2009年12月8日火曜日

ドリアンだかケツァーナだか知らんが、変な命名するなの巻き


二人乗りの男が、首都マニラ圏もマリキナ市にあるプロビデント・ビレッジで、洪水が引いた後に道路に沿って整列した車を、通り過ぎていく。

Two men ride past vehicles lined up along a road after floods receded in Provident Village, Marikina City, Metro Manila yesterday. REUTER


フィリピン、ケツァーナの天罰に苦しむ
熱帯低気圧:ケツァーナによってもたらされた、東部マニラで昨日に発生した洪水の中で立ち往生するフィリピンの人たちを空中から撮影。
少なくとも73人の死者を出したのも、ケツァーナが巾広く地域に打撃を与え、フィリピンの首都で記録的な豪雨を記録したからだ。関係当局は、何千もの人々の救助や救援サービスを急いでいるものの、マニラとその周辺の地方では浸水家屋の屋根の上で人々は一夜を明かすことになった。EPA

Philippines suffers Ketsana's wrath
An aerial view of Filipinos stranded in areas flooded by Tropical Storm Ketsana in eastern Manila yesterday. At least 73 people have been killed as Ketsana battered a wide area, dumping record rainfall on the Philippine capital. Authorities have rushed rescue and relief services to thousands of people who spent the night on the roofs of their submerged homes in Manila and surrounding provinces. EPA

◇◇◇

この台風の名前は、ちょっと印象的だった。

過去四十年間で最悪の被害をフィリピンで出したと言われているらしい。
たったの六時間で、一ヶ月分もの雨量を記録した豪雨が原因で、マニラ首都圏の八割が水に浸かってしまった。
それだけ被害が甚大な台風だと、上に挙げたような、橋の上で立ち往生してしまう報道写真も理解できる。

それに比べて、一番はじめの写真は、いたずら写真のように思えて可笑しかったので、記録しておいたのだが、被害の大きさを考えてしまうと笑う気も起きなくなってしまった。

ただ、マッドネスと言うスカバンドは、発作的に思い出してしまった。

80年代に活躍したイギリスのグループで、メンバー全員がムカデ歩きをしながら、確かホンダ・シティのコマーシャルに出演して、一躍有名になったはずだ。


確かにあの写真は、車のムカデ歩きに違いない。
そんな連想をさせてくれるのである。

それに、今は無き「いすずジェミニ、街の遊撃手」シリーズのコマーシャルも連鎖的に思い出してしまった。
カースタントの一団が一糸も乱れずに、次々に繰り広げる車の曲芸。


写真の構図の面白さだけが、片隅に残っていた記憶をどんどん呼び覚ましえくれる。

被害の深刻さは言うまでも無い。
だが、人間とは不条理なもので、おもしろおかしいイマジネーションばかりが先にたってしまった。

◆◆◆

ケツァーナはラオスの木の名前。
それが、台風だったのである。
気象庁のホームページを訪ねたら説明があった。

「北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国等が加盟)は,平成12年(2000年)から, 北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)をつけることになりました。」

加盟国は、台風の呼び名として使ってもらえる名称を決めることができる。
各々十個までが、自由にネーミングできるわけだ。

昔のような、ジェーンとかキティーのような女性の名前をつける習慣はもはや無い。
それでも、数は少ないが、女性の名前は未だに残っている。

13番目 米国 Maria マリア
18番目 香港 Shanshan  サンサン (少女の名前)
29番目 カンボディア Kong-rey コンレイ (伝説の少女の名前)
40番目 タイ Wipha ウイパ
46番目 香港 Lingling レンレン (少女の名前)
48番目 ラオス Faxai ファクサイ
51番目 ミクロネシア Mitag ミートク
96番目 タイ Nida ニダ

でも、第一印象で女性の名前としてすぐに連想できる名前は少ない。正直に言うけど、日本人でファクサイが女の子だなんて、誰も思わないはずだ。
このほか、魚、花、木、植物、宝石、神様、地名、人名、鳥、動物、星座とか、命名は千差万別なのである。

名前の付け方は悪くないのだが、北朝鮮のMujigae(ムジゲ)が虹だなんて、やっぱり発音だけで簡単に判別はできない。

日本の気象庁の命名は、星座ばかりを採り上げた。
かじき、くじら、こんぱす、こっぷ、とかげ、それに日本国内はただの番号順で名づけているから、識別だけを狙った無味乾燥な機械的な命名なのだろう。

それで、ネットで色々探してみたら、昔はドリアンという名称が台風にあったのを知った。
タイが名づけたドリアン台風。
うーん、あの特有の臭いだけで、被害にあってしまいそうな名前だ。

でも、今は使われない。

それは、自然災害史に名を残す台風になったからだ。
2006年の11月末、フィリピンを襲った超大型台風は、犠牲者が五百人に達する大規模な被害をもたらした。
忌み嫌うべき名前だろう。
結局、台風委員会の加盟国からの要請があって,その名前を以後の台風に使用しないように変更したのだと思う。

だから、今は代わりに、Mangkhut(マンクート、マンゴスチン、果物の女王)が使われている。

と言うわけで、台風つながりの連想ゲームは、ネットで調べてみて意外と面白い情報の収集ができたのでした。
(この巻き、終り)

おまけ:

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