2010年2月16日火曜日

フロッピーさん、永久(とわ)の暇乞いの巻き

日本に帰ってきても、ちょっとアキバに直行してしまいました。
あの雑多な街にはえもいわれぬ原動力があります。
タイに住んでいても、魅力は永遠と言うわけです。

特にパソコン自作おじさんだった自分には、かけがえがありません。
パーツを物色するには、宝の街と言って良かった。
掘出し物、バッタもんをつかまされたとか、色々な思いでがありました。

それで、その秋葉原のとあるパーツやさんで見かけた光景です。

”最終入荷、FD ¥980、-”、、、
FDの略称といえば、フロッピーディスクです。
三十代以降の人なら、3.5インチの四角い媒体が、すぐにピンと来ます。
でも、通い箱に並んでいたのは読み書きをする装置でした。

このユニットのメーカーなら、日本のミツミさんを知っています。
自分も最後に買ったのが、五六年前で確かマレーシア製でした。
今回は、どこのメーカーかを確認しませんでしたが、そこかもしれません。

今や、データを端渡しする手段は、メール添付かUSBメモリーになってしまいました。
フロッピーでお渡ししますなんて言われても、どこの旧人類かと思われてしまう。
普段使うラップトップに、そんな読み出し機能もありません。

確かに世の中は、加速度的に進化してきました。
もはや、FDは1.44MBしか書き込めない、ちっぽけさです。
多分、八百万位の高画素で撮影した写真のデータなら、それ一枚でおしまいでしょう。

自分がフロッピーを始めて見たのは、三十年近く前のことです。
会社員になってからでした。
八インチと言う、二十センチ四方で、真ん中に穴が開いている大きな代物です。
しかも、図体の割りに128とか256キロバイトしか書き込めない。
それに、一枚二千円もしたバカ高い事務用品でした。

確か、16ビットパソコンが流行りだしの頃で、ウインドウズも動いていません。
値段も高価で、一セット百万円以上だったのを覚えています。
動くソフトも、ワープロ、作表計算など、単機能でした。
いちいち立ち上げては終わらせて、次のを起動させなければならない。
そんな七面倒くさい機械でした。

まだ、OAって言葉が目新しかった時代です。
ワープロなんかもタイプ室にあって、専任のオペレーターさんもいた。
そんな、懐かしき頃のお話です。

そうか、次代を担ったFDさんも、コンピュータの世界から引退されるのだ。
長い間、会社勤めの人間にとっては、皆が肌身離さず愛用した電子書庫なのでした。
自分も、退職までそう永くはありません。
そんな思いが脳裏をよぎりました。そして、店先に並べられ、ピンクのエアパッキンに身をまとった姿をいとおしく見つめました。

そんなわけで、ちょっと自分にイメージをダブらせた感傷的な心象風景になってしまいました。
十数年前始めてパソコンを自作した当時、フロッピーのユニットは七千円もしたのです。
かつては時代の寵児だったのに、人知れずにスポットライトも浴びずコンピュータの世界から消えようとする瞬間を、みぞれの降る寒いアキバで見かけた道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)

4 件のコメント:

とよこ さんのコメント...

私、まだFDDを使用しています。CDだとROMやらRWなどがあったり、機種によっては読み込んでくれないなど、何度か苦情を受けたことがあります。音楽CDと間違える方がいらっしゃいますし。

先日PCがクラッシュした時も、FDD6枚にリカバリデータを入れて下さいという指示が、マイクロソフトからありました。マイクロソフトもまだFDDを必要としているんだなと感じました。

ちょっとした(紛失しても大丈夫な)データならFDDの方が差し上げることもしやすいので、まだまだFDDとはお友達でいる予定です。

慌ただしい日本への滞在、お疲れ様でした。東京は寒かったでしょうね、

ぐりぐりももんが さんのコメント...

とよこさんんへ、

自分には、日本の寒さのほうがあっているよ
うな気もするのですよ。
何せ、趣味がスキーですし、簡単な冬山縦走なんかも若い自分には、面白がって挑戦していました。

フロッピーといえば、XPでもリカバリーデスクを作るのにFDを指定してくるのが、奇妙といえば奇妙です。

実は、ウインドウズXPが初めて世に出た当時、CDからインストールがスタートできない、やや旧式のPCが未だに数多く使われていました。

この場合、FD6枚分のセットアッププログラムを始めに作る必要もありましたので、リカバリーFDも、同様な考え方に基づいている可能性もあります。
  
多分、SP1のバージョンが対応しますので、現在のSP3ではFDを要求しないのではないでしょうか。ビスタもセブンもそうだと思うのですが、確証はありません。

だって、今時のPCにはFD何か付いていませんので、時代はかくも変っていくと言う象徴なんだと思います。

南風海治郎 さんのコメント...

おお!
秋葉におられたのですか????

ん~~~すれ違いたかったですね♪

里帰りを満喫されてください!

ワタクシは寒さに弱くて毎朝ヒ~~ヒ~~~言ってます。

私のVAIOはFDDが使えてたまに重宝しています。
看取ってあげたいですね。

ぐりぐりももんが さんのコメント...

海治朗さんへ、

本当は、時間があったらお会いしたかったのですが、土曜の朝について翌週の水曜日にはタイへ戻るトンボ帰りの日程でしたので、今回は残念ですが見送りました。

ですので、四月の一時帰国にでも連絡させていただきます。

大船ですから、湘南にも近いので、お会いできると思っています。