2009年5月7日木曜日

チェンマイはモグモグ昆虫食だったのだの巻き

貧乏社長の通う会社は、地方主要都市に出先の支店がある。


会社の事業の性格もあるんだが、取り扱う製品を販売した後は、お客さんの使い方次第で修理や修繕をする必要もある。そのため、メンテナンス業務は欠かせな重要な商売の柱となって来た。扱う製品は、業務用エアコンとかエスカレーターなんかと特徴が似通っていて、定期的な維持保守の仕事は欠かせない。それで、三十人以上のメンテナンス要員が全国各地に散らばって、常時、仕事をこなしている。


彼らを束ねる支店も、北のエリアではチェンマイ、北東のエリアではコーンケーンに、南部はソンクラーの各都市あって、後はバンコクと近辺の地域を本社が管轄している。

要するに、規模は小さいながら全国展開と言う事になり、アフターセールスまで自社一手に引き受けている日系企業は少ないのではないかと思う。このシステムは、直販・保守を他人に任せない親会社の経営スタイルをタイでそのまま採用していて、貧乏社長はこの地における成功を密かに自負しているのだ。


前置きが長くなってしまったが、チェンマイ行はこの説明が必要なもんで勘弁いただきたい。


さて、歴代の社長は、伝統的に在任中はこれらの支店を出来るだけ視察するのが習わしとなってきたんだが、おいらの方は、赴任してからこの一年、色々な行事が重なってきて訪問する事が適わずにいた。普通、時期は、従業員が使用するサービスカーに積んでいる資材を棚卸しする6月と12月に実行するんだが、今年も行事が重なり気味になっている。意を決して、日本側が休んでいる5月連休中に実行に移す事にした。現地スタッフはチェンマイを選んだが、場所も日程も任せ切りなので止むを得ない。


とにかく国内線の飛行機で飛んで事務所を訪問してみる。


事務所はなかなか小ぎれいで整理整頓が行き届いていた。従業員の就労意識も高そうな印象を受けてホッとしたり、事務所には、蘭の花が植えてあったりグッピーのような鑑賞魚も飼っていたりして心の余裕を感じたりする。

夜には慰労も兼ねて飲み会も開く事になった。

任せるままに用意されたメンテナンスカーの後部座席に乗り込んで、吹きぬけの開放的なレストランに向かう。カントリーミュージックが流されていたり、日本食のメニューが用意されているなど、どことなく無国籍風なレストランの印象を受けつつ、オーダーした料理の皿が運ばれてくる。


何じゃこれは、、、、

皿の上に山盛りに載ったスナックは、どう見たってイモ虫を油揚げしたとしか言いようが無い。ちょっと怖じ気づいてしまった。


もう一皿が運ばれてくる。

おいおい、これは立派な茶色い昆虫のカラアゲですよ。

スタッフがにこにこしながら、これはチェンマイでは有名な料理なんだと英語で言う。

芋虫は竹の中に住んでいて香りが良いのだとか、コオロギはこの辺りじゃ、みんな普通に食しているのだとか、ご当地自慢の説明を受けながら恐る恐るほおばって見た。


普通だな。

ビールのツマミに新しい蛋白源といった感じで姿を想像しなければ何とも無い。

恐怖感を追っ払うかのようにビールをグイグイあおって、酔っ払いながらモグモグ食べてしまった。

要するに、このレストランは照明が暗いから皿に盛られた料理がはっきりしない上に、乗りの良い生演奏の音楽がガンガン響いて来るから、度胸勝負で食べられるには違いない。



この他にも料理が色々と出てきたが、豚の皮を油で揚げた前菜なんて、至極まともな料理に思えて来て、パクついてしまった貧乏社長なのでありました。

(この巻き、おわり)


おまけ:後でインターネットを調べて分かったのだが、竹虫はタケツトガと言う蛾の幼虫なんだそうで、中国南部からタイ・ラオスでは当たり前のように食べているようです。


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