2008年9月21日日曜日

君よ知るや、忘れまじ、コーリン鉛筆の巻き

おいら、貧乏社長は蝦夷地出身なんだが、子供の頃、住んでいた道東の北見市辺りに鉛筆の芯材を生産している大きな工場があったのを強い印象を持って記憶している。確か、国鉄の単線路と国道のような整備の良い二車線の舗装道路が平行して走っている立地に、高い煙突のある工場が建っていたと思う。それと、芯材を切り出す製造過程から出されるおが屑をためる大きな木製の円形駕籠が、屋根だけの吹き抜けの建屋に数多く並んでいたようなイメージが残っているんだが、今となっては確認のしようがない。

筆記用具と言えば、おいらの年齢から考えればごく普通に鉛筆をイメージする。だって、小学校に入った頃はこれ以外に無かったからだ。シャーペンのような鉛筆を削る作業が不要になる便利な筆記具が出たのは、多分小学校4~5年くらいの頃で、2ミリの鉛筆芯を挟み込んだ、送り出しが単純なドロップ式ノックペンが初めで、それまでは寝床に付く前に手回しの鉛筆削り器で削り出して筆箱に芯が折れないように丁寧に収めてランドセルに仕舞うのが、面倒でも日課だった。

個人的には、シャーペンは好きじゃない。シャーペンは安直すぎるからだ。芯さえ入っていれば、すぐに書きだせる。書くと言う、人間にとっては知的な所作に着手する前に、何かしら心構えの準備がある方が奥ゆかしい気もする。書道で、墨を磨る手順なんかはそうだろう。おいらの机にも、大事な鉛筆が何本も転がっている。大抵は外部のセミナーとか講演会で貰った、ホテル名が刷り込んだ筆記具だ。バンコクで開かれる催事のホテルは、四つ星・五つ星なので調度も品が良い。それで手癖の悪さでそのまま持ち帰って、空いた時間で削りだしては使っていると言うわけだ。

やっぱり鉛筆の書き味は忘れがたい。何か、仕事のアイデアをもたらしてくれそうで小道具として使わずにはいられない。

日本だったら、トンボのような定番品を使ってみたくなるもんだが、ここはバンコク、どんなブランドがあるのか知らない。ところが、今日、ラーマ4世通り沿いのテスコ・ロータスのショッピングセンターで面白い鉛筆を発見してしまった。

COLLEEN鉛筆、あの三角形の女性横顔をロゴにしたメーカーだ。



昔、おいらが小学校の図工で使っていたデザインと瓜二つな色鉛筆のセットが、12色から60色まで色々と品揃えも豊富に売り場の棚の一角を占めている。この他、普通の鉛筆が無いか調べたら、可愛いキャラクターものの鉛筆が6本26バーツで置いてある。懐かしさのあまり手が伸びて記念にそれを買ってしまった。
だけど、日本ではかなり前から品物を見たことが無いのに、タイでは売られていることになる。後でネットで調べたんだが、親会社が97年に倒産した後、タイの工場は「コーリン鉛筆タイランド」として生まれ変わって経営を順調に拡大しているようだ。そして、昨年には日本にも「株式会社コーリン色鉛筆」を立ち上げていて、正に巻土重来と言って良いのかもしれない。コーリンのキャラクター版権も買い取って使い続けているようだが、普通の鉛筆は顔が左向けで、色鉛筆は右向きなんだな。どっちが正解なんだろう? そんなことは、今はタイの地元企業なのでマイペンライの乗りと言うことにしておこう。

家に帰って、コーリン鉛筆をキーワードでググって見たら、いろんな人がブログで投稿している。特に、”コーリン鉛筆カタログ化計画(本館別館)”のKeroさんには、驚いたね。脱帽いたしました。それと、他にもコーリン鉛筆に思い入れのある人が、たくさんいるようなんで、この際だから紹介しておきます。


本当を言いますとね、この原稿もキーなんか始めから打つより鉛筆なめなめ下書きした方が、もっと上手く書けたかもしれないと感じた、貧乏社長なのでありました。
(この巻き、おわり)

3 件のコメント:

nikichi さんのコメント...

北海道で鉛筆の収集をしております、nikichiと申します、はじめまして。

北見の鉛筆工場の話、興味深く拝見しました。

私が知っている範囲では谷さんという方の軸板工場が一番大きかったのではないかと思います。

昭和30年ころまでは「リリー鉛筆」の名で完成品も製造していたはずです。

円形駕籠というのはもしかすると軸板を乾かすために樽のような形に積み上げるのですがその「ニオ」かもしれませんね。

私も最近になってずいぶんコーリン鉛筆を買い集めました。

ぐりぐりももんが さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
ぐりぐりももんが さんのコメント...

nikichiさん、
コメントありがとうございます。
北海道の方ですか、懐かしいですね。
日本にいれば、お盆の墓参りには必ず札幌へ帰省しているんですが、バンコクだと何時になるのやら...
ご指摘のあった「ニオ」ですが、何となくそんな感じがします。なぜなら、かすかな記憶ですがおが屑をためていた言ううより、乾燥させているような雰囲気がありましたから?
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