2010年3月20日土曜日

赤シャツだからって色つながりで血なんかばらまくなよの巻き

タクシン元首相が失脚したのは、四年近くも前のことです。
軍事クーデターが起きて、あっけ無く転覆されてしまいました。
もっとも、政権末期には占いで外遊の日程を決めたりしていたそうです。

ですから、国民もそろそろ引導を渡す時機だと思っていたのでしょう。
大きな流血の惨事を呼ぶことも無く、国民は受入れてしまいました。
もちろん、首都では戒厳令が敷かれました。
政府庁舎の重要拠点では、戦車が威圧するかのように配置されます。

でも、ここからが違いました。


付近の住民達は、警備に当る戦車兵に対して、花束や食事を差し入れているのです。
なんと和やかなことでしょうか。
あたかも、予定調和のできごとのようにク-デターは、穏便に進行したのでした。

その頃、私は未だ日本で仕事をしておりました。

そんな光景を、テレビのニュースから紹介される実況中継を通じて知ったのです。
実に、タイ人らしい。
厄介な争いごとは、なるべくこと無かれで取り図ろうとする国民性です。
結局、クーデターは既成の事実として、王室にも国民にも受入れられてしまいました。

そんな過去を振り返って、今現在を見ることにします。

このタクシン首相を、未だに強固に支援する政治組織があるのです。
正式な名称は、「反独裁民主同盟(UDD)」で、俗に赤シャツ団とも呼ばれています。
この組織では、運動のイメージカラーが赤なのです。
支援者は、皆、赤いTシャツをそろいで着ています。


つまり、赤い服一色で統率された群集が、抗議活動を繰り返してきた分けです。
その光景は、派手な色合いもあって、人々の脳裏に強く焼き付きました。
折りに触れて、参加者達は首都バンコクを目指して、田舎から上京してきます。

いや、本音は日当五百バーツが目当てでしょう。
特に、東北部(イサーン)の農民は、今が乾季なので農作業もお休みです。
時間はたっぷりあるし、小遣い稼ぎもしたい。
それで、ついつい、本部の差し向けたバスに乗るのかもしれません。

でも、金のためとは言え、いやいやながらでもなさそうです。

と言うのも、当時のタクシン首相は、盛大なばらまき政策を実行しました。
農家には、低利で融資する制度を作ります。
病院初診料も、30バーツとほとんどタダに等しくなりました。
こう言った一連の政策が、地方の農民の暮らし向きを大いに助けました。

ですから、この恩恵に預かった地方の人々は、彼を決して忘れません。

でも、狂信的な所が無いわけでもないのです。
ついこの間も、この赤シャツ団が再びバンコクに集結しました。
「最後の戦い」と称して、下院議会の解散と総選挙を強要しています。

もちろん、現アピシット首相は、即座に拒否しました。
当たり前の話でしょう。

でも、赤シャツ団は納得が行かなかった、キレまくりました。
腹立ち紛れもあったのかもしれません。
集会参加者から大量の血を採血すると、黒魔術の呪いのごとく血を撒く作戦に出ます。
標的にされた首相府や民主党本部前は、たまったものではありません。
しまいには、アピシット首相の自宅まで出向いて、ぶちまかす始末です。


と言うわけで、今回の騒動は、タクシン元首相に対して下された最高裁の判決がきっかけになりました。
職権乱用で溜め込んだ財産の半分以上、約千二百億円が没収されてしまうのです。
となれば、赤シャツ団の頼みとする軍資金の金脈が急に細ってしまうかもしれない。
そんな焦りもあったのだと思いました。

でも、この騒動をよそに、タクシン元首相の奥さんと子供達は、難を逃れるため外国へさっさと逃げ出してしまいました。
きっと、国を思う気持ちなど毛頭も無い金の亡者に過ぎないのですよ。
それに躍らされる赤シャツ団の人たちには、早く気が付いて欲しい。
そんな風に強く感じた道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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ぐりぐりももんが さんのコメント...

Hi, Hapi-san,

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