2009年7月25日土曜日

巻いて巻いてモグモグよ~んの巻き

要するに、手巻きで楽しむ春巻き風お菓子なのであった。


これまでも、アユタヤから仕事の帰り道に、点々と立ち並ぶ道端の露天商を車中から見かけて来た。ただ、何を売っているのかは見当も付かなかったのだが、物は試しと買ってみようと思い立った。

運転手さんはいい迷惑だったろう。

”ティーニー、ジョッロッ、スーコン、スーコン”と滅茶苦茶なタイ語をほざいて、無理やり車を止めさせたからである。言いたかったことは、”ここで車を止めてくれ、買い物、買い物”と言う意味なのだ。それでも、運転手さんはおいらの赤ちゃん語レベルを理解したらしく、無理なく露店の真ん前で車を止めてくれる。

ドアを開けて、吹き抜け掘っ建て小屋風の露店を覗き込んでみた。多分、三十過ぎと思われる女性の視線がおいらを探っている。何か、お菓子みたいなのを売っているようだ。これは、時折、近所でも見かけている。

”アンニイー、タオライ (これ、いくらなの)”
”サムシップ????バーツ (三十?バーツだよ)”
”ホック、タオライ (六つでいくら)”、
”サムロイ (二百だよ)”、
”ヌンロイハーシップ、ダイマイ (百五十じゃ駄目かい)”
”メダーイ (駄目だよ)”、
”ロコッ、ジェプッ、ソムロイイーシップ、ナッ (それじゃ、七つで二百二十ねっ)”

良く通じたなと思う。女性は、うなづいたのかどうかは分からなかったのだが、早速、一つ一つを小さなプラスチックの手提げ袋に詰め始める。こっちも、一つ、二つと、三つと数えて七つあるのを確かめた。こちらの買い物の趣旨は分かってもらえたようだ。


買ったは良いが名前も分からぬまま、事務所まで戻ってきた。買ってきたお菓子らしいものを事務所の女性に配ってみる。”コップン、カー”とかお礼を言ってくれるので、ついでに訊ねてみた。

”アンニー、チューアライ (これ、なんて言うの)”
”カノン、ロッティー・サイマーイ (サイマーイの春巻きお菓子よ)”

後で、食べ方もお茶の時間に実演で教わった。最初に書いたように、繊維状のカラフルな具を春巻きのようなクレープに巻き込んで食べるものらしい。早速、忘れないように名前だけは手帳に書き込む。

それで、帰宅してからその顛末について、一くさり講釈を上さんへたれてみた。好奇心の強い上さんは上さんで、話をそっちのけで手巻きに作り出してほお張り始めている。

本当だ。

お菓子の生春巻きなのである。春巻きは、ほのかに甘みがあるだけで、具の方が圧倒的に甘さが濃い。シュロ皮をほぐした繊維がお菓子に化けたみたいで、口の中に含むとすっと溶けてしつこくない甘みが残る。多分、綿菓子と似たなものだろう。

後でネットで色々調べてみたら、結構ブログで紹介してあるのも分かって来た。アユタヤ近辺では、有名なお土産として売られているから、従業員も喜んでくれたのだと思う。

そんなかんだで、お菓子一つを買ってみるのも結構な経験になった、貧乏社長なのでありました。(この巻き、終り)

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