※グーグルストリートビューは凄いですねー。
四半世紀ぶりと言う言葉があります。
もし、人が人生でこの言葉を使うとしましょう。
おそらく、その人には相応の年齢が必要だと言うことです。
二十代の青年など、幼き頃を覚えていますまい。
物心がついて、分別も伴って来て、人は初めて人生を考え出すのです。
そんな時、色々な出会い、経験が生まれ、積み重ねるのでしょう。
そんな昔の一時期、出会った人や経験した事柄があったとします。
一期一会とも言いますよ。
それっきりでご無沙汰になってしまうかもしれない。
でも、ふと思い出したように、昔を邂逅する。
懐かしくなり、人を訪ね歩き、出会いを楽しんだりする。
それが、四半世紀ぶりになったとしたら、思いはなおさらです。
最近、なんとなく自分を振り返るようになりました。
年を取ったなーと感じつつも、否定はあえてしません。
相応に働いて、その給料でちゃんと生活できています。
それが、海外で働いていたとしても関係のないことです。
二十代の頃は、飲んで歩いていたのだ。
一時帰国をして、夜の繁華街をぶらついて、ふと思い出がよぎります。
そういえば、あの頃の、飲み屋のママはどうなったのだろう。
数年前のことでしょうか。
そのお店を思い出して、電話をかけたことがあります。
ママは、新橋で健在でした。
一人でお店を切り盛りしていたスナックです。
ママは、なかなかの美貌でした。
シャンソン歌手もしていたとかで、デュエットが上手です。
それで、月曜日の会議の打ち上げの後でした。
あの店、どうなったんだろうって、記憶がよみがえりました。
ほろ酔いの千鳥足で、思い出してしまったのです。
それで、何となく新橋に出てしまいます。
烏森口から、飲み屋の集まっている路地をぶらつくのです。
たしか、ここだったんだよなー。
ありましたよ、「みとっぽ」を見つけてしまいました。
飲み屋の集まった小さな雑居ビルは変わっていなかった。
階段をおりて、戸を開けます。
あー、変わらない。
二十五年前の空気がそのままでした。
でも、面影は同じでもママは年取ったなー。
お茶を引いていたらしく、新聞を読んでいました。
わたしが入って行くと、すばやく隠したのです。
商売は大丈夫かなー。
ママは覚えていてくれました。
話が弾みますが、ちょっと寂れた印象は隠せなかった。
お礼にボトル一本入れて、後は会社の後輩に託します。
と言うわけで、ママのご主人も六本木でお店をやっています。
道産子のマスターですから、店の名前がふるっています。
その名も「蘭しま」でして、出身の小樽に程近い海水浴場の名前になっていました。
その店は次回に改めて行くことにしましょう。
そんな四半世紀ぶりが板に付いて来た道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
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