どうも得体の知れない魚に手を出そうとする勇気が湧かない。
せめて、姿かたちから和名が思いつくのであれば、多少は食指も動くと言うものである。しかしながら、日本から六千キロ以上も距離を隔てた異国であると同時に、タイは熱帯に位置しているので、生息環境が違って来ると同じ魚と言っても、どこかしら微妙に違いを感じるのである。同じ種類だと言われても、どうもどこかが違うのだ。
秋刀魚みたいな輸入物は、もともとタイで獲れないのだから問題ないし、テラピアなんかほとんど日本で流通していないので、始めてトライする魚種だから覚悟して食べることもできよう。気になるのは、日本でもタイでもごく普通に食べている共通した魚のことだ。
例えば、上のカルフールの広告を見ると、右端で上から下に、サンマ(数字10)、スズキ(59)、テラピア(赤、37)、テラピア(黒、17)、渡りガニ(52)の順で並んでいる。サンマの左隣は、カッコウさえ見てしまえばハマチ(55)と分かるから、日本で食べているものと代わりが無いので安心して買うこともできる。
ところが、上から二番目のスズキは格好がかなり違う。頭の部分が、日本のものよりちょっと平べったく長い。日本のスズキは、ちょっと丸みを帯びた頭だから、どうも種類が違う。それでも、白身には変わらんだろうと思って、上さんが試しに一匹買って見た。家では、蒸した後に、醤油で味付けして食べたのだが、味はまあ似たようなもんだと感じた。
ただ、こちらの魚は生臭さが強い。
多分、小売に出るまでの保冷方法が思わしくないと思うのである。獲れ立ては新鮮だから臭みなんか無いはずだ。ただ、暑い中を漁場から運んで港の卸市場に持ち込んでも、セリの後にようやく冷蔵するのなら、鮮度はガクッと落ちてしまうはずだ。そんな風に感じたのである。
しかも、さかなの名前が大雑把過ぎて、細かい種類の名前が特定しづらい。日本にいれば、アジなら、マアジ、ヒラアジ、ムロアジ、シマアジとか種類も分かれていたような気もするのだが、こちらは単に、プラー・トゥなのである。下の写真は、タイのアジなんだが、スズキ目 アジ科には違いないものの、日本のマアジとは何となく違う気もして来る。
それで、タイ語、英語、日本語で魚名を調べてみたんだが、結構、英語も雑な呼び名をしているのが分かった。サバもアジもmackrel(マッケレル)と一緒くたに読んでいるし、カレイもヒラメもhalibut(ハリバット)と読んで差し支えないみたいだ。同じ種類には違いないから、切り身になって売られてしまえば、同じだと言うことなのだろう。
サバ --- Saba mackerel --- プラー・サバ
アジ --- Thai mackerel --- プラー・トゥ
マナガツオ --- Butter fish -- プラー・ジャーラメット
ナマズ --- Cat fish --- プラー・ドゥ
カレイ --- Flounder/Halibut -- プラー・ターディオ
ライギョ --- Thuder Fish --- プラー・チョン
イトヨリダイ --- Threadfin bream --- プラー・サイデーン
スズキ --- Sea bass --- プラー・ガポンカオ(?)
ヒラメ --- Halibut --- タイ語分からず
しかも、カルフールの英語表記が好い加減もいいところで、イトヨリダイを”SILVER SHREDFIN BEAM.M”としてあって、誤字脱字が甚だしい。これでは、英語で特定しようにも探しきれない可能性が高い。他にも、”Indian Pacific Red”と書いてあった魚は、グーグルで全くヒットしなかったのである。
と言うわけで、結局は、食べたい魚を先ず買ってみて料理して食べない限り、どんな魚の種類なのかは分からないと言う結論に至ったのでした。それでも、カルフールは三枚おろしとか下ごしらえをやってもらえるから、上さんも少しは気楽かなと思った、貧乏社長なのでした。(この巻き、終り)
おまけ:
この歌をようつべで聴くと、日本人は本当に魚好きなんだと改めて思います。
4 件のコメント:
ご同情申し上げます。
私もそうです。得体の知れないものは食べられません。
最近は健康の為野菜と魚が多くなっています。
幸い地元で獲れた魚で間に合っています。
ところでそちらでは刺身は食べられるのでしょうか?
どらねこさんへ、
刺身はこちらでも食べられます。日本食系のスーパーで買えるんですが、何となく鮮度が気になってしまい、余り買うことはありません。
この他、近所におすし屋さん兼居酒屋さんがありまして、この間、ランチサービスで寿司食べ放題をやっておりました。上さんと一緒に食べたのですが、これは安いですね。日本円で千円しませんでした。びっくりです。
カルフールの写真の魚たちの顔に圧倒されました。随分顔つきが違いますね。
中国で魚屋をのぞいて見ますと、たまになんなのかよくわからない魚がおりまして、不気味なので食べることはないのですけど、興味深く観察することにしております。
私の近所の魚屋は川魚専門なのですが、たまにヘラブナみたいなのがおりまして、ヘラブナって食べられたっけ?と思っていたら友人宅のパーティで早速出てきまして、意外と悪くない味で感心いたしました。
タイに行く事があったら、ぜひ魚屋をのぞいてみようと思います。
黒色中国さんへ、
こちらのカルフールでも、Chinese Carpと言って鯉が売られております。ただ、形は日本のより丸っこい感じです。
やっぱり、鯉といえば日本の洗いですよ。思い出して酢味噌で食べたくなりました。バンコクでは海魚の刺身は食べられますが、鯉の洗いは聞いたことがないのでいっそう募ります。
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