2008年12月7日日曜日

国王誕生日は、12月5日の巻き

12月5日は、賢くも恐れ多いラーマ9世プミポン現国王の81歳の誕生日だった。

貧乏社長は、タイに住んでいる外国人と言うカテゴリーに入るんだが、日の本日本にも皇室があるように、タイもチャクリー王朝と言う立憲君主制による国体があって、何人も敬うべき象徴こそ、この国王ではないかと思っている。

読売新聞のYOMIURI ONKINEにある用語解説では、

”タイ国王とは タイ憲法は、国王を国家元首であり、「不可侵の存在」と規定し、軍の統帥権も付与している。国会が可決した法案を差し戻す権限があり、議会審議を経ない法律(緊急勅令)も制定できる。首相は下院で選ばれた後、国王が任命する。王位継承者の任命権も国王が持つ。また、憲法は、憲法規定にない事態が生じた際、「国王を元首とする民主主義制度の政治慣習に従う」としている。”

と定義付けしてあって、国家運営を担う絶対的権限を付託された存在には違いない。

片や、日の本の皇室は吹けば飛ぶような象徴まで落魄してしまって情けないとは思うのだが、如何せん戦争に負けた国でもあるし、我々も戦後は民主主義で国づくりに励んで来たのだから、皇室がこのまま末永く万世一系として国民と共に繁栄を分かち合っていただけるような、真の象徴として、おいらは本当に切望している。

さて、タイの国民はみんな王様をどのように敬っているのか、おいらは気になって来た。
色々と、王室に関係する言葉を入れてググってみたら、兵庫県立大学経済学部の野津隆志さんがホームページで、タイの学校で使われている教科書の中に見られる国家と国王を紹介している。

先ず、タイと言う国はこのように定義づけられている。

生活経験科の1年生教科書(教育省学術局版) 「タイ国家」
「私たちはタイ人である。タイ民族は古くから広大な国土を有してきた。」
「タイ人は上品でおとなしい。私たちはお互いを愛し合い助け合う。私たちは勤勉で忍耐強い。」
「タイ人は陽気で朗らかで他人とうまく交際する」
「タイ人はタイ民族衣装を持つ。私の母親も大事な儀式があるときは、美しいタイ民族衣装を着るのが好きだ」
「私たちはタイ語という同じことばを話す」
「私たちは民族の衣装とことばを誇りにする」
「私たちは私たちの母国である国を愛し大切に思う」
「私たちはタイ国家が発展するために力を合わせる」

古い歴史を持ち、陽気で勤勉な国民性、共通の言語や衣装など単一国民文化を共有する国家
国民はこの国を愛し発展するために努力する
国内集団や地域の多様性よりは国内の文化的同質性

国を愛すると言うことと、タイ人であると言う単一国民意識を国民の中に形成する考えが教育理念の根底にあるような気がする。
ただ、タイ人と言う民族的なくくりは広範囲で、実業界・産業界で力を握る印僑(インド系)や華僑(中国系)も一翼を担っており、彼らもタイ人でありタイ語を話すことが要求されているのだろう。

実際に、華僑系の中華学校は長い間、政府から圧力を受けてきた弾圧の歴史もある。1980年以降、中国の政治・経済の国際社会における台頭から、中国語の経済的な価値が高まったことを背景に、華語教育に関する規制緩和にタイ政府が踏み切ったとは言え、タイ人としての意識は今後も弛まなく育まれるものと、思いたいものだ。

次に、タイの庶民が思い描いている王様への尊敬と言うものはどんなものなのだろうか。これも野津さんによれば、

(a)尊敬心の育成
「私たちは王室の家族を尊敬する」
「私たちは国王賛歌を尊敬する」
「タイ人すべてが国王、王妃、王族を尊敬する」
「私たちは国王と王室を愛し、尊敬し、忠誠を致す」
といった表現が頻繁に見られる。

国王や王族に対して尊敬を示す礼儀作法の訓練
カウロップ(尊敬する、敬う:khaurop)

などの国王を敬う教育が強力に推進されていることが分かる。

おいらは思うんだが、プミポン国王の人柄・資質そのものが英明で、これまでクーデターなど国難にも適切で国民に不平等を生むことなく対処されて来たし、60年以上もの長きにわたって在位されてご健勝であることが、この教育自体に何も違和感を感じさせないと思っているわけだが、どうだろう。

さて、プミポン国王の誕生日に当たってどんな行事が行われるか、上さんもおいらもはっきり分かっていなかった。

ただ、誕生日が近づくにつれて地元のテレビ放送局がゴールデンタイムに祝賀行事の実況やら収録映像を流していたんで、大まかに大きな行事は二つだと分かってきた。一つ目は、12月2日に行われた国軍のパレードで、国王と王妃が儀仗兵・近衛兵を閲兵されていた実況中継の番組から画面撮りしてみたもの。


ちょっと、国王陛下の立ち振る舞いにふらふらした感じを受けたので、この時お加減が悪いのでは無いかと思ったのだが、まさかこれが的中するとは思わなかった。と言うのも、前日に誕生日を祝う仏教儀式がバンコクの王宮で行われたものの、お体の不調を理由にお姿をお見せにならなかったからだ。

毎年、誕生日前夜のこの儀式で国民向けに訓話を行うのを恒例としているのだが、王族のご一行が代理出席した形で、ワチラロンコン皇太子・シリントン王女らがお取り止めの事情を説明された。

皇太子が始めに挨拶ならびに事情を心もとない印象でお話されたようなのだが、何やら尻切れとんぼに終わって、後を受けてシリントン王女がフォローした印象を受けた。もちろん、タイ語なので何を説明されたのか分からないのだが、毎日変体新聞の記事を読む限り、”王女は「国王はのどの調子が悪く、大事を取って休養してもらっている」と説明し、重病ではないと述べた。”とあるから、大事な説明は王女がなされたものと思われる。

その後、国王のご容態をバンコクポストの英字紙などでも、回復に向かっていることを王室広報局が発表しているから、いち早い健康の回復をお祈りしたい。

だれだ、お隠れとか不謹慎極まりないガセ情報を流している日本人は...タイへ遊びに来て、誰かに通報されて、不敬罪で捕まったって知らないよーんでした
。(この巻き、終わり)

追伸:ワチラロンコン皇太子が何をお話されたかおいらも興味があるんで、後日、上さんのタイ語の先生に聞いてもらうことにしてあるんで、後からリポートするかもしれません。

2 件のコメント:

pawana さんのコメント...

きのう投稿させていただいた者です。ブログ主様またその他の方々に大変失礼なコメントを入れてしまいました、お詫び申し上げます。コメントを削除していただけると幸いなのですが・・。ご迷惑をおかけしました。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

pawana-san,

Please always take care of your comment at any place in Thailand.
We are foreginers and Thai people can watch us. If you are president, you should be responsible for your saying even though anonymity. Regards,