当時、IBM社は、パソコンに関わる事業を多角的に広範囲に行っていました。
確か、ウインドウズに対抗して独自にOS2と言うオペレーティング・システム(OS)も開発していました。
それに、アップルのマックで使われていたPC-604のようなCPUも生産していたと思います。
そんな中で、未だに記憶に残っているちょっと変わったソフトがありました。
物珍しさもあったのでしょう。
パソコン雑誌で紹介記事が掲載されていました。
どんなソフトだったのか。
それは、パソコンから単独起動できるインターネット・ブラザーなのでした。
ウインドウズのようなOS、つまりオペレーティング・システムを先に立ち上げる必要がありません。
でも、ブラウザーって何って言う人がいるかもしれません。
簡単に言えば、インターネットを見るソフトの総称なんです、
必ずウインドウズにセットされている”インターネットエクスプローラー”とか”ファイアーフォックス”のことを差しています。
たしか、このソフトは、ブラウザー機能だけがポンと画面に現われるのです。
インターネットで調べると、WebBoy(ウエッブボーイ)と言う製品名がついていたようです。
目的は、流行り廃れの早いパソコンで、CPUも非力でメモリーも限られるお古なモデルに、活用再生の道筋を提供するものでした。
当時、PCは安くても二三十万円しました。
この金額では、当然、消耗品扱いではなく、資本的支出になります。
経理の帳簿上では、資産の扱いとなって償却期間も設定されてしまいます。
ところが、技術開発の方が日進月歩なのです。
その期間内に、性能が見劣りするようになってしまうのは事実でした。
使える期間が五年も保てない。
特に、小中学校で視聴覚機材として購入しても、活用できずに機能が見劣りしてガラクタ同然になってしまう。
そんなケースを良くニュースで耳にしていました。
それで、日本IBMは考えました。
公的な機関に設備納入で実績のある大手企業としても、見過ごせなかったのでしょう。
もし、新しい活路が見い出せれば、機材も再生される。
それが、インターネットのアクセスという単機能ソフトの提供につながったように思います。
そこで、現在に立ち返ってみましょう。
我々は、パソコンに何を求めているのでしょうか?
ひょっとして、インターネットさえ見られればそれでかまわない。
そんな人が大半なのではないでしょうか。
では、パソコンで必ず立ち上げるウインドウズに何を求めますか?
あなたは、自宅でもオフィスのような事務ソフトを使いますか。
そんなに仕事中毒なのでしょうか?
そして、インターネットにアクセスさえ出来たら、何でも良いのです。
パソコンでなくて、携帯だけで用は足せるのかもしれません。
もっと、私なりに極論しましょう。
※インターネットから呼び出す表計算ソフト(エクセルと同じ)
ウインドウズは、もう必要ないのかも知れません。
セブンとか言うのも、ビスタよりましになった程度です。
動きが重く、ネットだけならXPでもその前の2000でも問題なかった。
インターネットには蛇足なんじゃないでしょうか。
と言うわけで、マイクロソフトのウインドウズに価値を見い出せなくなる日が、そう遠くないような気がしました。そんな間隙をついて、グーグルが新しいOSを発表する予定でいます。先行で発表された「かな漢字変換機能」だけを見ると、グーグルが優れています。機能をてんこもりしたからと言って誰も喜ばないのです。消費者のニーズを嗅ぎ損なった、朽ち行く巨人をそこに見た道産子社長なのでした。
(この巻き、終わり)
4 件のコメント:
グーグルさんに期待を寄せている一人です。
グーグルの日本語入力は使いやすいですか?
そのうちPCからOSがいらなくなるとかって言う様な事をTVでやってました。
ネットでサーバーのOSに繋ぐとか。
よく分かりませんが。
どらねこさんへ、
PCからOSが不要になると言う表現は、ちょっと乱暴だと思います。BIOSでも、DOSでも、カーネルでも、PCを動かすには最低限必要なはずです。
そこで、OSからインターネットだけを立ち上げて、後はホームページ側のサーバーで動いているアプリを、ネットの通信によって操作することになるのだと思います。
実は、このような考え方は、ウエッブ端末として既に98年ごろから製品化されていて、Cyrix社のMediaGXと言うワンチップCPUがその機能を担いました。
ただ、当時は、ネットのスピードが遅かったので、LANとして事務所のサーバー~端末を通信しあう形で考えられていたように思います。これに比べて、現在は、インターネットが高速化しましたのでWANの位置づけで、ウエッブ端末が実現できそうです。
となれば、言わずもがなウインドウズは重くて野暮になるだけです。ブラウザーだけが立ち上がるマシーンが出てきたとしても、おかしくは無い時代になりました。
うーん、でもワードとエクセルは小生が勉強中の時には必需品でしたし、就職活動でCV送る時もこの二つが無いと応募できないようなじょうたいです。 しかし、マイクロソフトが来る前はワードもエクセルも別の会社が追加ソフトウェアとして販売していて、マイクロソフトがこれらの企業のプロダクトをマネして得りはじめたんですよね(修士課程の先生曰く)。
しかし、こういう本体ソフトと追加ソフトの『相性』を付随して売りこむ手段は市場の独占化において有効な手段だからいままでマイクロソフトがそのしゅほうでやってきました。
それにベータービデオとVHSビデオの売上争いと同じで、性能がちっと劣っていたでも、一度流通頻度を上げてしまえば、すべてのビデオの商品をVHSビデオと提携して売らせることが出来るのですよね。
んでも、そのつぎにはCD、そしていまはiポットやMP3プレイヤー。そしてインターネットからのダウンロードでその独占市場もくずれましたがね。 やはり、OSと付随ソフトの相性問題もそういうふうな形で技術発展とともに衰退して、より競争的になっていくでしょうね。 統計学で使っているグレトルやスタータもネット上でインプットして使えるようになるのでしょうね。
ただ、ネットが継がらない状況で表計算したりもするので、OSが消えてネットが使えない状況でも、ソフトウェアだけは使える状況は保ってほしいです。 その場合は表計算と統計そしてワード機能だけを盛りこんだモバイルギアサイズの小型で廉価な機会が欲しいです。 そして、USBで普通のパソコンに簡単に繋げられるような。 つまりその小型機械だけはOS通さないでファイルを直に開けるプログラムがはいっていればあいい。 そして、コンピューターに継いだときだけネット上でファイルフォルダの管理とデータ収集をするというような。 ただ、そのばあいは個人情報防衛のセキュリティは絶対欲しいです。
Oblige347さんへ、
四半世紀以上もパソコンのソフトを使い続けていると、ソフトのことは大概触っていますので、分かります。
表計算ソフトは、アップルIIで使うカセットテープ!!読取・書出のビジカルクから始まりました。
ビジカルクは、後にマルチプラン、ロータス1-2-3 、エクセルなどの流れを生み出すスプレッドシート・ソフトの先駆けとなりましたが、日本ではソードのピップス・ランプランも有名で使われていました。
小生の場合、123とマルチプランから始めましたが、プログラムに特許とか意匠権とかあまり、認めてられなかった時代なので、競争が激化して淘汰されて行ったのが、本当のようです。
これを見るに、OSを独占したマイクロソフトは、企業の知恵者で勝ち組になると言うことでしょう。
ですが、今は無料ソフトもあるのです。OpenOfficeOrgは、準完全語感のオフィススーツです。しかも、無料で、ネットからダウンロードできます。
LINUXにも乗せることができますが、LINUXはかな漢字変換の精度がまだ良くないし、ウインドウズとのファイル互換性も優れていないので、あまりお勧めはできないようです。
ただ、マックはユニックス系統のタイガーでOSを切り替えて成功しました。おそらく、グーグルも、ユニックス系統で開発されていると、個人的には思います。
そして、付加価値の付けまくりで、大きく重くなったマイクロソフトより、エッセンスを抽出したOSとアプリだけで構成され、軽い動きの時代が間も無く来るでしょう。
最後に、個人情報のセキュリティーは重要ですよね。米英は、エシュロンと言う情報監視システムを世界に張り巡らせていますから、グーグルが提供するネット経由の表計算ソフトの情報なども、必要に応じて読み取られているかも知れない。
となれば、ネットに依存するOSは危険で、未だにスタンドアローンが安全性で価値を持ちそうです。
自分としては、必要に応じてネットにアクセスできる軽いOSに期待するばかりです。
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