2009年10月11日日曜日

理屈で説明しない馬鹿に知事職を与えてはならないの巻き

大阪府の橋下知事は、れっきとした弁護士資格を持っているそうだ。

超難関の司法試験を通ったのだから、人を理詰めで計算づくで説得する思考に優れていると、凡人は考えるだろう。そして、府職員の人身掌握も、理路整然と上手にこなしているはずだと、ごく当たり前に思うはずだ。しかし、今の彼にはそれが当てはまらないようだ。なぜ、そんなことを書いたかと言うと、知事が全職員に当てたメールからして、感情の思うがままにほとばしりで書いてしまったからだ。一部の職員から反感を買ってしまうのもなるほどと思うところがある。

ニュースを読むと、事の発端はこうだ。

つい最近、大阪府は、公金を注ぎ込んできた長期的な事業から撤退する説明を、府議会で行った。
二十年以上を掛けて、約380億円もの大金を投資して、竣工直前の「紀の川大堰」(和歌山市)事業から引き上げるのである。つまり、この取水事業に参加する目的が果たせず、ただ単に税金をどぶに捨てた格好となった。その際、橋下知事は、経緯について府幹部の説明する様子・態度に、謝罪の意思を感じ取れなかったらしい。

議会が終わった後でも、橋下知事はこの憤りが収まらない。全職員に対する意識改革を促そうとしたのだろう。知事は、「訓示」とも受け取れる一斉メールを通知した。しかし、文章を読む限り、書きなぐって出した以外の何物でも無い。

訓示は、時と場合によりけりである。

「昨日の議会答弁、水需要予測の失敗によって380億円の損失が生まれることに関して、恐ろしいぐらい皆さん冷静です。民間の普通の会社なら組織上げて真っ青ですよ!! 何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」などと、公金に対する意識の低さを愚直に指摘したのは正しい。だが、文章そのものが会話体になっていて、私的か公的なのか判断に苦しむ。訓示ならば、訓導であり人に教え諭す必要があるのだ。

まあ、メールの趣旨は、「撤退を府議会で説明する幹部職員に、結果的に税金のムダ遣いしたという意識が不足した。公僕として、府民の税金を預かって仕事をしていることを意識し、申し訳ないと伝えるべきだった。」と主張したかったのだろう。

いやはや、弁護士がこれぐらいの書き言葉で知事の公用をこなすのである。この一つをとって、大阪府はどうもあやしい、民度が低いなどと言われるかもしれない。ただ、知事が知事なら職員も職員で、このメールに保健所勤務の一女性職員が返信で激しく噛み付いたのは、掛け合い漫才以外の何物でも無い。

「このメール配信の意味が分かりません。愚痴はご自身のブログで行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」

無礼者と一刀両断した知事は、すかさずメールで、「私は上司です。この非常識を改めること。言い分があれば知事室に来るように。聞きましょう」と応酬した。こうなると、割れ鍋に綴じ蓋がお似合いだ。この女性も日本人らしくない。自分の仕事に直接係わり合いが無ければ、普通なら静観するだろう。となると、大阪だから感情の起伏が激しい異国籍なのだろうか。色々と想像が駆け巡ってしまった。

結局、大阪府は財政再建団体へ順調に歩んでいるのではないだろうか。

つまり、倒産寸前の会社が、大金の380億円をどのように回収するのかを、知事は具体的な数字を以って説明すべきだったのである。平均年収783万円の大阪府職員9万人から、一年間給与を5.4%カットするだけでよいのだ。

民間企業の従業員なら、失業するよりマシと思って経営陣の提案に同意せざるを得ないだろう。橋下知事も、税収はこれ以上伸びないし、穴埋めをするには、そうせざるを得なくなると職員をビビらせてみればよかったのである。失業も無いのだし、民間企業よりはるかに高い録を食む公務員なのだから、泥棒呼ばわりされたくなかったから給与を返上してもらうのは自明だ。税金を払って来た大阪府民にとって、至極当たり前の結論であろう。

と言うわけで、大阪の人には申し訳ないのですが、余りに次元の低いやり取りではないかと思う貧乏社長なのでした。(この巻き、終り)

<おまけ>
ネットでは、この保健所職員が書いたとされるメールが曝されております。もし、本物なら日本語がかなり怪しいですし、このぐらいの文章力しかないのであれば、職責を果たせないと思うのです。民間なら、辞めてもらっていますね。

<この記事の参考URL>
http://www.j-cast.com/tv/2009/10/09051337.html
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000621-yom-soci
http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/gossip/topics/news/20091009-OHO1T00119.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000621-yom-soci
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=u3wsZhl3N1s
http://d.hatena.ne.jp/manzizm/20091009/1255159485
http://mainichi.jp/kansai/news/20091008k0000e040071000c.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4078014.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa864814.html
http://www.pref.osaka.jp/kikakukosei/jinjigyosei/syokuinsu.html
http://www.777money.com/torivia/torivia4_2.htm

2 件のコメント:

toyoko さんのコメント...

こんな知事の下に暮らす府民の1人として、情けなく感じています。
大阪は特に民度が低く、行政嫌いな割には行政にすっかり依存しており、打ち上げ花火のようにとりあえずでっかいことを言うハシゲ知事のような方が大好きです。
彼は弁護士や知事しているよりも、タレントしている方が似合っているし、給料も高いと思えますが・・・。

いずれにせよ、今回の事件は大阪人の恥だと、私は大阪人の1人として思っています。情けないです(--)

ぐりぐりももんが さんのコメント...

とよこさんへ、
橋下知事のやろうとする気持ちに、良い点はあると思いますが、ただ、メールの書き方と送り方はいただけないなー。
直接送る代わりに、秘書に送らせてクッションをかませた方がよかったのかもしれないですね。直接だから、問題が起きた時は、マスコミのもてあそびネタになるだけではないでしょうか?
やっぱり、出たがりなんでしょうか。そう、思いました。