナスだけが、業績配分を行います。こちらの地元企業では、一定期間の純益の一割+αを従業員に配分するのが一般的でして、当社もこれに倣っております。なぜなら、株主に地元企業のオーナーがいまして、そちらとの比較もある関係から、あまり逸脱しない範囲でやっているのです。
こちらでは、日本のような第二基本給とか、手当てとか難しいことは考えんのですよ。毎月の等級別給料に、必要に応じて管理職手当てを加えたら、それが月給なのです。シンプルにできています。