2010年2月18日木曜日

帰参する準備に着手せよの巻き

今日は本社で会議があるんですよ。

現地法人の関係者が集って、半年一回の会議を開くって格好です。
議題は、色々とあるんですが、業績と今後の経営課題がメインなんですね。
それで、一月か二月に開くときは、前年度の報告と今年度の経営計画を発表します。
でも、日本は、まだ三月末まで経理を閉めていません。
大抵が四月~三月の暦年と異なる会計年次を採用しているのが慣わしです。

ところが、世界中の国では、カレンダー通りに会計年度にしているところがほとんどなんだ。

ちょっとしたことなんですけど、海外で違和感を感じました。
駐在で赴任されて一年経ってくると、何となく分かるようになるものです。
とにかく、お客さんから発注されるパターンが、日本と違う展開を見せるからなのです。

実は、東南アジアの会社は、一月から二月の初めで年次予算計画を立案する企業が数多くあります。
前年の十二月に策定するような、几帳面な企業に出会ったこともありません。
新しい年が始まったんだから、予算が無くて仕事もできないよー、どうしよー、って感じでやおら仕事を始めるのが当たり前だと思ってください。

だから、一月から二月に掛けて大型投資案件を受注するなんてことも無い。
入札を得意とする大手のお客さんからは、噂だけが流れてくるのみです。
でも、三月以降にありそうな情報をキャッチしたら、しめこのウサギですよ。
早速に、営業マネージャーを派遣して内偵に当たらせます。

そんなことを、うとうとしながら考えていました。
JRの通勤電車に座れたから、手持ち無沙汰のせいもあってのことです。

今日は、自社の研修会館から徒歩の範囲にある駅から、始発に乗りました。
六時三十一分の発車です。
随分と早いんだけど、田町に着く頃は七時半になります。
その頃には、喫茶店も開き始めるし、ちょうど頃合の朝食タイムです。

お店に立ち寄って、モーニングセットを頼んで新聞読んだりしましょう。
まあ、上さんはタイにいるから、朝ごはんの分だけ早く出てきたと思ってくださって結構です。

そうか、日本へ帰ったら、こんな通勤を再開するのだろうな。
でも、自宅からだと座席に座れるはずも無い。
ギュウギュウ詰めの電車にむりくり乗り込んで、小一時間を我慢せねばならんのですよ。

いやー、運転手付きの気楽な駐在生活は、いかに天国なのかが分かりますよ。
こんな、おしくら饅頭で通って、平日を社蓄で過ごさねばならんのだ。
でも、ここが日本なんですよ。
自分の母国ですから、このような生き様で暮らすのが、サラリーマンなら当然だろうと思うのです。

いやなら、このままタイに居残りをすれば良いのだ。
でも、五年も経てば、あなたは日本へ帰れなくなります。
なぜって、それは生活のリズムが明確に異なるからですよ。

日本人に植え付けられた体内時計の生理的な刻みは、正確で早い。
これがタイだったら、アポイントも一時間ぐらい遅れたって気にしない。
言い訳で、渋滞でしたからとか言えばそれで済んでしまう。

でも、日本だったらそんなことは許されませんよね。
サラリーマン失格の烙印を押されて、お客さんから出入り禁止になってしまう。
それに、電車で通勤するのに耐えられるかどうか、体力が保つかです。

生きているリズムが違うんですよ。

日本がベストだとは思いませんが、ここが私の祖国なのです。
誇りもあるし、ここで暮らしたいと思うは当然です。
私は日本人なのだ。
だから、帰参する時を焦がれ切に願うのです。

と言う分けで、本社へ出向くときはいつも始業始まりに出社できるように、通勤電車に乗って東京へ通う自分があるのでした。半年に一回とはいえ、こうやって体を慣らしておけば、いつか帰参した暁には即効で即戦力として、日本の職場へ復帰できると考える道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

お断り:
この記事は、今週月曜日、まだ日本にいる頃に書き上げました。
従って、タイに戻ってから掲載しましたので、時制が一致しません。
悪しからずご容赦下さい。

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