二月の最後の週が過ぎて行きます。
そして、夏の盛りが間も無くだと思うようになります。
乾季の最中だから、雲一つ無い青一面の空が広がります。
太陽の高度はぐんぐん高くなる途上です。
日中は、温度計の水銀柱が急いで背比べを始めてしまう。
暑いなー、35度を超えるのが当たり前になります。
そんな今、日本と同じような夏の風物を音で耳にしました。
セミが鳴き出し始めたのです。
どんな種類なのかも分からずじまいです。
ただ、鳴き始めれば、それなりにやかましい。
だから、セミの季節が巡ってきたのだと感じます。
しかも、日本で聞いたいた鳴き声とそっくりです。
シュワシュワとか、シャカシャカのように聞こえます。
でも、タイのセミって変態なんですよ。
日中は絶対に鳴かない。
とっても地元の人に似通ってます。
無理をしない。
根性無しなのか、暑ければ鳴かないのです。
鳴く時間が決まっているのです。
それが日本人にはとても異様な感覚です。
明け方の涼しい頃に鳴き出して、日の出前には鳴き止む。
そして、すっかり日暮れて闇が訪れると、二時間くらいはお勤めと思って鳴いてくれる。
何だか、意気地無しのセミのように感じてしまいます。
日本のセミは、忙しいですよね。
何年も地中で幼虫として過ごし、地上に成虫で暮らしても一週間の命なのだ。
短い一生をいとおしむように、日中を声のあらん限り鳴いているように思えてしまう。
でも、こちらのタイのセミさんはのんびりだ。
きっと輪廻天性を信じているのでしょう。
生まれ変わる来世のために、手加減して備えているのかな。
だから、今はセミのご身分でも気楽なんだろう。
と言うわけで、所変われば品変わるで、こちらのセミはあくせくしないのがとりえなのでし
た。そして、そんなセミを愛らしく思う道産子社長がタイにいるのでした。
(この巻き、終わり)
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