2009年5月30日土曜日

動かない、喋らないプラコップの巻き

貧乏社長は、繰り返し放映されるロボコップの映画が大好きで、飽きもせずに日本では見ていた。特に、シリーズ化されてロボコップ1になったオリジナル作品がすばらしい。

中でも、映画の最終の山場で、警察業務の元締めオムニ社に進入したロボコップが、狂ったサンプルロボットが殺戮を繰り返す役員会議の修羅場で、見事に会長を救い出すシーンがある。現場を後に何事も無かったかのように立ち去ろうとするロボコップを見て、それに感動した会長が、”君の名は?”と聞くと”マーフィー”と無機質にカッコ良く答えるところで映画が終わる。(まるで、別れ際にヒーローへ”せめてお名前でも”と聞くようなもんだ。)

オムニ社は、本人を生体ロボットに改造してしまった元凶なんだが、そのトップを救い出してしまうのが皮肉な結末ではある。しかも、ロボコップにはその社員を逮捕できない足かせのプログラムが組まれていて、マフィアとつるんで会社乗っ取りを企てた社長を役員会議で逮捕できずに動きがギクシャクしてしまう。この当たり、見ていて何とも歯がゆくて、”ほれ、おまえ、何で捕まえないんじゃ、このスカポンタン”とか、貧乏社長も手に汗握りながら心の中で叫んでいた。

このような焦らしの伏線は、シナリオの王道なんだろう。最後には水戸黄門の印籠さながらに、会長から”君はクビだ”の呪縛を解く一言が発せられて、プログラムも通常の逮捕モードに復帰し、社長は自業自得で誤ってビルから転落、あえない最期を遂げる。

他にも突っ込みどころの台詞や筋書きが結構あるんだが、それはさておき、バンコクには動かない、喋らないロボならぬプラコップが存在しているのである。要するに、ただのマネキン人形なんだが実際のおまわりさんと良く似せて作ってある。日本でも田舎に行くと、運転手をけん制する警官パネルを良く見かけるもんだが、ペラペラ平面なのでインパクトは薄い。一方、このタイのおまわりさんは、3次元でなかなかハンサムに作られていて、背丈格好も生身の人間とそのまんまである。

このリアルな彼は、サイアム方面から走ってスクンビット通りのBTSプロンチット駅まで走ってくると、ソイ26を右折するT字の交差点で遭遇する事が出来る。このおまわりさんが何を目的としているかは、貧乏社長も判断が付かない。おそらく、幾ばくかでも街中の治安維持に貢献しているんだろう。(タイ語のパネルが読めれば分かるかも...)

と言うわけで、動かない、喋らないプラコップは微笑みのタイで勤務していて、職務はマイペンライ(気にしない)なのでありました。(この巻き、終わり)

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