2009年7月7日火曜日

お坊さんキットでお寺へゴーの巻き

今年は雨季の入りが事の外、早かったようだ。

五月の初めから、激しいスコールが降り出していたから、地元の人も普通の年とは少し違うと言う。例年なら、本格的な雨季の始まりは、六月を過ぎてからだろう。そして、本当の季節になったと感ずる頃に、ワンカオパンサー (入安居)が巡ってくる。この日は、旧暦八月の満月を過ぎた、翌日の十六夜(いざよい)に当たるんだが、毎年の日取りは暦の特性で変化する。

昨年は七月十八日だったが、今年は七月八日がそれに当たった。なれば、何時かは七夕の日にぶち当たるのかもしれない。それも面白いと感じる。

この日から、お寺のお坊さん達は、オークパンサー(出安居)の日までの約三ヶ月間、修行に専念するため、寺にお籠もりをする。恵みの雨季は、稲作を初めとして様々な作物が育つ時期でもある。もし、お坊さんがお百姓さんの大切に植えた作物を誤って踏みつけてしまっては、生きとし生けるものの殺生を禁ずる教えに背くことになる。だから、外出せずに寺に篭ったのが始まりなんだそうだ。

そして、現代でも、この習慣は続いている。貧乏社長は、カルフールのショッピングセンターで思わぬものを見つけてしまった。



お題の通り、お寺へ修行に入る際に必要なアイテムが詰め合わせになって売られている。カタログには、生活道具・托鉢用品とか、お世話になるお寺へ納める品々などが満載だ。それと、この時期に寄進される彫刻を施した高価な”ろうそく”も売られている。これは便利なのである。一つ一つ選ぶ手間が省けるのだ。もっとも、時間を掛けずに済ませてしまうのが安直過ぎて、仏の教えのありがたみにつながらない。最近では、三ヶ月間では長くて仕事や学業の差し障りになるから、一月とか、ひどい時には一週間の短期促成で済ませてしまう人も増えて来た。

(バンコクポスト:7月8日付、追加)

とは言っても、仏教の教えはタイの生活に深く息づいている。商売とはいえ、こんなお坊さんキットが、頭をそって厳粛な心持で修行に入る青年達を想像させてくれて、清清しく感じた貧乏社長なのでありました。(この巻き、おわり)

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