BMWと言えば世界的な自動車メーカーです。
自分もそのオーナーになりたいと思うときがあります。
誰でも、一生に一度はオーナーになってみたい。
そんなことを思わせる車ですが、車の型式はそっけもありません。
525やら750とかエンジンの排気量を目安に設定してあるのだそうです。
でも、車には型式からは想定できない質感や高級感が感じられます。
品質も高いし、モノ作りにこだわりのある印象です。
会社自体にもそのようなポリシーが息づいているのでしょう。
名は体を表わすと言う格言がぴったり当てはまります。
昔、この会社について本で読んだ事があります。
その内容は、その新車をデーィーラーに注文したお客さんの話でした。
お客さんは、遠方でなければ工場へ見学に出かけます。
そして、工場のモノづくりをを十二分に確かめるのだそうです。
最後には、出荷ラインからロールアウトされた注文の車が待っています。
その場で、注文した車のキーを受け取れば、お客さんは既にオーナーなのでした。
そして、その新車に乗って工場を立ち去る。
従業人の拍手で送られ、お客さんはオーナーになった気持ちで満足です。
きっと、末永くこの車を愛し続け、乗り続けることでしょう。
思うのですが、かの会社はメーカーの鏡と言って好いと思うのです。
それで、わたしもそれに見習うことに致しました。
実は、手前どもの工場にも、お客さんが地方からよくお越しくださいます。
多分、バンコクの首都観光を兼ねて、遊びに来られるのだとは思うのです。
代理店の担当女性も、お客さんを親切にもてなしてくれます。
彼女の声がオフィスに響いているのが聞こえて来ました。
そうなったら、今度は私が登場する番です。
名刺を持って、商談中のテーブルに何気無く立ち寄ります。
サワディーカップ(こんにちは)。
インディーティーダイ ルーチャック(はじめまして)。
そして、さり気無く名刺を手渡していきます。
後は、担当の女性が後を引き継いで、私のことを紹介してくれます。
そうなのです。
わたしは客寄席パンダみたいなもんです。
でも、社長の名刺は意味が重い。
見学に来られたお客さまも、一人一人に名刺が渡されるとは思わないでしょう。
そして、工場見学をされている最中でも、再びお会いします。
時間があれば、後を追ってラインの途中途中で雑談をさせていただくのです。
こうして、お客様にはアットホームを感じていただきたいのです。
お客様との距離を出来るだけせばめて、我々のファミリーになってもらいたい。
こうすれば、お客さまは必ず発注してくださる。
しかも、お客さま自らがピックアップトラックを運転して、製品を引き取りに来られるのです。
こんなありがたいことはありません。
我々の提供する商品が、お客さまの商売を助け、繁盛していただける。
しかも、メンテナンス網が、タイの全国土をカバーしています。
お客さまをサポートしていることを必ず伝えるのです。
もし何かのことがあったら、二百キロ三百キロ離れていようが、その日はだめでも翌日には出向けることを説明するのです。
こうして、お客さんは値段も高いのが分かってくれます。
海外製のメード・イン・チ***のやらずぼったくりとは、品質もサービスも違うのです。
実に単純な心掛けですが、本当はこれが肝心なのです。
と言うわけで、当社はBMWと比べれば生産規模でも販売高でも、はるかに及ばないちっぽけな企業でした。でも、メーカーの考える道理は、普遍的なものがあるのではないかと思った道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
おまけ:どうしてもタイ駐在中の思い出として、防備録的に書き残しておきたかったので、書きました。
7 件のコメント:
やっぱアジア(日本を除く)は景気が良いのでしょうか、良質な車の需要が増えているということですか?
ちなみに、欧州は今まだかなり荒れていますね。 ギリシアから発した欧州経済の成行について政治経済思想の異なった見解が巷で物議を醸し出しています。
同様な企業は、日本でも順調に売上ないしは利益が高いですよね。自社によるカスタマーへの心の持ち方によって、長い間の継続したよりよいお付き合いができるとだと思います。
どのようにして自社の企業文化や風土を伝えるのかは、いろんな作戦があると思っています。
わたしの知り合いには、顧客と一緒に写真を撮ったカードをポストカードにして出しておられる方もいらっしゃいます。
また、毎月発行している**通信(営業面はほとんど抜いてある)をFAXしている方もいらっしゃいます。
データはありませんが、アナログのお付き合いの手を抜いて、デジタルだけのお付き合いに没頭する企業さんが増えだしていますね。でも逆に、デジタルの世界になってきたから、アナログ発想を無視してはいけないと考えています。
眠剤薬を飲んだ後の寝起きの悪さと&手ががちがち状態ですので、誤字・脱字が多くて申し訳ございません。
商売はどこの国でもヤッパシ頭と腕と心なのですね~。
ありがとうございます。
また、お越しください。
と
ありがとうございます。
また、宜しくお願いします。
では微妙に違います。
ウチのスタッフには前者を奨励しています。
勉強になりました。
僕も転機を迎えたくなってます♪
Oblige347さんへ、
タイで操業中の日系自動車メーカーさんは、今年は鼻息が荒いですね。前年度比、15~20%アップの生産を予定しているようです。
それに、インドのタタ・モーターも、中国の自動車メーカーもタイに組み立て進出をしております。
つまり、タイには、実力のある部品メーカーが多く、生産拠点として魅力的だと考えられているのでしょう。
これは、裏返せば、価格に競争力があり、品質面で優れている証拠ですね。
因みに当社は、自動車メーカーとは深い関係にあるインフラ周辺産業の日系メーカーと言うことで、部分的にはその恩恵も受けております。
さて、ヨーロッパでは、PIGSの経済危機が叫ばれておりますが、タイにいると関心が高くありません。この国は、GDP輸出依存度が60%で、その内12%がEU向けです。重要な地域なんですが、意外とノンビリしてます。
まあ、百聞は一見にしかずで、恩義さんへは、一度、遊びに来られることをお薦めします。気に入れば、住み着いてしまうかもしれませんね。
バンコクは、欧米人が本当に多いですよ。この暖かい国が好きなんだろうなと思います。
とよこさんへ、
実を申しますと、会社ブログと言うのも運営しておりまして、会社案内のビデオやら、製品の紹介ビデオをそこで貼り付けております。
これは、日本側でもまだやっていないことなのですが、グーグルのユーチューブとブロガーを連動させながら、運用中です。
中には、代理店会議の出席者と自分が一人一人と握手している動画まで載せているんですが、あんまり、気張って紹介しているわけでもなく、気づいてくれる人がいれば良いなーぐらいの乗りでやっております。
デジタルの技術を駆使するが、内容の盛り込みは、アナログで必死に考えていると言う感じでしょうか。
本当は、企業ブログもご案内したいのですが、私の素性が分かってしまいますので、ご勘弁願いたくご了承下さい。
海晴朗さんへ、
なかなかに含蓄のある言葉ですね。
”また、お越しください。”って言うのは、次回につなぐ余韻があると思うのですよ。
言い様は些細ですが、客の琴線に響けば、次回の訪問を促したことになります。
今は、何でもマニュアルで教えてしまうよなご時世で、何となく、さびしいビジネスの世の中になったとは思うのですが、本当に有能な営業マンは、そこに気が付いて、そこからどんどん飛躍されるのだと思いました。
海晴朗さんも、スタッフの皆さんに分かってもらいたくて、おっしゃっておられるのでしょう。
お気持ちが分かります。
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