2009年10月24日土曜日

怪電波は伝わる海の底の巻き

とかく人は、空想をめぐらせる生き物だと思うのだ。

陰謀論と言うことばをご存知だろうか。簡単に言ってしまえば、世界を操る秘密の結社やら組織やら団体が、現実社会とは異なる闇の世界に存在している。彼らは、自分たちの目的・使命を有利に進めるために、大規模な事故、事件、天変地異を好きなように起こしては世の中をかく乱しようとしている。つまり、あまねく人々に認められている事実や背景とはことなる次元で、何らかの陰謀や策謀が企てられ、人為的な不幸がもたらされていると言うものなのである。

なるほど、こんな集団なら自分も知っている。正義の味方、月光仮面の宿敵として立ち向かう“どくろ仮面”や“サタンの爪”とか、はたまた愛の戦士レインボーマンが懲らしめる”死ね死ね団”のことを指すのであろう。いや、海の向こうでは、ジェームスボンドが世界の犯罪組織”スペクター”を既に撲滅してきたではないか....


ちょっと待った。虚構と現実がごっちゃになっているではないか。だから、陰謀論なんか胡散臭いと思えてしまうのである。確かに、この手の想像を飛躍させて好き勝手に作り話をこさえるのは、冒険活劇とか密偵物語だけにしてもらいたいと思うのである。

いや、米国だってどれほど調略を施しているか分からんではないかと言う御仁もあろう。その政府は、長期的な世界の軍事・経済を支配する野望があって、自分たちに従わない国家があれば、天変地異を自在に発生させる気象兵器を使って災害をもたらすのだ。大きな損害を与え、国力を損なわせて、てなづけようとしているではないか。だから、あのHAARPは観測所と名乗っていても、しかしてその実態は地震兵器の起動拠点だったのだ....


あんまりの妄想は、ここまでにしておこう。

確かにHAARP(ハープ)については、そんな噂がネットでやかましいほど、ああでもないこうでも無いと素人議論が盛んだ。実際には、ウイキによるとアラスカ大学と空軍、海軍、DARPAの共同研究であり、大出力の高周波を電離層に照射して活性化させ、電離層の挙動や無線通信等への影響を調査することが目的であると、小難しく説明されている。

理論的には分からんのだが、何かの波動を計る研究には違いないのである。それで、この観測によるデータが、グラフ化されてネットで一般に公開されているんだが、このFluxgate Magnetometerが大きく振れると、間髪を入れずに世界のどこかで地震が起きるという実例が存在している。

だからと言って、その研究基地が地震兵器自体だというのは早計である。先ず、基地の場所は公開されているから、グーグルでも所在が特定できる。アラスカのこんな辺鄙な田舎に、よくぞ大掛かりな施設を作ったものだと思う。だが、陰謀論的な秘密兵器開発が目的ではないだろう。理由は簡単で、目的とする大出力の高周波を発信すれば、電波漬けの都会生活は混乱してしまうからだ。テレビもラジオも携帯も電波障害が大規模に発生して街中が支障を来たす。だから、こんな施設はど田舎にしか造れなかったのだと思う。


環太平洋火山帯という言葉を知っているだろうか。

これとは別に環太平洋地震帯とも称されているのだが、要するに、火山が多ければ地震も多いと言う意味である。しかも、その発生する地域が、太平洋を取り囲む諸国の上を帯上に連なっていると言うのがミソである。素人なので、地球物理学的には全くわからんのだが、このベルトはとにかく学界の定説なのである。

よーく、目を皿のようにして見てもらいたい。


実は、ハープの基地は、地震帯の中か限りなく近い地域に含まれているのが分かるだろう。となると、施設は高周波のを発信して受信する設備なのだから、何かしら地震の兆候となる電波を容易に受信し検出しているのではないだろうかと思うようになった。


つまり、電磁波でもよいし、高周波でも良いし、なにがしか予兆を知らせる怪電波が、海の底の太平洋プレート周辺の地震帯を伝わって、はるばるアラスカまで到達したと言うことではないだろうか。

と言うわけで、そんな科学的空想をした方が、はるかにハープの電波グラフ効能を見出すのに論理的だと思う貧乏社長なのでした。(この巻き、終り)

おまけ:ハープさま、当たーりー。(書き終わってから知りました。)
インドネシアでM7・0の地震
【シンガポール支局】AP通信によると、インドネシア東部のマルク諸島周辺で24日夜、マグニチュード(M)7・0の地震が発生した。ロイター通信は同日、津波警報が発令されたと伝えた。(産経新聞)

2 件のコメント:

楽仙堂 さんのコメント...

これがウワサのハーブでしたか。
しかし、何度読んでも眉唾です。これは資金欲しさの科学者のボッタクリにしかみえません。WWW

ぐりぐりももんが さんのコメント...

楽仙堂さんへ、
ハープが何故データを公開するのでしょうか?
地震兵器なら、好きな時に秘密裏に天災を起こすほうが軍事戦略的に価値があると思うのです。
だから、陰謀論は無理があると見ています。
しかし、ハープのグラフが何を意味するかは分からないのですが、大きく針が振れた後には、二日と待たずに、世界のどこかで大規模な地震が起きているのです。
どうして、そうなるのかを科学的に知りたいですね。ただ、それだけです。