2008年12月31日水曜日

2009年、明けましておめでとうございます!!

今、バンコクは夜の9時45分なんだけど、日本からは二時間の時差があるから、NHK衛星放送の紅白歌合戦も終わってしまった。
そして、”行く年来る年”の新年を祝う初詣の番組が始まっている。

貧乏社長にとって、海外で新年を迎える初めての年になる。

こちらでは、畏くもプミポン国王が国民に向けて新年の挨拶をテレビ放映されておられたので、撮影することが出来ました。
国王のご長寿を祝うと共に、タイ国がこの新しい年を迎え繁栄することを、おいらは願って止まない。


アピシット首相がテレビ番組でパペットショーに出るようになってしまったんだが、政府の基調方針演説も年を越さずに済んだので、民主党政権もしばらくは安泰と言うことだろう。

こんな、バンコクの年越しになりました。
みなさん、明けましておめでとうございます。

貧乏社長、ギター小僧に復活へんしーんの巻き

おいらと上さんは、毎週、土曜日にラーマⅣ世通りにあるカルフールへ食料の買出しに出かける。

時間はいつも昼飯時分なんだが、フードコートのプリペードカード売り場を通ると、その脇にあるギターと電子キーボード販売の出店を何時も見かけるんで、気になっていた。

実を言うと、今から30年以上も前の中学校や高校時代は、おいらも安手のアコースティック・ギターを持っていて、当時流行していた吉田拓郎とか井上陽水なんかのフォークソングをコピーしては、ガチャガチャとかき鳴らして、上手くも無いのに文化祭とか学級パーティーで歌っていた思い出がある。



こっちのバンコクで、陳列され売りに出されているギター、一番安いのだと2千バーツ(5千円5百円)もしない。何でこんなに安いのだろうと、訝しくも感じた。なぜかと言うと、日本で最初に買ったモーリスのウエスタンギターが二万円もしたからで、それでも下から二番目に安いグレードだったはずだ。
お年玉と貯めて来た小遣いを全部吐き出して、やっとこさ買えた思い出があるのに、バンコクではその3割程度で買えてしまう。この値段の違いは、いったい何処から来るのだと自問自答してしまった。
あの頃の日本は未だ貧しくて楽器なんか弾く人も少なくて需要が無かったから高かったのかなーとか、一方、タイでは一家に一本ギターを欲しがるくらい流行っていてニーズがあるから量産してるんで安いのかなーとか、無理くり思案したものの、下手な考え休むに似たりで、あほらしくなって考えるのを止めた。

買って弾いてみようか、もう一回、ギター小僧にでもなってがなりたててみようか!

これぐらいの金額だったら、ちょっとしたゴルフ場一回分のプレー料金より安いはずだ。もし、予想以上に手が固くなって、コードを押さえ切れなかったり、スリーフィンガーとかアルペジオとか爪弾け無かったとしても、お遊び代としては無駄にはなるまい。それより、手を動かしながら大声を出して歌うのはボケ防止になるかもしれないと、最近、めっきり記憶力の悪くなった貧乏社長はひそやかに期待しつつ買うことを決断した。

上さんは、毎週、おいらがあの出店で物欲しそうに見ていたのを知っているんで、買いたいと断ったら、すんなりどうぞと同意してくれる。駄々をこねられたら、こんな大きい赤ちゃんでは堪らんと思ったのかもしれない。

上さんの気が変わる前に買出しに言ってしまえとばかりに、先月の11月23日に511番のエアコンバスに乗って、世直し一派の「民主市民連合(PAD)」が占拠した首相官邸からさほど距離も無い、カオサン近辺の近くの楽器・ミリタリー用品街に繰り出す。(全然、安全だったので気抜けした。)

この通りはアサダンとか言うらしい。

前もって、ネットでバンコクで楽器を購入した体験談を探してみたんだが、値ごろ感のある、悪く言えばバッタもんの品物はここで売られているようで、フェンダーとかギブソンなどモノホンが欲しい人は、セントラルワールドプラザなんかの楽器屋へ直行することをお薦めする。
おいらは、気まぐれに思い出していじくってみようと考えているアマチュア乗りのロートルなもんで、この当たりがお似合いと思って、買出しを決めたわけだ。

お店は、ありました、ありましたよ。十数件はあるんじゃないかと思う。

そのうち、二三軒は、そこそこのブランド品とかブラス楽器、ドラム打楽器なんかも扱っていた。おいらの目指しているのは、そんな格好の良いもんじゃなくて、いかに見栄えが良くて安く買えるかにあるのであって、音の優先順位は下がってしまっている。
冷やかしながらアコギの値段を聞きつつ交渉をしてゆくと、どんなに安くても1300バーツまでは値引かない感じがしてきた。ヤマハのギターはたまに見かけるんだが、ほとんどは地元のブランドらしくて、SAKURAの名前が多い。

結局、最後に残った二軒の内、どう見ても楽器屋の主人とは思えない30代のママさんが、お茶を挽いている店で買ったのが、このVivid(ビビッド)と言うブランドのギター。

ソフトケース、肩から掛けるストラップ、替えの弦とか色々付けて、1700バーツ位になったが、本体だけなら1350バーツくらいまで値引けた気がする。一式5千円で買えたわけだから本人は大満足なんだが、上さんに言わせると値引き交渉がまったくなっていないそうで、交渉途中で”安い”とか”こんなもんだろう”とか日本語を連発していたんで、店側に悟られたんじゃないかと思ったらしい。

とにかく、お金を払ってダンボールケースに入れてもらって、後生大事に抱えてアパートまで持って帰って来た。早速、箱から取り出して、もう一度検品してみる。
このギターの値段の割りに凄いポイントは、弦を張る棹、通称”ネック”にたわみを是正する金属製のロッドが埋め込まれていることだ。弦の張力でネックが曲がってしまう場合があるのだが、付属品の六角レンチを使って回しながら調整することができる。このほか、ネックのヘッドをはじめ部分部分に象牙の様な素材で縁飾り加工までされてあって、一見、バッタもんのギターには見えない。


ただ、ボディーの側面や裏面は真っ黒けでどんな材質の木が使われているのか、木目も分からず判明しない。サウンドホールから覗いて見たが、あんまりきれいな木目も見えないからただの合板だけかもしれない。一応、表面のニス塗りもムラ無く仕上げられているので合格と言うことにしておこう。

しかしながら、糸巻き”ペグ”だけはギアの動きに遊びが少しあって、微妙に音合わせがしずらかったり短い時間でチューニングがズレたりする気がする。そこは、値段相応と言うことで、自分なりにこまめに音合わせをして我慢することにした。

音は、一応出るので気にしない。

演奏が上手くないから、良い音なんだかどうか自身も判別が付かない。後は、貧乏社長の練習しだいで、このギターも良い音を出してくれるようになるんじゃないかと思う。ギターも結構弾き込んでくると、音に厚みが増してくるようになる逸材もあるから、期待して見よう。

この後、チューニング用フリーソフト(尺八向け!)をダウンロードしたり、無料歌詞検索サイト(コード譜表示)で歌える歌を探したり、元唄をユーチューブなんかで聴いておさらいしてみたりと、結構ノリノリで、ギター小僧ならぬギターオジジに変身してしまった、貧乏社長なのでありました。(この巻き、終わり。)

おまけ:一点豪華主義とばかり、カポタストだけはギブソン純製を買ってしまいましたとさ。

2008年12月21日日曜日

アピシット首相がパペットショーに出るのは未だ未だよの巻き

貧乏社長は、毎朝7時前に出勤するもんで、朝6時頃には起床してきてテレビのスイッチをつけると言う習慣になっている。

もちろん、NHKの日本語ニュースは見向きもせずに、NBTとかチャンネル5とか現地のテレビ局ニュースを言葉も分からぬまま、ながら族風に流す習慣だ。NHKは、2時間の時差がある関係上、向こうでは8時頃のため”今日の話題”みたいなトピックに移ってしまっていて、メインの時事ニュースを聞くこともできず役に立たないので、聞いていない。

こんな習慣になってしまったのも、昨今のタイの政情不安があったからで、日本側からどうなっているんだと再三再四の問い合わせに答えるためウオッチして来た事実がある。

いやはや、反政府派市民団体「民主市民連合(PAD)」が、この8月下旬から首相官邸を乗っ取り集会活動を繰り広げたり、デモ行進したり、挙句はタイ国営放送NBTやスワンナプーム国際空港を占拠してまったからで、海外のマスメディアも興味本位で局所的な派手な光景のシーンばかり流して来たもんだから、バンコクは街角に鉄条網でも敷かれて要所要所に歩哨兵が立ってていて、市街戦の勃発でも警戒しているかのようなイメージを与えてしまったようだ。

実際は、そんなことは何も無く、ごく当たり前に日常の喧騒は続いてきたわけなんだが、政界は政界で輪を引っ掛けて首相は憲法違反で辞任するわ後任者は二ヶ月しか続かなかったりとドタバタが続いたのも本当だ。

そんな政治情勢を皮肉るかのように、タイ国営放送のNBTチャンネルが政治家・言論人の登場するパペットショーを放映していたんだが、これは、ご本家イギリスの『Spitting Image』と言う、有名人の特徴を誇張し作られたラテックス製の人形をフィーチャーした風刺番組をパクったものじゃないかと、おいらは考えている。

イギリス人のデフォルメ・造形観は、ややもするとグロテスクでアクの強いせいか、農耕民族の日本人にはなじめないのだが、こちらのパペットショーは、同じ仏教徒の民らしく大人しめにそっくりと作られていて、好感が持てる。どっちかと言うと、長い間繰り返し再放送されて人気のあるSF人形劇「サンダーバード」のキャラクターと、このパペットショーの登場人物の雰囲気が似通っているようだ。

ところで、この劇中に登場する人物が、どんな政治家なのか言論人なのか貧乏社長も分かっていなかったので、会社の従業員に聞いてみた。どうやら、このシーンに出て来る左側の人物は、民主党のチュアン・リークパイ元首相で、右のスキンヘッドは、地元英字紙「ネーション」の編集長スティチャイ・ユン氏らしいと、判明した。

ただ、右側に登場する女性の人物は、現地の人でも分からない。結局のところ、普通のタイ人は政治には余り興味が無いのが普通らしい。

ところで、この人形劇にアピシット首相は、まだおいら見かけていない。と言うより、最近は政争も混乱も収まって日本側から問い合わせがほとんど無くなったんで、番組を観ていないのが本音だ。

まさか、首相に任命されたての人物が登場するとも思えないので、この人形劇を折に触れてチェックだけはしておこうと思っている。

さて、新首相アピシット氏なんだが、取引先から聞いた話では、貧乏社長の住んでいるアパートからさほど遠く無いところに私邸があり、その住所はスクンビット通りのソイ31なんだそうだ。おいらも上さんも一国の宰相とはどんな家に住んでいるのか興味があったので、暇つぶしに散歩がてらソイ31を探索してみた。
メインの通りから脇のソイ小路に入って五百メーター進んだところに十字路があって、邦人が結構投宿しているユーログランドと言うホテルがある。その向かいに、個人の邸宅が並んでいるのだが、歩道に沿って普通とは違う黒っぽい制服姿の警官が数人、することも無しに俄か仕立てのベンチに座っている。
おいらと上さんは、何とはなしにその警官たちが休んでいる歩道を通り越したんだが、多分、ここに邸宅があるんだと感じた。それで、少し行きかけてから戻ってきて、歩道を清掃している現地のオネーちゃんに問いかけてみる。
”ノーン、ノーン、ティーニィー、バーン・ナーヨックラッタムントリー・アピシット・チャイマイ”(もしもし、ここってアピシット首相の家と違いますか?”、”チャイカップ、.....”(そうです、後は意味不明。)
なるほど、この四つ角にある邸宅が彼の家なんだ、記念にと思って撮ったのがこの写真。

地元バンコクポスト紙では、ポリスヘルメットを模した臨時交番が写真入り記事で紹介しており、確かにこの目で見ることが出来た。

と言うわけで、年明け前に色んな話に落ちも付いて、みんなで良い正月を迎えられそうだと感じた貧乏社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2008年12月18日木曜日

オックスフォード大学を首席で卒業なら首相は当たり前の巻き

タイの新首相にアピシット民主党党首が、選出された。

15日の月曜に開催された下院の特別本会議で、新首相の指名投票を行った結果、アピシット氏が過半数を超える235票を獲得した結果なんだそうだ。
一方、宅診取り巻き一派の受け皿「タイ貢献党」が擁立した対立候補の得票は、198票だったので、貧乏社長が思うに意外と差のついた感じを受けている。
もっとも、アピラット候補が選出される伏線の山場は、2日のタイ憲法裁判所で、与党だった国民の力党(PPP)の解党とソムチャイ首相等の被選挙権を5年間にわたって剥奪する命令が下されたことが大きく影響していて、これを司法クーデターなんて称する人もいるくらいだ。
まあ、この結果を受けて、民主党が与党の連立少数政党に対して積極的に働きかけてきた結果、切り崩しに成功して民主党の連立政権樹立まで引き寄せたと言うイメージだろう。
少数政党だって、与党内部の寄らば大樹の陰的な存在な分けで、このままタイ貢献党にコバンザメ状態で政治活動を続けたとしても、汚職腐敗のイメージダウンは付きまとう。
この際、渡りに船と宿主を変えてイメージを刷新しながら勢力を維持したままで、大臣職のおこぼれまで預かってしまおうという一挙両得の寝返り技を仕掛けた感じがする。

かくして、1932年の立憲革命以来、アピシット・ウェチャチワ氏は27代目の首相に選出された。

これまで、サマック首相の7ヶ月、ソムチャイ首相の2ヶ月弱と言う短命で終わった政権を引き継いで運営してもらうんだから、安定して二年ぐらいは続けてもらいたいもんだ。
民主主義市民連合(PAD)による国際空港閉鎖など一連の混乱で、景気が悪化しており、経済の立て直しが急務だろう。政治混乱で失墜した国際的な信頼の回復も大きな課題になって来る。
さて、17日はプミポン国王より首相任命の勅命がアピシット氏に対して下賜されたのだが、タイのテレビ局は夕方6時過ぎからこの伝達式のもようを実況中継していた。
本来なら、国王は謁見の作法に則って任命の式典を執り行うそうだが、国王は4日の誕生日前の訓話を欠席して以来、体調の勝れないことを理由に公務では国民の前にお出ましになっていない。
ちょっと、心配な気もするのだが、貧乏社長にとってタイのこのような公式行事は初めてであるので、興味が湧いてテレビに見入ってしまった。これを画面撮りをしてみたんで紹介してみたい。

任命式典の会場は、民主党本部だと思う。ピムペン夫人と民主党首班の第20代首相を務めたチュアン・リークパイ元首相が談笑している。

こちらは勅命状を携えた伝達官が来る前の夫妻。

伝達官が会場へ到着。

勅命下賜の式典が始まり、伝達官は勅命状を読み上げる。

プミポン国王のご真影を掲げた祭壇に、勅命状が捧げられる。この後、アピシット首相は床に座り手を合わせて服従の姿勢を取り、中央の壇上の鉢の蓋を取り上げた後、式典は終了した。

就任演説を行うアピシット首相。

こんな感じで式典は終了した。
貧乏社長もみんなもそうだろうが、政権が一日でも長く続いて欲しいもんだと思う。そうすりゃ、政治の安定して来た裏づけとして、経済も順調に立ち直ってくるのではないだろうか。
それにしても、ピムペン婦人は一男一女のお母さんだけど、国立チュラロンコン大学の講師を勤めているぐらいのエリートで才色兼備だな。
アピシット首相なら、きっと上手くやれるよ、なんとなく、そう思った貧乏社長なのでした。 (この巻き、おわり)
<おまけ>
【プロフィル】 アピシット・ウェチャチワ
タイの有力華人系のウェチャチワ家出身。英中部ニューカッスルで生まれ、両親とも医師。英オックスフォード大学で哲学、政治学、経済学などを学び、帰国後、タイの国立タマサート大学で講師を務めた。1992年、下院選で初当選し政界入り。民主党報道官のあと、97年から2001年まで首相府相などを担当、05年に民主党党首に就任した。06年9月のクーデター前には反タクシン派として元首相に辞任を要求。だが、昨年12月に実施されたクーデター後初の下院選で、次期首相と取りざたされながらもタクシン派の「国民の力党」に敗北した。
即断のタクシン氏に比べ、理路整然と道理を説明する熟考型といわれる。現国立チュラロンコン大学講師のピムペン夫人との間に1男1女。44歳。

2008年12月7日日曜日

国王誕生日は、12月5日の巻き

12月5日は、賢くも恐れ多いラーマ9世プミポン現国王の81歳の誕生日だった。

貧乏社長は、タイに住んでいる外国人と言うカテゴリーに入るんだが、日の本日本にも皇室があるように、タイもチャクリー王朝と言う立憲君主制による国体があって、何人も敬うべき象徴こそ、この国王ではないかと思っている。

読売新聞のYOMIURI ONKINEにある用語解説では、

”タイ国王とは タイ憲法は、国王を国家元首であり、「不可侵の存在」と規定し、軍の統帥権も付与している。国会が可決した法案を差し戻す権限があり、議会審議を経ない法律(緊急勅令)も制定できる。首相は下院で選ばれた後、国王が任命する。王位継承者の任命権も国王が持つ。また、憲法は、憲法規定にない事態が生じた際、「国王を元首とする民主主義制度の政治慣習に従う」としている。”

と定義付けしてあって、国家運営を担う絶対的権限を付託された存在には違いない。

片や、日の本の皇室は吹けば飛ぶような象徴まで落魄してしまって情けないとは思うのだが、如何せん戦争に負けた国でもあるし、我々も戦後は民主主義で国づくりに励んで来たのだから、皇室がこのまま末永く万世一系として国民と共に繁栄を分かち合っていただけるような、真の象徴として、おいらは本当に切望している。

さて、タイの国民はみんな王様をどのように敬っているのか、おいらは気になって来た。
色々と、王室に関係する言葉を入れてググってみたら、兵庫県立大学経済学部の野津隆志さんがホームページで、タイの学校で使われている教科書の中に見られる国家と国王を紹介している。

先ず、タイと言う国はこのように定義づけられている。

生活経験科の1年生教科書(教育省学術局版) 「タイ国家」
「私たちはタイ人である。タイ民族は古くから広大な国土を有してきた。」
「タイ人は上品でおとなしい。私たちはお互いを愛し合い助け合う。私たちは勤勉で忍耐強い。」
「タイ人は陽気で朗らかで他人とうまく交際する」
「タイ人はタイ民族衣装を持つ。私の母親も大事な儀式があるときは、美しいタイ民族衣装を着るのが好きだ」
「私たちはタイ語という同じことばを話す」
「私たちは民族の衣装とことばを誇りにする」
「私たちは私たちの母国である国を愛し大切に思う」
「私たちはタイ国家が発展するために力を合わせる」

古い歴史を持ち、陽気で勤勉な国民性、共通の言語や衣装など単一国民文化を共有する国家
国民はこの国を愛し発展するために努力する
国内集団や地域の多様性よりは国内の文化的同質性

国を愛すると言うことと、タイ人であると言う単一国民意識を国民の中に形成する考えが教育理念の根底にあるような気がする。
ただ、タイ人と言う民族的なくくりは広範囲で、実業界・産業界で力を握る印僑(インド系)や華僑(中国系)も一翼を担っており、彼らもタイ人でありタイ語を話すことが要求されているのだろう。

実際に、華僑系の中華学校は長い間、政府から圧力を受けてきた弾圧の歴史もある。1980年以降、中国の政治・経済の国際社会における台頭から、中国語の経済的な価値が高まったことを背景に、華語教育に関する規制緩和にタイ政府が踏み切ったとは言え、タイ人としての意識は今後も弛まなく育まれるものと、思いたいものだ。

次に、タイの庶民が思い描いている王様への尊敬と言うものはどんなものなのだろうか。これも野津さんによれば、

(a)尊敬心の育成
「私たちは王室の家族を尊敬する」
「私たちは国王賛歌を尊敬する」
「タイ人すべてが国王、王妃、王族を尊敬する」
「私たちは国王と王室を愛し、尊敬し、忠誠を致す」
といった表現が頻繁に見られる。

国王や王族に対して尊敬を示す礼儀作法の訓練
カウロップ(尊敬する、敬う:khaurop)

などの国王を敬う教育が強力に推進されていることが分かる。

おいらは思うんだが、プミポン国王の人柄・資質そのものが英明で、これまでクーデターなど国難にも適切で国民に不平等を生むことなく対処されて来たし、60年以上もの長きにわたって在位されてご健勝であることが、この教育自体に何も違和感を感じさせないと思っているわけだが、どうだろう。

さて、プミポン国王の誕生日に当たってどんな行事が行われるか、上さんもおいらもはっきり分かっていなかった。

ただ、誕生日が近づくにつれて地元のテレビ放送局がゴールデンタイムに祝賀行事の実況やら収録映像を流していたんで、大まかに大きな行事は二つだと分かってきた。一つ目は、12月2日に行われた国軍のパレードで、国王と王妃が儀仗兵・近衛兵を閲兵されていた実況中継の番組から画面撮りしてみたもの。


ちょっと、国王陛下の立ち振る舞いにふらふらした感じを受けたので、この時お加減が悪いのでは無いかと思ったのだが、まさかこれが的中するとは思わなかった。と言うのも、前日に誕生日を祝う仏教儀式がバンコクの王宮で行われたものの、お体の不調を理由にお姿をお見せにならなかったからだ。

毎年、誕生日前夜のこの儀式で国民向けに訓話を行うのを恒例としているのだが、王族のご一行が代理出席した形で、ワチラロンコン皇太子・シリントン王女らがお取り止めの事情を説明された。

皇太子が始めに挨拶ならびに事情を心もとない印象でお話されたようなのだが、何やら尻切れとんぼに終わって、後を受けてシリントン王女がフォローした印象を受けた。もちろん、タイ語なので何を説明されたのか分からないのだが、毎日変体新聞の記事を読む限り、”王女は「国王はのどの調子が悪く、大事を取って休養してもらっている」と説明し、重病ではないと述べた。”とあるから、大事な説明は王女がなされたものと思われる。

その後、国王のご容態をバンコクポストの英字紙などでも、回復に向かっていることを王室広報局が発表しているから、いち早い健康の回復をお祈りしたい。

だれだ、お隠れとか不謹慎極まりないガセ情報を流している日本人は...タイへ遊びに来て、誰かに通報されて、不敬罪で捕まったって知らないよーんでした
。(この巻き、終わり)

追伸:ワチラロンコン皇太子が何をお話されたかおいらも興味があるんで、後日、上さんのタイ語の先生に聞いてもらうことにしてあるんで、後からリポートするかもしれません。

2008年11月30日日曜日

年間4千万人も使う空港を閉鎖してどうするんだよ、の巻き

何たって、今時のタイは、リアルタイムに政争が動いていて、宅診一派の組頭で義弟の粗無茶異首相が率いる政府と、世直し一派の「民主市民連合(PAD)」が、くんずほぐれつ政治闘争を繰り広げている渦中にある。

しかも、PDAはハルマゲドン狙いなのか自暴自棄なのか、恐れ多くも12月5日に差し迫ったプミポン国王の誕生日を味方にする意図もあったのか、月末25日夜半以降、スワンナプーム国際空港とドンムアン空港の二箇所を占拠してしまった。

もちろん、PDAの目的は首相退陣と総選挙を有無を言わさず実行させることにある。

一方、首相は、APEC会議の帰途、帰れるに帰れなくなってチェンマイでやっとこさ降りて、バンコクにも帰れず毎日ゴルフ三昧で憂さを晴らしていたらしい。
こんな、ドタバタ混乱・茶番劇が繰り広げらるようでは、外人観光客は正月休みにも来なくなって観光収入は激減するわ、クラリオンみたいな日系企業は愛想つかして工場建設を延期するわで、政治・経済の混乱が広がってゆくようなものだろう。

これはおいらの結論なんだが、やっぱり、タイの人たちは自分たち自身が解決するより、お上、すなわちプミポン国王の鶴の一声のご裁定を待ち望んでいるんじゃないだろうか、みなさんはどう思われますか。
(この巻き、おわり)

追伸:速報では、12月1日も国際空港は閉鎖と発表されました。何時になったら平常に戻るんじゃい(怒)。

2008年11月27日木曜日

他人のブログでコメント見参の巻き

貧乏社長は、結構、他人のブログを漁っては投稿ネタを読むのが大好きなんだが、ネタしだいでは自分勝手に盛り上がってしまって、思いっきり独りよがりなコメントを書いては自己満足してしまうという、悪しき習慣と言うか性懲りも無い癖をもっている。

ブログの主たちは、おいらとはまったく異なる仕事・生活・境遇にあるんだろうし、頭のつくりも違っているだろう。人生は、一回きりしかないから他人の考えや体験を借りて、おいらの足りない脳みそを少しでもカンフルしてもらって、自分自身を活性化しようと言う分けだ。

コメントも駄文そのものなんだが、ちょっと紹介してみたい。

★ネットゲリラさんの「コイズミツヨシこと・・・」から、
国籍法改正案を国民の大多数が知らないうちに参議院を通過させてしまうための謀略。
事件は、ショッキングで誰しもに関連する話題性があり、そのため関心が国民の目が釘付けになるように集中すること。
マスメディアが一斉に過多に集中して報道することで、事件を起こして関心をそらせば、首謀者の意図する作戦は成功。
かくして、国籍法改正案は、無事通過。コイズミが帰化半島人で、”そうかがっかり”の人だったら、図星なんだけどな。
投稿 ぐりぐりももんが 2008/11/23 08:39

これは、おいらの単なる夢想で、ここまで謀略性の高い犯罪だったら、推理小説にでもなるんだがなーと思ってコメントして見た。この国籍改正法案と言う代物は、ザル以外の何物でもないようだ。未婚の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子どもが出生後に認知されていれば、両親が結婚していなくとも、届出を出せば日本国籍を取得できるようになると言う説明は、手続きとして当たり前に思える。
しかし、本当に血のつながりがあるのかを証明する方法は、父親の宣誓のみであり、金に困った男性がお金をもらって、不正と知りつつ外国人の子どもを認知する犯罪を未然に阻止する手段は何も考えられていない。
ドイツなんかじゃ性善説で法制定したら、ホームレスの小遣い稼ぎになってそれを抑止するためにDNA鑑定を導入したそうだ。こんな前例も研究できないような法務省の人間は、給料泥棒、いや思考停止・脳死状態の輩で構成されたサボタージュ官僚匪賊なんだろうと思わざるを得ない。
厚生労働省の役人も、国民の目で見れば私怨だろうが何だろうが年金テロで誅殺されたと思い込むのが当たり前ではないだろうか。民間なら結果が伴わなければ即刻クビなのに、のうのうと天下り企業を渡り歩いて数億以上稼せぎ出した給料泥棒たちが批判をかわすそうとしても、それこそ困難と言うものだ。

かくして、テロ連鎖の機運は盛り上がって行く。なぜなら、年収二百万円以下の貧乏な国民が二年連続で一千万人を超えており、犯罪予備軍の温床はすでに出来上がっているからだ。

★「ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報さん」の「2008年 11月 22日 Bilderberger Geithner to Be Treasury Secretary」から、
Commented by ぐりぐりももんが at 2008-11-23 13:46 xシャムからです。財務長官にティモシー・ガイトナーを起用する件は、バンコクポストの23日付一面でも掲載されておりました。それで、見出しが面白くて”Bangkok-eductaed Geithner"とありました。
彼は、生まれこそニューヨークですが、その後、父親の仕事に従って、東アフリカ・インド・中国・日本、そしてタイと学童渡り鳥人生を送ってきたようです。高校をバンコクISBで終えてから、ダートマス大へ帰巣しておりますので、バンコクで十代の一時期をきっとエンジョイしたはずです。
若い時に、余り偏見の掛からない目で諸外国(多くは開発途上国)を見渡してきて、異文化理解をしてくれたであろう”害すなー”さんに、これから期待したいところではあります。
苦厘豚おばばは、駄目ですよ。狆頃と乳繰り合いしまくりで、平等性に欠如していて、しかも猶太だからね。思想的に狭隘なことは否めないだろう。ダメリカから離れて住んだことの無い、生焼け白パンの民は世界を救えないのだと思うのですよ。おいらたち、ちゃんと焼きあがったパンでできてますもん。有色人種だからだね。オバマさんもそうでありますようにね。

★同じく、「2008年 11月 21日 Citi Shock」から、
Commented by ぐりぐりももんが at 2008-11-23 13:09 xシャムからです。最近、こっちの日系企業ではエレクトロバンキング、つまり電子決済システムの導入が流行っているのですが、ガメトモが積極的に顧客開拓した後を死手ィーが追っかけてきてひっくり返すと言う、断末魔の所業を行っております。その際、必ず死手ィーは、昨今噂されている経営危機に関して問題無い旨の事情を力説しておったのですが、諸行無常と言うところですかね...おいらの経理部長も、最近は電子決済を口にしなくなりましたが、サドマゾBCでも駄目なのかね!?

このブログ主は、中田安彦さんと言う方が執筆しているのだが、経歴を見てちょっとびっくりした。
流通業界の経営者として功なり名を遂げたひとかどの人物でもあるし、著書もすでに五冊ある。しかも、ずいぶんとご年配のようで、もうすぐ喜寿を迎えられるような年齢ではないか。
ブログは、大概、”アルルの男・ヒロシです。”と言う書き出しで始まるものだから、比較的若手の有識者が手遊び程度に書いていると勝手に判断してきた。こんなことなら、もうちょっとコメントを真面目に書かないと年長者に失礼に当たると今更ながら思ったところで、もう遅い。この二つのコメントは、実際に見たり聞いたり経験したことをベースに書いたんだが、真面目に書いたところで面白くも何とも無い。それで、茶化して書いてみたんだが、ちょっと茶化しすぎたのかもしれない。

★ネットゲリラさんの「今日もタイランドはドタバタ騒ぎ」から、
シャムからです。久しぶりにおいらの現地リポートできる泰ネタが下痢裸さんのところでとりあげてくれたんで、喜んでいます。バンコクの朝は、昨日の晩にPADとか言う黄色ウンコ部隊がスワンナプーム空港を占拠したとかで、朝も早よから地元放送局がガンガンニュースを垂れ流しておりました。一方、バンコクは何も変わりません。(空港は一時間以上掛かるよ)
23日にギター買いに511番のエアコンバスに乗ってカオサン地区近くの楽器・ミリタリー用品街にいったんだけど、何にも変化無し。
24日には、ドンムアン空港へウンコ部隊が進入を図った模様で、おいらも自宅へ帰れなくなるかと心配したが、すんなり高速はパス。
26日の通勤も渋滞していて、朝の喧騒は変わらず。若干、高速の料金所を絞っていたぐらいでしょうか?
おっと、黄色は国王様のお誕生日色なんで、かような喩え発言は不敬罪に当るのでしょうか? 水に流して下さいね。
それと、チェンマイ在住で日本語の本に王政批判を書いた馬鹿ポンが、国外追放されましたので、みなさん、本当に不穏当な表現は気をつけて、バンコクにネーちゃんと乳繰り合いに遊びに来て下さい。観光は重要。
それより、おいらが日の本へ送り込んだ幹部研修生が、もうすぐ帰ってくるんだけど、大丈夫かなー。以上
投稿 ぐりぐりももんが 2008/11/26 15:20

これは、貧乏社長のお膝元、バンコクで起きている事件なので、関心もあって社長室からサボって書いてしまった。しかし、年間四千万人が利用する国際空港を不法占拠して空港を機能麻痺させてしまうという政治闘争は、いい加減に止めてもらえないものかと思う。
これから乾季に入って年末に向けて海外旅行のハイシーズンがやって来ようと言うのに、こんなことを繰り返していれば旅行客もそっぽを向いてタイからお客さんが離れてしまうだけだ。そうでなくとも、リーマンブラザーズの破綻を契機として国際的な金融危機・景気後退が加速度的に進んでいる中、バンコクの街中では白人ビジネスマンも撤退したのか減ってきているような印象も受けている。
おいら思うんだけど、はっきり言って金がバンコクから引き揚げ始めているんじゃないだろうか、景気が悪化しそうな雰囲気は否めない。出口の見えない泥仕合といった感じもするんだけど、政治的混乱をいち早く解消させて経済の建て直しに国民が一揆団結して挑戦してもらいたいと考えているのは、貧乏社長以外にたくさんいるだろう。

そんなわけで、ブログ書く前にコメント書きまくって気力を使い果たしている貧乏社長なのでありました。
(この巻き、終わり))

2008年11月16日日曜日

ローイ・クラトンが来ると、もう師走だなの巻き

今年も伝統行事ローイ・クラトンの季節がやって来た。


太陰暦で言うところの12月の満月の夜に、このお祭りは行われる。だから、毎年決まった日にお祭りがやって来ると言うわけには行かず、今年は11月12日の水曜日になった。ローイ・クラトン、簡単に言えば”灯篭流し”なんだけど、“ローイ”は流すという意味で、“クラトン”というのは、元来バナナの葉で作った入れ物のことを意味しているそうだ。もっとも、お祭りでは蓮の花をあしらってこしらえた灯篭のことを”クラトン”と指していて、それに火を付けた線香、ろうそくを立てて、池辺や川辺から沖へ向けて流すのが習わしになっている。日本でも、同じような”灯篭流し”とか”精霊流し”の習慣を持つんだが、死者の魂を弔って灯籠(灯篭)やお盆の供え物を海や川に流す行事なのに対して、タイではさほど宗教的な意味合いを持たない。願い事をかなえるためにろうそくに火をつけて水に流し、いつまでも消えなければそれがかなうと庶民には信じられていて、川の女神に感謝を捧げるための本来の意味は無くなっているのかもしれない。


現世のご利益が一番な分けで、同じ御仏を信心するタイの人と日本人は、灯篭をめぐってかくも異なる様相を示すのが面白い。貧乏社長は、クラトンが蓮の花のデザインなので仏教の謂れがきっとあるんだろうと思っていたんだが、事実を知って面食らってしまった。クラトンに小銭を入れて富がもたらされるように祈願したり、若いカップルが一緒に灯篭を流して愛を確かめ合うという行事に変貌したのなら、それはそれで構わないと思う。


それで、上さんがロイクラトンを見に行きたいと言ったので、ネットを使って調べてみた。バンコクなら、本命はチャオプラヤー川沿いで行われるのが盛大のようだが、見物客が川沿いに殺到するので交通渋滞が尋常ではないらしい。しかも、貧乏社長の住まいはスクンビット通り日本人ゲットー近辺なので、かなり離れている。出かけるだけでもかなり時間がかかってしまうだろう。


他に無いものかと、ブログやら観光ガイドやら片っ端からネットで調べてみると、BTSプロンポン駅そばのベンチャリ公園と、アソークのクイーンシリキットコンベンションセンターの隣にあるベンジャキティ公園が見つかった。池の大きさでは、前者より後者の方が勝るのだが、手軽に歩いていける範囲となるとベンチャリ公園しかない。ものぐさも手伝ったのだが、おいらたちはこの公園へよっこらせと出かけてみた。
公園は、本当に見物客で混雑していたんだが、どこからかフレーズを繰り返すローイクラトンの歌が流れている中、池に流された灯篭のともしびが点々と光っている風景は幻想的でもあり、それなりに雰囲気を楽しむことができた。

一方、隣のエンポリアムデパートでは、すでにきらびやかなクリスマスツリーの飾りつけも始まっている。こうして、貧乏社長と上さんは、年越しまでのカウントダウンがすでに始ったのだと感慨に浸りつつ、ローイ・クラトンの夜を過ごしたのでありました。 (この巻き、終わり)

追記:後で知ったんだが、タイにもオタクがいてボーカロイドの初音ミクにローイクラトンの歌を歌わせているんで、驚いてもうた。

2008年11月9日日曜日

バスの値段が下がっていたの巻き

前回の投稿では、最近の石油価格の推移から物価上昇に歯止めがかかったんじゃないかと述べたんだが、今日、バスに乗ってこれを裏付ける体験をしてしまった。上さんと一緒に、プラトゥナム市場界隈に出かけるために38番のバスに乗ったんだが、バス運賃が今までの10バーツから値上げ前の8.5バーツに戻っていた。二人分を払うのにぴったりと思って20バーツ札を出したんだが、切符と一緒に3バーツのお釣りを渡された。

確かに、切符には8.5と印字されているので運賃が戻ったのかもしれないと感じたんだが、帰りのバスで社内に掲出された通知をみて、運賃が値下げされたの確認した。貧乏社長はタイ語が読めないが、上さんはタイ語の学校に通っているので簡単な言葉なら読み取れる。
書いてある意味は、10月28日から8.5バーツになるという意味らしい。石油価格の下落が、バスのような公共料金の値下げで消費者に還元されることは、一日あたりの最低賃金が204バーツ(約600円)の一般庶民にとって、結構な生活支援になるのではないかと思った次第。

出かけた先はプラトゥナム・センターなんだが、ここに入居しているテナントがガラ空きの状態でシャッター街と化してしまっている。写真を見ても分かるんだが、隣接している二棟の高層マンションは建設途中で放棄されていて、センター自体の上層階部分も未完成のようだから、裏寂れた印象はぬぐえない。それで、便利の悪さと立地の不利を挽回するかのように激安サービスに打って出ている店もあって、”フットマッサージ40分・99バーツ”と言うのもある。まあ、一度試してみる価値はあるかも知れない。(写真は、プラトゥナムファッションモール6階の日本食レストラン”Fuji”(6階)から撮影。)

一方、ラーマ4世通りにあるカルフールのシャトルバスに、一部運行ダイヤの変更があったんだが、上さんが良く使うスクンビット・ソイ26-24路線が、この8月から一時間おきに減便されてしまった。ちょっと不便になって残念なんだが、最近は、ソイ26にあるフォーウインングスホテルの近くまで歩いて行って、エカマイ~トンロー線の戻りに乗せてもらうことが多くなっている。健康もかねてウオーキングと言うところだろう。

と言う分けで、バスにまつわるおいらの暮らしもちょっとは変化があったいうことなのでした。(この巻き、おわり)

2008年11月2日日曜日

石油価格もローラーコースターだったの巻き

貧乏社長の会社は、エネルギー業界と切っても切れない関係にある製品を扱っている関係上、タイ国内で扱われているさまざまなエネルギーの事情には、関心を持っている。色々と調べてみて分かったんだが、先ず、日本と同じように石油元売会社も多い。しかも、やたらと販売する燃料の種類が多くて、エネルギーソースの多様化を推し進めているような感じもする。例えば、タイ国内の石油事情は、色々なホームページからネタを拾い出すことが出来るんだが、これらを調べてみると結構面白いことが分かって来る。
先ず、タイ政府のエネルギー省:EPPOが開設しているホームページにある”Retail Oil Prices”と言うページに飛んでみる。石油の元売会社が主に9社あって、タイ国内で営業中のようだ。


PTT - Petroleum Authority of Thailand (ポートートー)


BCP - The Bangchak Petroleum Public Company Limited (バンチャック)


Shell - Shell Thailand (シェル)


Esso - Esso (Thailand) Public Company Limited (エッソ)


Chevron - Caltex Oil ( Thailand) Co., Ltd. (カルテックス)


PT - PakTai ChuePlerng Company Limited (パクタイ)


Susco - SIAM UNITED SERVICES CO., LTD. (サスコ) 


Pure - Rayong Purifier Public Company Limited


Petronas - Petronas Thailand Co., Ltd. (ペトロナス)


会社のスタッフが調べてくれたデータによれば、タイ国内のガソリンスタンドは約1万8千5百箇所あるから、日本の約4万箇所に比べて半分くらいの規模だ。もっとも、人口は6千5百万くらいだからこの程度の数がちょうど良いのかもしれない。本音を言えば、ガソリンスタンドが増えてくれれば商売も繁盛するんだが、こればっかりは石油需要の規模や車社会の成熟度次第なのでしょうがない。この石油会社の中で、PTT、BCP、Esso、PureにはPublicと言う名称が入っている。国が一部株式を所有する公営企業を意味しているんだが、結構、政府がエネルギー産業をコントロールしているのが分かる。

PTTは、最大手の石油会社なんだが、スタンドのプライスサインを見てみると取り扱う石油製品の数がやたらに多くて、びっくりする。

オクタン95ガソリン

オクタン91ガソリン

ガソホール91-E10

ガソホール95-E10

ガソホール95-E20

ガソホール95-E85

ディーゼル

ディーゼルB5

デーゼル・パーム

NGV

同社は、毎週の石油価格の変動を過去四年間に亘ってホームページで照会できるようにしてあるんだが、これを眺めていてもいかに今年が石油価格の乱高下が激しかったのがわかる。
2005年から2006年に掛けては、小売価格が20バーツ前半から後半で上昇基調で推移してきたのが、2007年後半には30バーツを突破する製品が現れて、2008年はジェットコースターのように急上昇してピークは七夕の7月7日の週だったのを数値が指し示している。

原油価格は、このときどうなったのかと思って調べたら、ニューヨーク市場で取引されたベンチマークとなるWTI原油は、この7月11日に過去最高価格147.27ドル/バレルを記録したことが分かった。つまり、タイでは末端の売値が、原油価格と連動しながら決定されているようだ。それと、半ば国営企業の最大手PTT社が市場で価格設定の主導権を握っていて、他の石油元売も市場をかく乱することなく右ならえに揃って追従しているのだろうと、おいらは考えた。(実際に、エネルギー省の価格情報を調べても、単価に大きな差が出ません。)

ただ、タイのようにいきなり原油価格と末端小売価格を直結して連動させてしまう価格設定の方式は、結構乱暴なような気もする。

石油製品と言うのは、実際に原油を買い付けてから市場のガソリンスタンドで販売されて代金が回収するまで、数ヶ月もかかるプロセスを経ている。今売っている石油は二~三ヶ月前以上の原油が精製されて流通していることになり、その時の原油価格が現在に比べて安ければ利益が確保できるが、高ければ逆ザヤとなって赤字がかさむ。

現時点では、7月頃の最も高い値段の輸入原油が処理されていると思うんだが、これは91ガソリンで言えば40バーツ以上になり、現在の30バーツ以下と比較すれば、10バーツ以上の逆ザヤになる。無論、原油価格がピークに達するまでは、安い原油価格を処理して販売してきたのだから、その利益を現在は赤字補填していることになる。

まあ、一般消費者にとって、原油価格と石油価格が連動しているのは、石油会社も暴利を貪らず一般庶民の生活防衛に貢献し企業責任を行使している図式が簡単に成り立つ分けで、非常に単純で理解しやすいのかもしれない。

このほか、タイのガソリンスタンドは代替燃料のオンパレードといった感じもして、ガソホール、NGV、バイオディーゼルが販売されている。

NGVと書いてあるCNGガスの価格は、PTTが独占していて8.5バーツ/KGととんでもなく安い。タイ国産のエネルギー資源でもあり、石油販売利益からの補助金もあるせいで、ずうっと割り安が維持されているが、来年は、12バーツまで値上げされるようだし、CNG車の改造費用が以外に割高だったり石油価格の値下がりもあるようだから、CNGへのエネルギー転換は、ちょっと一息つくかもしれない。
エタノールを85%混合したガソホールE85も、走れる車がバンコクに4台のみだったと言うお寒い状況の中で、この8月末にタイ政府の肝煎りで強行発売されたんだが、ガソリンに比べて燃費が三割近く落ちるし、日系自動車メーカーもE20のエコカー生産を優先させる発表をするなど、普及の見通しはほとんど立っていない実情だ。どっかのお役人様が、アンダーテーブルの見返りで躍起になっているのかもしれない。

と言うわけで、今年も残りあと二ヶ月になった。
今年は、6月に最低賃金が一日あたり9バーツ(5%)上がった中で石油価格の高騰も一段落して、物価高で苦しめられた市井の暮らし向きも一息付いたんだと思う。政府の発表では、来年のGDP成長率見通しは4%まで落ち込むそうだし、お客さんの石油会社も、今の石油価格じゃ赤字補填続きで来年は設備投資を手控えるかもしれない。

”お客さんの懐具合が寒くなるのは厄介だな。来年はどうやって会社を切り盛りしようかな。”などと、思案し始める貧乏社長なのでした。
(この巻き、終わり)