我が輩は、犬である。
名前は未だ無い。でも、おいらのご主人様のポン人社長が、会社の名前をもじってテツ一号と呼んでいるらしい。なぜ一号かって、この会社には仲間が3人、失礼、3匹いるからなんだ。
おいら、年齢も分からないけど、この工場にふらふら迷い込んでご飯をもらう様になってからだいぶ時間が経つんだと思う。おいらの仲間もみんな境遇は似たり寄ったりだが、食堂で余った残飯もらいながら暮らすのも、そこら辺の路地で野良犬人生を送るよりは上等だと思っているんだ。
一匹は、ガードマンのおじさんが大事にしてるんだそうで、毛づやがきれいだね。おいら、ガキのころからろくな食事もにあり付けなかったんで、最近は体調がいまいちなんだ。毛もパサパサしてきれいじゃなくなったし、片目が思うように見えなくなってきた。ご主人様が言うには、ドッグイヤーと言って、おいらたちの一年を人間の7~8年に例えるから、おいらもかなり年なのなかなーと思うようになったけど、会社の人たちが番犬扱いしてくれて、とっても感謝してるんだ。おいらたち、昼間はこれと言って仕事も無いんだが、夜は工場の敷地の中へ開放してくれるんで、勝手に3匹で自警団を組んでガードマンのおじさんの手伝いをしていると言う分けなんだ。だから、昼間はこうやって玄関の前でねそべったり、スコールが来る前には工場の中に逃げ込んで雨宿りもさせてもらってる。誰も、おいらたちを怒ったり追い払ったりしないから優雅な生活と言えばそうかもしれない。
ご主人の社長が言うには、おんなじ合弁でも中国の工場ではガードマンが飼っていた犬を大きく育ったからと言って、従業員が食べてしまったんだそうな。ドッグフードを毎日上げて可愛がっていた日本人の工場長さんが、突然いなくなったんで心配で探したら、そんなことを平然と言われて意気消沈したんだって。こっちは、仏教の国だから殺生は好まないだろうから、安心だな。
そう言えば、総務課長のミンさんが、おいらたちに社員証を作ってくれて年末にはドッグフードのボーナスを振舞ってくれるって言ってくれたけど、今から楽しみだね。
おいらたちは、本当に幸せだと思います。
1 件のコメント:
札幌も最近は暑いです。といってもそちらの最低気温なみの暑さです。
小樽の大学でしたら、こっちで働いていますので、税理士、空港職員、通信会社、シンクタンカなど多く人と幅広い世代の知り合いがいますが、残念ながら貴殿の周辺で働く方は知り合っていません。最高近くて石垣在住の税理士です。
これからは気にして生活します。
北海道のどちらのご出身なのでしょうか?最近こんなのがちょっと話題です。
http://www.hikyo-100sen.com/
今度私もちょこっと取材した本が出ますよ。
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