2009年1月31日土曜日

貧乏社長は、100バーツで髪を切るの巻き

おいらが日本で暮らしていた頃は、床屋と言えば千円のカットハウスか千五百円の価格も手ごろな理髪店に月一二回のペースで通うのがお決まりだったんだが、これはしがない日ノ本サラリーマンの懐具合から言えば、当然だったのかもしれない。むしろ、三千五百円もする総合整髪とやらが、一時間近くも掛かる上に、按摩してもらったり耳掻きで耳くそほじくりだしてもらうサービスに、さほど費用効果を見出していなかったせいもある。
おいらの容姿自体も、頭がバーコード以上の礒野波兵ばりになってしまっていて、今更これ以上カッコを付けて周囲にひけらかす必要もない。最低限の身綺麗さを確保すれば良いのであって、そう言う観点で見ればお手ごろ散髪屋で十二分だったと言う分けだ。
それで、こちらのバンコクに赴任してきてからも、日本と同じに月一二回の習慣で床屋に通いたいと考えて、床屋探しを始めたんだが、おいらの住んでいるスクンビット界隈は小金持ちの駐在社員やら連れ合いの有閑マダムなんかが多いせいで、美容院とか理容店の料金相場が結構高い。近所のフジスーパーで配布している無料情報誌の「ワイズ(Wise)」にも、色々な店の広告が出ているんだが、理容室 伯爵なんかカットだけで400バーツだから千円以上はする。
それで、タイに住んでいる日本人たちはどんな床屋に通っているのか気になったもんで、グーグルで”バンコク”、”床屋”のように関連しそうな言葉を片っ端に入力して、理髪店情報をググって見た。すると、日本でも通勤帰りを狙って駅のそばなんかにチェーン展開されている「QBハウス」と言う店が、地下鉄アソーク駅の地下商店街に進出しているのが判明した。
アソーク駅までなら、おいらの住んでるアパートからプラプラ歩いても15分くらいだから、休日には健康も兼ねて出かけられる範囲にある。
しかも、カット料金は100バーツ(300円)ポッキリ。これなら、貧乏社長が日本で通っていた店の値頃感に現地の物価相場から見て匹敵すると感じ入って、出かけて見ることにした。
行って見れば、100バーツ札を券売機に挿入して整理券を発行して貰うのも、順番待ちの客のために置いてあるイスに座って待つのも、日本と変わらない風景や所作だ。ただ、違うのは理容師さんがみんなタイ人のおネーチャンな分けで、どんな風に髪を切ってもらいたいか現地の言葉で注文しなければならない。
おいらのように、礒野波平カットでは、バリエーションも無いから簡単に身振り手振りで、カットの内容を説明できてしまう。後は、少しだけ切ってもらいたければタイ語で”ニッノイ、ニッノイ”と言っておけば、何とかなる。まあ、細かい注文したけりゃ、タイ語を勉強して流暢に話せるようになってから出かけて見るのも、努力目標になって良いのかも知れないね。
と言う分けで、エンポリアムデパートにある資生堂のカットハウスでも出かけて、大枚はたいて優雅な気分でカットしてもらうこと自体が、先ず想定外な渋ちん社長なのでありました。(この巻き、終わり)

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