タイ地元っ子の佐藤啓吾君も、結局のところ、日本人だったということだ。
タイ中部の故郷ピチット県で暮らそうが、国際都市バンコクに来ようが、生まれも育ちも喋られる言葉もどこであろうと、彼はれっきとした日本男児なのだ。しかもタイの地元では、先祖に日本人のいる人をNikkeijin=日系人と、一般的に呼び習わすようで、バンコクポスト英字紙でも、啓吾君をこの言葉で表現していた。
もちろん、この言葉には蔑みとか差別的なニュアンスは全く含まれていない。家系において、人種的な日本人の関わりを、単純に表現しているように思うのである。片や、フィリピンでは、ジャピーノと呼ばれる子供達も存在している。日本人男性とフィリピーナの間に出来た子は、いわゆる結婚とは無関係な状況でもたらされた私生児のためか、環境も複雑で社会が見る目は冷たい。
その点では、名乗りを上げた父親の佐藤克己さんは偉いところがある。
つまり、啓吾君を実子として扱い、法的に則って出生届を日本で出したのだ。そして、啓吾君は克己さんの戸籍に入り、長男になるわけである。タイに生まれ住んで、日本を一度も見たことが無かったとしても、啓吾君は日本国籍を所有する男の子として改めて確認されたことになる。
しかしだ。
冒頭の写真にもあるようにアピシット首相の持ち上げようは異常かもしれない。まして、マスメディアも時の人として、啓吾君をインタビュー番組に担ぎ出してしまった。
いかに、地元の人や民主党首班の現政権が日本びいきだとしても、年端も行かない子供を大げさに行事の特別ゲストとして招く必要もなかろう。子供をダシに使いすぎて、本人に悪い影響を及ぼさないか、はたから見て気がかりになった。その辺り、タイの人たちは結構、無神経なところもあると感じたのである。
と言うわけで、タクシン元首相派「反独裁民主同盟(UDD)」が政権を握ったら、今度は中共べったりのおべっかを使うから、日本人の啓吾君へは知らんぷりを始めるだろう。そうなったら、田舎でこつこつしっかり勉強してから、お父さんのいる日本にでも留学させてもらうといいよ、と考える貧乏社長なのでした。
(この巻き、終り)
おまけ:
日本は、タイと正式な国交を120年以上も前に結びました。アジアの中でも、最初に修好条約を結んだ国がタイということになります。それだけ歴史が古いのも、王室と皇室の関係があるからでしょう。国家も人々も、日本との関係を尊重してくれることは、地元で働く人間にとって非常にありがたいものです。
そうなると、佐藤啓吾君の話題が、ハッピーエンドでここまで来ているのは、喜ばしい限りと思いました。
2 件のコメント:
日本も民主党政権に代わってから、早速、永住外国人に参政権を認める法案を出そうとしていますね。
もしそれが実現したら、啓吾くんのように、永住外国人の子供さんをダシに使って、TV出演などさせるのでしょうね。貴方も20歳になれば、この日本を変えられる1人になれるんだよ、とか言いながら・・・。
美人・子供・動物が宣伝ウケするというのは定説になっていますが、ぐりぐりももんがさんのおっしゃるように、子供を政治のダシに使うのは私もあまり良く思えないです。
とよこさんへ、
うちの上さんは国籍が違います。外国人参政権は絶対に反対だそうです。母国でもそうだったからで、選挙権が欲しければ帰化すれば良いと話しました。どうして、帰化せずに選挙を欲しがるのかと聞かれたので、いろいろと税金何とかしてくれとか便利なことがあるみたいよー、と話したら納得しました。
これは、ネットの巷で言われる何とか特権とか言う奴なんでしょうけど、本当のことは自分も知りません。それでも、説得力のある理由になってしまうのです。胡散臭いなー、だから小生も反対なのです。
コメントを投稿