2009年7月5日日曜日

豚インフルで勝っても直線距離では多分負けたの巻き

いやー、ここタイではインフルエンザの流行の勢いが止まらない。

7月3日現在では、日本でも国内感染者が千五百人を越えたが、こちらはそれを上回って勝どきさながらに千七百人以上の報告が出された。死亡者も6人と徐々に増えつつある。週末になってお休みだからと言って、サイアムとかMBKのような繁華街へショッピングにでかけるのも気後れしそうだ。でかけて不特定多数の人と接触していれば、知らずにウイルス保菌者に遭遇しているかもしれない。感染し易くなる危険行為はできるだけ避けたい。ならば、日本大使館から出された、不要不急の外出は避けると言うお触れに従うのが無難ではあろう。

実際、来週の7日火曜日はアサラハ・ブーチャ(三宝節)と言って祝日だから、土、日、火と飛び石連休になる。そこで、4日土曜日が創立記念日だし会社創立20周年でもあるので、6日を臨時休業日に当てて四連休を従業員に大奮発してみせた。ところが、このインフルエンザである。外出はまかりならんと言われれば、家でじっとするしかない、と言う分けで、貧乏社長は、今日も、シコシコ、記事を書き上げているのである。

それで、豚インフルの広まりではタイが遺憾ながら優勢にあると確定した。
ならば、お題の"直線距離では多分負けた"と言う意味とは、何ぞや?

道路の事なのである。
直前の記事で、タイは道路の国だと断じて見せた。山間地も少なくてだだっ広い平野部が比較的多い国だから、都市と都市を直結するような道路網が縦横に発達できるだろう。しかも、ベトナム戦争の間接的な軍事支援が目的で、アメリカから友好ハイウェーなる高規格の道路まで作ってもらっている。

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そんな国では、まっすぐな道が多いのが当然だ。実際に、東北部(イーサン)の国道二号線を走ってこの目で確かめてみたが、五分や十分間はカーブに出くわすことも無い。ひたすら、四車線の立派な道が直線の定規のように続く。これなら、直線道路を比べてみてもタイが優勢であると想像に難くない。

一方、島国の日本は、平野部より山間地域が圧倒的に多い。しかも、日本アルプスみたいな急峻な山岳地帯もあるから、まっすぐな道路なんか作れないだろう。谷あいを上手に縫いながら、それが駄目ならトンネルを掘って道を設ける。これが日本の道の原風景と言う気がする。高速道路だって、直線路では単調すぎてドライバーの居眠りを誘わないように、交通事故を防ぐ配慮からわざとカーブが付けられている始末だ。

しかしだ、北海道は違う。

日本一の直線距離を誇る国道が存在するのだ。主要道路の多くは、百五十年前に始まった北海道開拓に併せて切り開かれた。未開の原野や原生林を開削し、後追いで途中途中に町並みが発展整備された。だから直線の道路ができやすかったという事実は存在する。そして、その中でも国道12号線の一部が、日本で一番長い直線区間になっているらしい。

何とその距離、29.2キロ


これは、タイでも匹敵する区間がないのではないだろうか?

貧乏社長も目を皿のようにして、タイ国内の道路地図帳から競い合えそうな区間を探し出そうとした。ところが、微妙にところどころでわずかな曲がりのある場合が多く、これぞと思える区間は見つけられなかった。二十キロくらいならありそうだが、それ以上はちょっと厳しいのである。

この国道12号線は、道都の札幌市中心部から道内第二の都市である旭川市までを南北に結ぶ幹線道路だ。その途中、美唄市光珠内(びばいしこうしゅない)のJR函館本線を越える陸橋から、滝川市市街地の空知川を越えた国道 38号線との交差点にいたる区間が、最長に当たっている。

明治の開拓初期、開拓拠点の旭川を結ぶ道路が必要になった。当時、行こうとすれば、唯一、船で石狩川を遡るしかない。そこで、その地の開拓を早く進めたいと考えた北海道庁は、道路のインフラ整備に乗り出す。しかも、そのお達しが物凄くて、「可成(なるべく)直線路に為すを主とし」と書かれていたんだそうだ。はじめから、何が何でも真っ直ぐな道で短期促成を目指そうとしたのが分かる。もちろん、原野に住んでいるのは極僅かな開拓民だけだから、立ち退き問題も起きるはずが無い。

いやー、北海道の父祖が築いた直線国道は、タイのだだっ広くて標高差も少ない緩やかな国土に敷かれた道々をも、フロンティアスピリットで凌いでしまったことになる。

だから、道産子は偉いのである。

そう自画自賛しながら、この投稿を無理やり締めくくろうとした貧乏社長なのでありました。 (この巻き、終わり)

おまけ:
この三宝節は、旧暦8月の満月の日で、悟りを開いた釈迦が初めての弟子5人に説法を行い、仏・法・僧の三宝が成立した日だそうです。タイの国と言い人と言い、かくも仏教の教えに帰依しているか判断できますね。

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