最近、工場を訪問されるミャンマーのお客さんが増えて来ています。
五月の間は、誰かが、毎日、入れ替わり訪問して下さる感じでした。
エンドユーザーだったり、仲介の商社だったり、問い合わせ経路は千差万別です。
しかも、二股三股の引き合いをするお客さんもいますので、注意が必要になってきました。
まあ、それだけ市場が活況になってくれば、商機ありと見て群がるビジネスマンが多いと言うことです。
さて、自分たちの商売は、ガソリンスタンド向けの製品を扱っています。
インドシナ市場を商圏に持ちますので、ミャンマーも輸出先として販売実績はありました。
ただ、細々としたもので、一年に一二回の注文を受けるかどうかです。
そんな状況が、ここ数年続いてきた中で、今年はさま変わりです。
投資ブームと言った感じもいたします。
これまで、ミャンマーは軍事政権で、政治経済とも鎖国政策を採り続けてきました。
民主化運動の極端な弾圧もあって、海外の目は厳しい。
このため、欧米各国は、経済制裁を発動して、自由な貿易を封鎖しています。
このような色々な制限もあって、おおっぴらな商行為は、ほとんど無理でした。
ですが、タイとミャンマーはお隣通し、地続きの国境です。
色々な商品が、合法非合法でミャンマーへ流れ込んでいます。
実際に、この四月にミャンマーへ出張した際に、ヤンゴンのショッピングモールをたずねました。
以外に物資は、豊富でした。
制裁を受けている割には、物が豊かな感じもしました。
しかし、一人当たりGDPがまだ500ドルくらいの国です。
買い物を楽しめる層は、まだ限られているでしょう。
ですが、いったん、経済が自由化されれば、消費の欲望は開放されるはずです。
私が、ベトナムを担当していた十年近く前の頃と、雰囲気は似通っています。
まもなく、一家に一台、バイクを買うモータリゼーションの波が押し寄せてくる予感がしました。
そこで、思ったのです。
ミャンマーのガソリンスタンド業界は、どんな状態なのか。
興味もあったので、調べてみました。
ピンロンさんのブログでは、石油の小売業界は既に自由化されたとありました。
改装中のスタンドの写真が大きく紹介されています。
実は、この四月に出張した時、写真撮影が許されませんでした。
案内してくれた現地の人が、給油所は軍事施設に準じるからダメだと言うのです。
その時は、素直に残念に思いました。
ですが、この方の写真から市場の息吹きを実感させていただきました。
それに、ジェトロさんのホームページでも”燃料スタンドの民営化が進行(ミャンマー)”とトピックが掲載されています。
では、実際にガソリンスタンドの数で他国と比較して見ましょう。
ミャンマーって、二百五十ヶ所しかスタンドがありません。
もちろん、ペットボトルに石油を詰めて売っているような屋台は勘定されていません。
それにしても、他の国と比較しても、少なすぎのような気がしました。
いかに一人当たりのGDPが小さいとはいえ、国土は日本の二倍近くあります。
道路の延長距離だって、それに応じてかなりの規模なはずです。
これって、ひょっとしたらガソリンスタンドが、緊急で必要ってことじゃないでしょうか。
観光開発するにも、内陸部の商工経済を発展させるにも、道路と給油所は不可分です。
つまり、特需でも何でもない。
必要に迫られて、軍事政権が資金力のある民間を利用することにしたのです。
と言うわけで、ミャンマー経済のからくりが、少しずつ分かって来ました。
排外的な政治・経済政策だけでは、国民が窮乏化するだけなのです。
内政が立ち行かなくなっている証拠でしょう。
そんな時に、タイの日系企業の皆さんには、隣国の市場をちゃんとウオッチするべきだと、感じる道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
おまけ:
ミャンマーは親日的な国家です。
日本の軍艦行進曲が、ミャンマー・ドゥーイェ・タッマドゥ/Myanmar Tot Ya Tatmadaw、つまりミャンマー陸軍マーチとして採用されております。
2 件のコメント:
それだけ、東南アジアが潤ってきているということです。
やはり、そういう切欠でミャンマーが潤えば、その相乗効果で近隣東南アジア諸国も潤い、そして日本も潤うという循環が成り立ちます。 ミャンマーの経済需要喚起が思わぬ他諸国の景気回復につながるでしょうね。
Oblige347さんへ、
東南アジアの人々の生活を見ていますと、まだまだ向上できる余地というか成長できるのりしろが、まだまだ残っているような感じです。
特に、インドシナ半島は、タイがこの地域の経済を牽引する中心的な国になりそうです。人口規模で一億五千万人ですから、巨大な市場に変貌していくでしょう。
そう言う事ですから、タイに進出した日系企業には未開拓のチャンスが充分に残っています。
これからが頑張りどころですよ。
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